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前世:竜騎士
- 父親と弟が率いる軍隊に、だまし討ちにされ殺される。和平を結ぼうと呼びかけられて、のこのこと出てきたところを処刑される。
- Event:弟は兄の美しい顔が嫌いだった。その顔に、真っ赤になった焼き鏝を当てる。
- 前世における父親は、弟への偏愛故に兄(少女)を殺したが、実は愛情がなかったわけではない。その証拠
- 共に都に赴き、入内する。四つあるうちの妃の身分のうち、第二であるが、共に都入りしたことは、各世界に大きな衝撃を与えた。
- あまりにも優秀な兄と凡百な弟。父親は弟を可愛がった。占星術師によって、兄が父を簒奪すると占せらえていたからだ。弟は生死を超えて劣等感を持ち越す。
- 醜い痣のために、右の髪の毛はいつもたらしている。それがかえって妖艶さを若いながらに漂わせていると風聞になっていた。小さいときからそれをコンプレクスに感じて育つ。同時に家族が自分にだけ秘密をつくっているという感覚も不快だった。孤立しているわけでもないのに、常に淋しさを感じていたが、自尊心の高さがそれを簡単に外に出させなかった。
- 楼の国(12ある爵位のうち第3位水晶爵)
- 紫、黄、赤、青、長女から四女まで。
- 前世;何処か別の世界
- 紫姫の父親、楼水晶爵、字は麒(キ)母親、楼水晶爵夫人、字は祐ともに能天気な人であって、平和が長く続いた世であればこそ、そのような高い身分に生まれついで無事でいられる、とは娘の親観である。
- 宰相:顔塩、字は麩。銅爵。40歳切れ者である。紫姫からすると、彼のおかげで今の楼国の地位がある、らしい。男。
- 占星術師:実はミラノ帝国からやってきた、第一人者の娘。姦通罪によって島流しになったが、ほうほうのていで、ミラノ世界から脱出してきた。女性、年齢、30歳
- 劉玄徳:古代の大書家
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疑似中華帝国ヒエラルキー
- フローティングトピック
- フローティングトピック
- 12の爵位。1光、2水、3水晶、4土、5、火、6、空、7金、8銀、9銅、10鉄、11酒、12塩
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後宮
- 正妃
- 1位:竜妃2位鷺妃(紫姫はこの位で入内する。)3位魚妃4位兎妃(とひ)の四つの位がある。
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皇帝
- フローティングトピック
- 翡翠:呪術師が水晶爵夫人から与えられた名前。故郷ミラノ帝国ではコルネリアと呼ばれていた。
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東宮妃、夏麗、字は礼
- 紫姫、楼鷺妃に激しい敵意を示す。
- 正妃の企みによって紫姫は後宮内で孤立の度を深める。それを決定づけたのは、碇兎妃が追放された一件は、少女が皇帝陛下に取り入って仕組んだという実しやかな噂が広がっていた。彼女は元々前皇帝の妃だったが、東宮が新帝に即位するさいに、現皇帝の妃となったのである。その際に兎妃に身分を落とすことが、宰相夏翅との約束であった。【始女帝弐~182】
- フローティングトピック
- 皇帝崩御、新帝即位
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夏翅、正妃の父親、外戚一族の長。宰相。凡庸な皇帝を操って国政を壟断することをたくらんでいるが、今は、準備期間として、かつて敵対したものを登用したり、自分の一族を要職に示させないといった、これまでの政治史ではありえないマネをしたりして、自らのカリスマが増大する様子をただ眺めている。
