1. ❶売買契約締結の合意
    1. E1:【条件・期限の抗弁】
      1. 〔期限〕履行期限の合意
        1. R:【期限到来の再抗弁】
          1. ❶履行期限の到来
      2. 〔条件〕停止条件の合意
        1. R:【条件成就の再抗弁】
          1. ❶条件の成就
    2. E2:【弁済の抗弁】
      1. ❶債務の本旨に従った給付
        1. R:【期限の合意の再抗弁】
          1. ❶履行期限の合意の存在
        2. 【❶+❷摘示例】Yは,Xに対し,平成〇年〇月〇日,本件代金支払債務につき,〇万円を弁済した。
      2. ❷給付と債権の結びつき
    3. E3:【消滅時効の抗弁(民§167,145)】
      1. ❶時効期間の経過
        1. R1:【時効中断の再抗弁(民§①~③)】
          1. ❶代金債務の承認(同③)
        2. R2:【時効援用権喪失の抗弁】
          1. ❶時効完成後の債務の承認
      2. ❷時効援用の意思表示
      3. (❸権利行使できる状態になったこと)
        1. 通常Kgに現れるため不要
    4. E4:【同時履行の抗弁(民§533)】
      1. ❶権利行使
        1. R1:【先履行の合意の再抗弁】
          1. ❶先履行の合意の存在
        2. R2:【反対給付の履行の再抗弁】
          1. ❶反対給付の履行
        3. 【摘示例】Yは,Xが●●の引渡しをするまで,代金の支払を拒絶する。
    5. E5:【未成年取消しの抗弁(民§121)】
      1. ❶当事者が契約当時未成年
      2. ❷未成年又はその法定代理人の取消しの意思表示
        1. R1:【法定代理人の同意の再抗弁】
          1. ❶法定代理人による同意の存在
        2. R2:【未成年者の詐術の再抗弁(民§21)】
          1. ❶制限行為能力者の詐術
          2. 【❶+❷摘示例】Yは,Xに対し,本件売買契約を締結する際,生年月日欄を改竄した身分証明書を示しながら,自分は21歳であると述べ,そのためXはYを成年であると信じた。
          3. ❷詐術の結果,行為能力者であると誤信
    6. E6:【通謀虚偽表示の抗弁(民§94)】
      1. ❶意思表示が真意でないこと
      2. ❷❶についての相手方との通謀
      3. 【摘示例】XとYは,本件売買契約の際,いずれも●●を売買する意思がないのに,その意思があるように仮装することを合意した。
    7. E7:【詐欺取消しの抗弁(民§96)】
      1. ❶相手方による詐欺の事実
        1. 【摘示例】Yが本件売買契約を締結したのは,本件土地の南方50mの地点に〇〇電鉄株式会社の駅が設置される計画はなかったにもかかわらず,Xがその計画があると告げてYを欺き,そのように信じさせたためである。
      2. ❷取消しの意思表示
    8. E8:【錯誤の抗弁(民§95)】
      1. ❶意思表示の錯誤であること
        1. R:❶表意者の重過失の評価根拠事実
          1. D:❶表意者の重過失の評価障害事実
        2. 【❶+❷摘示例】Yは,本件売買契約当時,本件土地の南方50mの地点に〇〇電鉄株式会社の駅が設置される計画はなかったにもかかわらず,その計画があるものと信じていた。
      2. ❷錯誤が法律行為の要素に関すること
      3. ❸〔動機の錯誤の場合〕動機の相手方への表示
    9. E9:【相殺の抗弁(民§505)】
      1. ❶自働債権の発生原因事実
      2. ❷相殺の意思表示
      3. 〔自働債権貸借型の場合〕+弁済期の到来
      4. 〔同時履行の抗弁権付着の場合〕+抗弁権消滅等の原因事実
    10. E10:【代物弁済の抗弁(民§482)】
      1. ❶弁済に代えて動産又は不動産の所有権を移転するとの合意
      2. ❷債務者が合意当時,その動産又は不動産を所有していたこと
      3. ❸動産の引渡し又は不動産の所有権移転登記手続をしたこと
    11. E11:【履行遅滞解除の抗弁(民§541)】
      1. ❶催告
        1. R1:【履行不能の再抗弁】
          1. ❶解除の意思表示到達前に債務の履行が不能
        2. R2:【弁済の提供の再抗弁】
          1. ❶解除の意思表示の到達前に債務者が債務の履行を提供
          2. ❷履行の提供が債務の本旨に従ったものであること
          3. 【❶+❷摘示例】Xは,平成〇年〇月〇日,本件売買代金〇万円を持参して,〇〇所在のY方に赴き,Yに対しその受領を求めた。
      2. ❷催告後相当期間の経過
      3. ❸相当期間経過後の解除の意思表示
      4. ❹〔双務契約の場合〕
        1. 催告に先立つ反対給付の履行の提供
        2. 先履行の合意
    12. E12:【履行不能解除の抗弁】
      1. ❶契約解除後,❷の意思表示までに目的物の引渡しが不能になったこと
        1. R:【帰責性不存在の再抗弁】
          1. ❶債務者の帰責性の不存在
      2. ❷解除の意思表示
    13. E13:【瑕疵担保による解除の抗弁(民§570,566)】
      1. ❶契約時,通常人が普通の注意によっては発見できない瑕疵の具体的事実
        1. R1:【悪意の再抗弁】
          1. ❶買主が瑕疵を知っていたこと
        2. R2:❶過失の評価根拠事実
          1. D:❶過失の評価障害事実
        3. R3:❶契約をした目的が達成できること
        4. R4:【除斥期間の再抗弁】
          1. ❶買主が瑕疵の事実を知ったこと
          2. ❷❶から1年の経過
      2. ❷解除の意思表示
    14. E13-2:【〔売買の目的物が不特定物の場合〕瑕疵担保による解除の抗弁】
      1. ❶買主が売主から売買の目的物を受領
      2. ❷売主が目的物の引渡しをするのに必要な行為を完了し,又は買主の同意を得て引き渡すべき目的物を指定した当時,目的物に瑕疵
      3. ❸買主が❶の後,瑕疵の存在を認識した上でこれを履行として認容したこと
      4. ❹解除の意思表示
    15. E14:【手付解除の抗弁(民§557)】
      1. ❶手付金の合意
        1. R1:【解除権留保排除の合意の再抗弁】
          1. ❶解除権を留保しない旨の特約の締結
        2. R2:【履行着手の再抗弁】
          1. ❶解除の相手方が,解除者の解除の意思表示に先立ち履行に着手
      2. ❷手付金の交付
        1. 〔売主〕契約を解除することを示して手付金の倍額の現実の提供
        2. 〔買主〕契約を解除することを示して手付金返還請求権放棄の意思表示
      3. ❹解除の意思表示