Jun 4, 2025
RACIチャートで解決:実行責任と最終責任の違いを理解しよう
Jun 4, 2025
RACIチャートで解決:実行責任と最終責任の違いを理解しよう

大規模なプロジェクトを進行していると、「誰がこのタスクを担当しているのか?」「最終的な責任者は誰なのか?」といった混乱が生じることがあります。このような状況では、役割の不明確さが原因でプロジェクトが停滞し、最悪の場合は納期に間に合わない事態にもつながりかねません。
そこでおすすめしたいのが、RACIチャートの活用です。 このチャートを導入することで、役割と責任を明確化し、チーム内のコミュニケーションを円滑に保つことができます。
本記事では、RACIチャートの基本定義から、各役割(責任者・最終責任者・相談相手・報告対象者)の違い、そして導入のメリットについて詳しく解説します。
RACIチャートとは?
RACIチャートは、プロジェクトにおける「誰が何を担当するのか」を明確にするためのフレームワークです。曖昧になりがちな役割や責任範囲を可視化することで、タスクの重複や伝達ミスを防ぎ、スムーズな進行を実現します。
単に「誰にどのタスクを割り当てるか」を示すだけでなく、プロジェクト全体の構造や意思決定プロセスまで整理されるため、関係者全員が自分の立場と他人の役割を正確に把握できるようになります。特に、複雑なプロジェクトや複数部門にまたがる業務では、その効果を大きく発揮します。
RACIチャートの4つの役割定義
RACIは、それぞれの頭文字が示す4つの役割で構成されています。以下に、それぞれの意味と具体的な役割をわかりやすく解説します。

Responsible(実行責任者)
「Responsible」は、タスクの実行を直接担当する人です。実際に作業を行い、成果物を完成させるのがこの役割です。複数人が担当することもあり、チームメンバーとして現場で手を動かす「実働部隊」となります。
例:資料を作成する、設計を進める、コードを書くなど
Accountable(最終責任者)
「Accountable」は、タスクの最終的な責任を負う人物です。成果物の承認権を持ち、全体の進捗や品質をチェックします。この人の承認なくして、タスクは完了したとはみなされません。
例:マネージャー、プロジェクトリーダー、意思決定者
※通常、1つのタスクに対して「Accountable」は1人だけです。
Consulted(相談相手)
「Consulted」は、専門知識や助言を提供する役割です。プロジェクトチームからの質問や判断に対して意見を出し、方向性を示します。双方向のコミュニケーションが前提となるため、密なやり取りが必要です。
例:技術アドバイザー、法務担当、顧客代表者
Informed(報告対象者)
「Informed」は、タスクの進捗や結果について報告を受ける立場です。実際の作業には関与しませんが、決定事項や完了状況について継続的に情報を受け取る必要があります。
例:関係部署の管理職、外部ステークホルダー、上層部など
RACIチャートにおける「実行責任者」と「最終責任者」の違いとは?
RACIモデルを理解する際、多くの人が混同しやすいのが「実行責任」と「最終責任」の違いです。両者は似ているようで、プロジェクトにおける立場と責任範囲は明確に異なります。
以下の比較表を参考に、それぞれの役割の違いを整理しましょう。
項目 | 実行責任(Responsible) | 最終責任(Accountable) |
---|---|---|
主な役割 | チームメンバーごとのタスク遂行を担う | 成果物全体に対して責任を持ち、結果に対して説明責任を負う |
権限 | 実務を遂行する範囲に限定される | 成果物の承認・却下を行う権限を持つ |
注力点 | タスクに集中 | 結果に集中 |
人数 | 複数人が該当する可能性あり | 通常は1人が担当 |
責任範囲 | 作業プロセスを完了させる | タスクが適切に完了したかを最終的に確認・管理する |
代表例 | コンテンツライター、ソフトウェア開発者など | プロジェクトマネージャー、部門責任者など |
RACIマトリクスをビジネスで活用するための実践的ヒント
RACIチャートの定義と各役割の違いを理解したら、次は実際に自社プロジェクト向けのマトリクスを作成してみましょう。ここでは、効果的なRACIチャートを作成するためのヒントをご紹介します。
ヒント1:マインドマッピングツールを活用してRACIマトリクスを作成する
RACIチャート作成において最も重要なのは、使いやすく柔軟なプロジェクト管理ツールの選定です。 おすすめは、AI機能を備えたマインドマップツール Xmind。
Xmindの「AI Copilot」機能を使えば、アイデアを整理されたマインドマップへ即座に変換できます。また、さまざまなテンプレートやカスタマイズオプションが用意されており、チームの役割分担を視覚的に整理するのに最適です。
さらに、チームメンバー同士でコメントを残したり、進捗を共有したりすることも可能です。
Xmind AIでRACIマトリクスを作成する手順
例えば、自社が新しいWebサイトを複数の媒体で公開するプロジェクトを開始する場合、デザイン、開発、管理など多様なタスクと役割が発生します。以下のステップで、RACIチャート(Responsible vs. Accountable)をXmindで作成してみましょう。
ステップ1:テンプレートを選択
Xmindにログイン後、「新規マップ」をクリックし、「New Map」ダイアログからプロジェクトに適したテンプレートを選択します。
ステップ2:マトリクス形式を選ぶ
画面右側の「スタイル・フォーマット表示/非表示」アイコンをクリックし、「Skeleton」タブへ。 「Matrix」カテゴリから好みのマトリクス構造を選択しましょう。