- 紫姫の父親である楼水晶爵は友人のために、娘が少女の敵意を示す理由を測りかねている。
- 濃の口から、翡翠でみたという、紫姫の前世の話が語られる。少女はそれを翡翠の裏切りとみなす。
- 紫姫は翡翠を全面的に信用している。しかし、呪術師は少女にすべてを、そう前世で何があったのかを明らかにしていない。そのことを知ったとき、少女は・・・・。
- 翡翠は少女を、自らの命を犠牲にして救う、それがこの章のエンディング。
- 入内した紫姫は楼鷺妃なる名前を与えられる。東宮との出会いはそれほどの感慨は受けなかったが、東宮妃(正妃)との邂逅は運命的な恐怖を覚えた。なお入内とほぼ同時に皇帝は崩御し、東宮は新帝に即位する。少女は魑魅魍魎世界としか思えない、この後宮の中において唯一、心が許せる存在、翡翠(少女の前世を見切った異国の呪術師)を彼女に奪われそうになる。外国人は後宮に入れないために動物として入れるより他に方法がなかった。じっさい、その手を使って外国人の侍女を伴う妃も少数だがいなかったわけではない。翡翠を視た瞬間に、紫姫の力強い味方であると読んだ正妃は二人を引き離す方法としてそれを選んだ。こともあろうに、少女に打撃を与えるために、翡翠を全裸にして首輪と鎖で犬に仕立て上げて、後宮から宮殿まで歩かせることを考える。その際、多くの人の目が集まる広場で、奴隷としての烙印を意味する刺青を、彼女の顔に入れることをもくろむ。なお、翡翠はその命令を知ってから、広場に至るまで完全に冷静な態度を通し、かえって少女を困惑させた。だが、正妃の命令を受けて、翡翠を連行する任を担ったのは後宮を警護する女竜騎士を集めた近衛であった。そのなかに、少女の母親が後宮内の知己である宦官、疎に依頼して入れ込んだ、濃がいた。彼女は少女と幼馴染であり、ともに竜騎士としての研鑽を積んだ間柄である。彼女は密かに一団から外れると、疎の下に報告に赴いた。彼は皇帝に、翡翠を新たな妃にすることで、彼女を救う策を上申する。外国人を妃としてはいけない、という決まり事は存在しなかった。前例がないわけでもない。皇帝は躊躇いながらも、その策に同意する。【始女帝弐~77】
- 正妃の、紫姫こと楼鷺妃に対する敵意は、最初は単なるいらいらの発露にすぎなかった。東宮が皇帝に即位したとたんに、歴史の通例に倣って権勢をほしいままにできると思ったにもかかわらず、それに水を差したのは誰あろう、父である、いわば外戚である父親、宰相、夏翅であった。彼は中立派どころか、彼に相反する立場にある人間も、ほぼ持てる能力に忠実に人を登用した。実が、さじ加減、自分に都合のよい登用も行っていたのだが、それは目立つ形ではなかった。【始女帝弐1~30】
- 宮廷における、いや、世界の中央という世界において、もっとも他人に屈辱を与えたければ、唾を吐きかけるよりも、無造作に頭の上に手を乗せればいい。その慣習があるからこそ、紫姫は髪の毛で痣を隠すことで世界に乗り出すことができたのである。
- 正妃は恐ろしいことを考えていた。翡翠を、人々の往来のある広場に連れて行き、そこで奴隷の証である刺青を彼女の顔にいれようとしていたのである。人間と認める代わり、というのが正妃の論理だった。しかしそのもくろみは、宦官、疎の策略によって潰える。皇帝は、翡翠を妃として入内させると宣言し、後に残されたのは正妃の憎しみだけだった。【始女帝弐~77】
