元素分析
有機化合物を構成する元素とその量を調べる
化合物の組成式を決める
方法
ろ過
固体粒子と流体の混合物を 多孔性のろ材に通し,両者を分離する操作
流体
気体や液体のように,少しの力を加えると容易に変形する物質
多孔性(材料)
多数の細孔(小さなあな)の空いている材料
蒸留
液体→気体→液体の変化を利用した分離操作
分留(分別蒸留)
沸点の違いにより複数の成分に分離する操作
液体空気→酸素・窒素
石油(原油)→ガソリン・灯油・軽油
再結晶
合成または抽出などによって得られた粗結晶をより良質で 不純物の少ない結晶へと成長させるための操作
粗結晶
純度の低い結晶
昇華
固体が表面から気化して直接に気体となる現象。 その逆過程 (固化) を意味する場合もある。
抽出
溶媒によって溶解度が違うことを利用して分離する方法
溶媒
溶質をとかしている液体
溶質
液体にとけている物質
溶液
溶質が溶媒にとけた液全体
溶解度
ある溶質が一定の量の溶媒に溶ける限界量
クロマトグラフィー
気体、液体、超臨界流体を移動相とし、カラムと呼ばれる管の中に保持された固定相と物質の相互作用によって混合物を分離、検出する分析法
超臨界流体
臨界温度(Tc)・臨界圧力(Pc)を超えた状態
移動相
移動する側,すなわち溶媒などの相
ペーパ-クロマトグラフィー
分析しようとする混合物の溶液をろ紙の一端につけて乾燥させた後、 下端を適当な溶媒(展開材)に浸す。 展開材がろ紙に滲みこんで移動するとき,試料が展開材とともに移動するので、移動のしやすさの違いによって物質を分離する
カラムクロマトグラフィー
筒状の容器に充填剤(シリカゲル、多孔性ゲル、合成樹脂など)を つめ、これにある化合物を含む移動相を流すことでその化合物の 精製や同定・定量などの分析を行なう
ガスクロマトグラフィー
主に気体、液体の試料の測定に適しており、 多成分を迅速かつ同時に定性・定量が可能で、また分析値の再現性にも優れている
有機化合物の表し方
組成式
分子を構成している原子の数の比を、 最も簡単な整数比で表したもの
分子式
分子を構成している原子とその個数を表したもの
示性式
官能基を明示した形で、性質を明らかにしたもの
構造式
個々の原子の結合の仕方を価標を使って表したもの
mol(モル)
物質を構成する原子、分子などの要素粒子の数で表す 物質量の単位で、SIの基本単位の1つ
1モル
6.02214076×10*23の要素粒子を含む量をさす
アボガドロ定数
6.02x10*23/mol
アルコール
炭化水素分子中の水素原子が ヒドロキシ基(-OH)で置換された 構造R-OHの化合物
分類
分子中のOH基の数による分類
1分子中に1個
1価アルコール
メタノール(CH₃OH)
エタノール(C₂H5OH)
1-プロパノール(CH₃(CH₂)₂OH)
2-プロパノール(CH₃CH(OH)CH₃)
1-ブタノール(CH₃(CH₂)₃OH)
2-ブタノール(CH₃CH(OH)C₂H₅)
ドデカノール(CH₃(CH₂)11OH)
1分子中に2個
2価アルコール
エチレングリコール(1,2-エタンジオール)(C₂H₄(OH)₂)
1分子中に3個
3価アルコール
グリセリン(1,2,3-プロパントリオール(C₃H₅(OH)₃
炭化水素基(R)の数による分類
OH基が結合している炭素原子に 結合している炭化水素基の数
第1級アルコール
メタノール(CH₃OH)は例外的に含める
1-ブタノール(CH₃(CH₂)₃OH)
2-メチル-1-プロパノール((CH₃)₂CHCH₂OH )
第2級アルコール
2-ブタノール(CH₃CH(OH)C₂H₅)
第3級アルコール
2-メチル-2-プロパノール((CH₃)₃COH)
炭化水素基
炭化水素分子から水素原子1個または2個以上を 除いた残りの原子団の総称
炭素原子の個数による分類
低級アルコール
分子中の炭素数が少ないアルコール
水によく溶ける
高級アルコール
分子中の炭素数が多いアルコール
油状やろう状の個体で水に溶けにくい 有機溶媒には溶ける
命名法
基本:対応するアルカンに接尾語オール(-ol)を付ける
1価アルコール
対応するアルカンに接尾語オール(-ol)を付ける
2価アルコール
対応するアルカンに接尾語ジオール(-diol)を付ける
3価アルコール
対応するアルカンに接尾語トリオール(-triol)を付ける
アルキル基が結合している場合
1: 最も長いCの鎖を基本とする。 2: OHがどのCに結合しているかで、基本となる アルコール名を決定する。 3: 官能基がどのCに結合しているかを頭に示す。
製法
アルコール発酵
酵素群(チマーゼ)により、単糖(グルコースなど)を エタノールと二酸化炭素に分解する
C₆H12O₆→2C₂H₅-OH+2CO₂
エチレンの水付加
リン酸を触媒としてエチレンに水蒸気を付加させて作る
性質
分子間の水素結合により、同じ分子式のエーテルに比べ、 沸点が高い
エーテル結合
反応
ナトリウムとの反応
置換反応
2R-OH+2Na→2R-ONa+H₂↑
ナトリウムは-OHを持つ化合物と反応して水素を発生する
アルコール(R-OH)
フェノール(-OH)
NaOH(塩基)と反応する
カルボン酸(R-COOH)
NaOH(塩基)と反応する
水(H-OH)
脱水反応
濃硫酸との加熱により脱水される
130~140℃で濃硫酸を加える
縮合(分子間脱水)
2C₂H₅OH→C₂H₅-OC₂H₅+H₂O
160~170℃で濃硫酸を加える
脱離(分子内脱水)
C₂H₅OH→CH₂=CH₂+H₂O
酸化反応
硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液などの 酸化剤とともに加熱
第1級アルコール
第2級アルコール
第3級アルコール
酸化されにくい
エステル化
カルボン酸とアルコールから水が取れて縮合
エステル
エステル結合