ステップ3:タスクと役割を入力
「+」アイコンを使って列と行を拡張し、必要なタスクや役割を入力します。各行にタスク、各列に担当者を割り当てるのが基本構造です。

ステップ4:見やすくカスタマイズ
任意のセルをクリックし、「スタイル」タブから「塗りつぶし」や「色分け」を設定できます。たとえば、Responsibleを青、Accountableを赤などに色分けすると、視認性が向上します。

ステップ5:チームと共有
マトリクス作成が完了したら、画面右上の「共有」ボタンをクリックし、「Manage」を選択。チームメンバーのメールアドレスを入力し、「招待を送信」すれば完了です。

まとめ:RACIチャートはプロジェクト成功のカギ
RACIチャートを活用することで、プロジェクトの混乱や責任の曖昧さを回避し、チームの生産性と連携力を飛躍的に高めることができます。特に、ResponsibleとAccountableの明確な区別がプロジェクト成功のポイントです。
Xmindのような直感的なマインドマップツールを活用すれば、RACIマトリクスの作成もチーム共有もスムーズに行えるため、ぜひ活用してみてください。
ヒント3:役割と責任を明確にマッピングする
RACIマトリクスを作成する際は、プロジェクトの目標を明確に定めた上で、各役割とタスクを具体的にマッピングしていくことが重要です。
たとえば、新しい企業Webサイトの立ち上げプロジェクトを例に考えてみましょう。このようなケースでは、「誰が作業を実行するのか(Responsible)」「誰が最終責任を負うのか(Accountable)」「誰に相談すべきか(Consulted)」「誰に報告が必要か(Informed)」といった役割をRACIの頭文字に沿って整理する必要があります。
こうした役割と責任の整理により、プロジェクト全体の流れが構造的に把握でき、チームが一丸となって目標達成に向かう体制が整います。
ヒント4:内容を確認し、タスクを実行に移す
RACIチャートが完成したら、必ずチーム全員で内容をレビューしましょう。各自が自分の役割と責任範囲を正しく理解しているかを確認することで、後々の混乱やタスクの抜け漏れを未然に防ぐことができます。
また、チームからフィードバックや提案があれば積極的に取り入れ、チャートの内容を必要に応じてアップデートしましょう。このような協働的なプロセスを取り入れることで、エラーの少ない精度の高いプロジェクト進行が可能になります。
まとめ
プロジェクトを成功させるうえで、「誰がどのタスクを担当しているのか」を明確にすることは極めて重要です。 この記事では、RACIチャートの基本定義から、ResponsibleとAccountableの違いを比較表で整理し、それぞれの役割と重要性を解説しました。
さらに、Xmindを使ってRACIマトリクスを作成する具体的なステップや、作成時に役立つヒントもご紹介しました。Xmindの直感的なUIやAI機能を活用すれば、数分で視覚的に優れたマトリクスを作成し、チームと簡単に共有することができます。
明確な役割分担と透明性のあるタスク管理を実現するために、RACIチャートをぜひプロジェクト運営に取り入れてみてください。
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