- 故郷から侍女を宮廷に伴うことは許されず、入内した紫姫は孤独だったが、唯一の友人は、翡翠だけだった。彼女は動物扱いすることでようやく後宮に入れることができた。それを逆手に取ったのが、正妃だった。翡翠と懇意にしていることを知った彼女は、紫姫に、珍妙な動物を欲しいという内容の手紙を送る。それが翡翠を意味することはあまりにも明白だった。翡翠は自ら従うことを申し出る。何と全裸にしたうえで首輪と草襟というまさに動物扱いとしか思えない方法で、正妃の侍女は彼女を連行していく。それに当たっては近衛が担っていた。そのうちのひとりに、濃がいた。彼女は、紫姫の母親が知り合いである宦官、疎を通じて近衛にねじ込んだのである。彼は、濃に、紫姫の元へと戻るようにいい、自分は秘密のトンネルを使って皇帝の下へと向かった。彼には翡翠を救う秘策があった。それは外国人の妃を迎えることを禁じた決まり事がないことをいいことに、翡翠を新しい妃として入内させることだった。【始女帝弐~57】
- 正妃は、すぐに紫姫を、後宮の自室へと呼び出す。少女はいまだ翡翠が無事に解放されたことを知らない。そんな少女に、正妃は、かつて翡翠にしてやりたかったことを、あたかも実現したかのように話して挑発する。かくて、それに負けた少女は部屋の中で目に付いた剣を握ると正妃に斬りつけようとした。はたして、正妃が命ながらえたのは、とたんに入室してきた近衛のためか、少女自身の理性が原因か、それはわからない。ただ、この瞬間に、紫姫は正妃の自家薬篭中の存在となったのである。そのことを翡翠に話すことができなかった。【始女帝弐~159】
- 翡翠は、楊という、珍妙な文字を姓に与えられただけでなく、貴妃というこれまでにない身分を与えられた。楊貴妃の誕生である。
そのことは、紫姫にさらなる孤独を強いるという正妃の目的は達成させられた。妃と言う点においては同等の身分である以上、同じ部屋を
使うわけにはいかない。
- 正妃は、常に紫姫を呼び出し、侍女の役割を与えるどころか、奴隷の服を着せて、とうてい貴族がするとは
思えない、まさに下々が行う仕事をさせるなどして、屈辱を味あわせた。それだけでなく、皇帝が来ない夜は、
その身体まで要求されるようになった。
何がきっかけだったのか、正妃は、一週間と言う約束で少女を園鉄爵という、彼女の実家よりもはるかに格下の貴族の家に、
奴隷として奉公することを命じる。叛逆罪という脅迫材料がある以上、紫姫に反抗する方法はなかった。【始女帝弐~229】
- 紫姫は、顔に偽物の刺青を正妃の命令によって入れられた。正妃は、特殊な溶剤を使えば簡単に落ちるから安心するように言うが、少女はそう簡単に信用するわけにはいかない。彼女の目つきは普通ではなかった。いったい、彼女に憎まれるようなどんなことをしでかしたのか、少女は全く理解できなかった。命令通りにしなかったら、本当に奴隷の刺青を入れるぞと、その双眸が語っていた。さて、処置が終わった紫姫は、近衛である濃によって園の国に送り込まれる。国主である老女は
- 翡翠は、濃から紫姫が正妃によってどれほどひどい扱いを受けているのか、それをつぶさに知る。奴隷の格好をさせられ、何もしらない奴隷たちからひどい仕事を押し付けられたり、正妃によって身体を求められて、性的な凌辱を受けることも、珍しいことではなくなっていた。それに我慢できなくなった少女は、たまたま目にした剣で正妃を手にかけようとする。それに失敗した少女は近衛たちに取り押さえられる。叛逆罪に問う限りに正妃が出した条件は文字通りの意味で彼女の奴隷になることだった。だが、前々から気になっていた少女の髪の毛に触れることだけはできなかった。それは、世界の中央において、唾を吐きかけることよりも屈辱的な仕打ちなのだ。それをすれば、少女はすぐにでも自死しそうにみえた。正妃はとりあえず奴隷となって園の国に赴くように命じた。一週間で都に呼びよせるという約束だった。【始女帝弐~230】
- 翡翠と濃は、紫姫が正妃によって酷い扱いを受けていることは知っているが、正妃によって行われている、具体的な行為については共有していなかった。少女自身の口から直接知ることができないと覚った翡翠は、密かに深夜に彼女の後を追って正妃の部屋に辿りつく、そこで出会った竜騎士と戦った挙句、彼女が濃であることを知った。彼女が近衛として後宮に潜り込んだことは知らなかった。【始女帝弐~229】
- 正妃は、何も考えずに紫姫を奴隷として園の国におくりこんだわけではない。なんとなれば、国主である老女には、少女の正体について情報を流している。もちろん、その源は完全に秘したうえでのことである。
園鉄爵=老女は二度目の結婚であって、以前の嫁ぎ先は叛逆罪で改易となった碇水晶爵であった。その理由は前皇帝の死を碇兎妃が呪術師に命じて呪わせた、という疑義だった。
それが陰謀であって、楼水晶爵が企んだという噂は老女の耳にすでに入っている。最初は疑っていた老女だが、その二つの情報が合わさることで信じる気持ちを強くした。
そこまで計算して、正妃は少女を園の国まで送り込んだのである。
- 濃の実家、庚家は四位土爵
- しかし正妃は、まさか園の国で紫姫を枯れ死させる、つまり、老女の復讐の生贄に供するつもりはなかった。権力を使って密かに手をまわして、少女に対する老女の攻撃を止めさせることにした。ただし、力で封じるのではなく、老女が蜘蛛の巣のように張り巡らせている情報網に、楼水晶爵と陰謀との間に関係がない、という事実を放り込めは済むことである。信頼する筋からの情報ならば簡単に信用するというわけだ。同時に、彼女を送り主から、少女の正体を明かさせる。そのことで権威に弱い老女が屈することは想像するまでもない。その上、態度次第では、娘を許す可能性を示唆することまでした。
- 紫姫は奴隷として送られた園の国で、弁という国主の養女に出会う。屈託のない笑顔が印象的な可愛らしい少女だった。その笑顔に救われた気分になったが、自分の人生に終生、影響を与える存在だとは想像だにできなかった。裏からの、正妃による工作だけでなく、少女が奴隷状態から解放されるにあたって、弁の助力が国主に多大な影響を与えた。
弁は、追放された兎妃の娘だが、その際に密かに母親に託したものである。
少女は、奴隷だという紫姫に出会った瞬間に運命的なものを感じていた。彼女は前世において、当時は、彼の母親であり、家族が分裂しての争いを止めることができなかったことを、転生を超えて悔いており、その無意識における感情が、弁をして、紫姫に注視させたということができる。
都に帰還するに当たり、侍女として紫姫に随行することを希望し、受け入れられる。【~始女帝弐368】
- 【始女帝弍401】…。責めは老人たちが追うべきでしょう。陛下、侍女たちにはつみがありません」
老人たちとは宮中の結界について一手に引き受けている魔法使いたちのことである。あくまでも役職名であって、老人は、10代後半から白髪の老人までいて年齢とは関係ないと言っていい。どうやら不備があって…
- 【始女帝弍389】女官長は幼いころから正妃に仕えている。まだ二十代であるゆえに、赤ん坊である正妃を夏翅から託されたのは、彼女自身が少女時代であった。母親がいないことが不憫で精いっぱいお育てしたつもりである。誰よりも気高く、いや、それだけでなく慈悲に満ちた女性になったはずである。
- ほぼ一週間ぶりに首府に戻った紫姫はその足で後宮へと向かった。その裏門は、少女が、正妃が自分の欲望を満たすために呼び出されたときに使っていた。この時ばかりは、顔に描かれた奴隷の刺青、特殊な溶剤を使うことによってのみ消すことが可能だという、それを消したいばかりに自分の意思でその門を通った。そこには常に侍女が待機している。すぐさま姿を見せた正妃は、溶剤と引き換えに、とうてい少女が受け入れることができない条件を示してきた。それは、少女の頭を触らせるというものである。世界の中央において、個人の頭を触ることは、唾を吐きつけるよりも屈辱的な行為なのだ。それだけでなく、少女の右額にはおぞましい痣が潜んでいるのだ。それを知られることは死ぬことよりも辛いことだった。
正妃は情け容赦句、少女の頭に手を添えた。そして、事もあろうに痣をあらわにしたのである。泣き被る少女に、正妃は何事もなかったように、朝食の席に招待するという。
朝食の席に皇帝が姿を見せたことには少女は驚きを隠せなかった。正妃の命令によって、自らの希望によって奴隷となって園の国に行かせてもらったと告白させられた。
正妃が企んだのは少女に性欲を刺戟する、一種の毒薬を料理にもることだった。それによって欲情させられた少女は、事もあろうに皇帝の前で服を脱ぎ始める。
彼女を救ったのは翡翠だった。彼女は楊貴妃と言う名前で妃のひとりとなっていた。皇帝に、それは自分もかつて呑まれた毒であることを説明する。そして、少女を部屋に連れていく。翡翠と二人になった紫姫は燃え上がる性欲解消の対象を、彼女以外に見出すことができなかった。~【始女帝弐565】
- 破廉恥な行為を皇帝の御前で行おうとした紫暇は、翡翠こと、楊貴妃の機転によって救われた。しかし後宮中に少女の根拠のない噂は火のように広がっていった。
正妃は少女を呼びつけて身体を求める。その際、彼女の秘密を知っていることを告げて、それが濃に教えられたと嘘をつき、彼女の脳裏に疑念を植え付ける。信頼しているはずの友人を疑ってしまった少女を正妃は哄笑で迎える。~【始女帝弐638】
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夷狄、英の侵入。
- 【始女帝弍641】いかなる理由でこの時期に、都合よく警護の弱い部分を狙って攻め込んできたのか、たしかあの地域は、かつて叛逆罪で改易された碇水晶爵が担当していた。その歴代、同家は地域に根付いていただけに、新しく担当した貴族が足元をすくわれた理由が納得いかないわけではない。
- サブトピック 2
- 元掟水晶爵の領土
- 英仏独米蘭日伊の夷狄
- フローティングトピック
- 正妃は、紫姫に支配役といういままでになかった身分を与えて、自分の名代として後宮を支配させる。わざと居丈高で高圧な態度や、それだけでなく、妃たちを処罰する権利を与え、かつ、実行させることによって、後宮中の敵意を少女に集中させる。30人もの妃たちが集められた部屋で、紫姫は、正妃の威を借る狐と言う役どころを演じて、処罰されるべき妃たちを皆の前で半裸にして鞭を打つ、という行為まで強制されたのである。~【始女帝弐740】
- 紫姫を狙ったと思われる女竜騎士を濃は建物の出口付近で殺害する。その処理における話し合いで、紫姫は正妃に暗に濃が裏切っていることを仄めかされたことを思い出し、彼女にそれを質す。濃は冷淡な態度を示すことで、主君に対して怒っていることを示す。それに対して紫姫は謝罪するが許してもらえない。いっそのこと殴ってほしいと言うが、「家臣が主君にそんなことができるとお思いですか?と呆れられる」翡翠の提案によって、武芸稽古を行う。濃の棒が紫姫に肉体に食い込んで、事は終る。お互いの気持ちに信頼感が倍増する。~【始女帝弐802】
- フローティングトピック
- 夏翅の弟、夏安が夷狄討伐司令官に任じられる。
- 碇水晶爵~碇兎妃、失脚に関しては、夷狄、英との関係における権益を巡る、夏家と碇、両家の争いが影にあった。
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とある貴族家の長女に、大変に美しい容貌と知性に恵まれて生まれる。しかしながら、玉にきずともいうべき醜い痣が右額にうまれついであった。
- フローティングトピック
- 美しく14歳になった少女は自ら皇太子のところに上がりたい両親に申し出る。二人は反対するが、彼女の目を見せられると、無意味だと思い知らされた。