1. 映画タイトル
    1. モアナと伝説の海
      1. 2016年11月23日(アメリカ)公開
      2. 2017年3月10日(日本)公開
    2. 英語タイトル:Moana
    3. 言語:英語
  2. 監督
    1. ロン・クレメンツ
      1. 脚本:ジャレド・ブッシュ
    2. ジョン・マスカー
  3. この映画のテーマ(一貫したメッセージ)
    1. 小さな島の村長の娘である少女が、村人や、愛する大切な人達、そして世界中の人達を救いたい
    2. 自分の知らない世界を知りたい
  4. 構成
    1. フック
      1. ※語り 初めは海しかなかった そこへ現れたのが母なる島 ”テ・フィティ” その心には 偉大なる力が宿り 命を創り出すことが出来た テ・フィティは その命を世界に分け与えた だがやがて テ・フィティの 心を狙う輩が現れた 心とともに 命を創り出す力が手に入ると考えたのだ そして ある日 誰より恐れ知らずの者が 心を奪うべく 広大な大海原を渡った
        1. 彼は 風と海を 司る半神半人 戦士であり いたずら好き 神の釣り針の力で 自在に姿を変えられる男だった その男の名はー マウイ
        2. 鷹が飛んでいくと思ったら、次はカメレオン、 コガネムシ、 神より与えられた釣り針の力で次々と姿を変えることが出来た。
          1. テ・フィティの島に辿り着き、心(小さな丸い宝石のような形)を地面からえぐり取る
          2. すると、えぐり取った瞬間、島は地震が起きたように崩れてきた。 たちまち黒い煙のようなものが島を包み込んでくるが、 マウイは素早い動きで船に戻った。 手にはテ・フィティの心の宝石があった。
          3. ※語り 心を奪われたテ・フィティは崩れ落ち 恐るべき暗黒の闇が生まれた
          4. 逃げるマウイ その目前に 心を捜す別の者が ”テ・カァ”だ 大地と炎の悪魔 マウイは叩き落され 姿を消した 彼が持っていた神の釣り針と テ・フィティの心は 海の底に沈んでいった
          5. そして1000年が経った今でも テ・カァと海底の悪魔たちは 心を捜している 彼らは 延々と広がり続ける闇に潜み 魚を追い払い 島々の命を 吸い取っては垂れ流す やがて私ら全員が 血に飢えたサメたちに ムシャムシャと食われ 死に絶えるまで!
          6. だけど何者かが心を見つける サンゴ礁を越えて旅する者が マウイを見つけ 彼とともに大海原を渡って テ・フィティの心を返し 私らを救ってくれるー--
          7. 父「母上、もう十分だ。 サンゴ礁の外には行くな、ここが安全だ。 暗黒の闇は無く、魔物もいない。」
          8. 不意に、 壁にいくつも掛かっているタペストリーがバサバサと落ちてきて それにはいくつもの魔物の姿が描かれていた。 子供たちは「魔物だー!」と大騒ぎ。
          9. 「魔物はいない。闇だ。 サンゴ礁の外は嵐と荒波だけだ。 この安全な島にいれば大丈夫。」
          10. 祖母「伝説は本当だ。誰かが行くしかない。」 父「母上、モトゥヌイは楽園だ。 他へ行きたい奴はいない。」
          11. モアナは タペストリーが風でめくれあがる隙間から外へ出てみた。 生い茂る葉を避け、そこには延々と広がる美しい海があった。
          12. まだ歩きたてのような、おぼつかない足取りで 海の方へ歩いていく。 すると浜辺へ打ち寄せられたきれいな貝殻を見つける。
          13. 拾おうとしたとき、背後で小さなウミガメが海鳥達にいじめられているのに気づく。 ”素敵な貝殻よりも、ウミガメを助けないと” そんな優しい心の持ち主。 近くの大きな葉をむしり取り、影をつくって海鳥達から守りながら 無事ウミガメを海へ行かせてあげられた。
          14. 海が【ウミガメを助けてくれてありがとう】 というかのようにさざめく。 波が不自然にキラキラ動き、先程拾えなかった貝殻が、 海から顔をだした。 モアナはその海の”不自然さ”に気づいていない。
          15. どんどん歩き、貝殻を拾うことに夢中だったが、モアナの周りだけ海が避けているようだった。 熱帯魚が泳いだり、先程助けたウミガメの子供と、そのお母さんが優雅に泳いでいる。 モアナはやっと不思議な現象に気づく。
          16. まるで”海”が語りかけてきているようだった。 モアナが「?」と首をかしげると、同じように海も『?』とまるで生きているように 波打っている。
          17. モアナはこの時、美しく輝く宝石のようなものを見つけ、海へ手を伸ばし、掴んだ。
          18. 「モアナ!」 パパが呼んでる。 ”海”は焦ってモアナを浜へ戻す。
          19. モアナはテ・フィティの心を掴んでいたが、 小さな手に比べ宝石は大きく、 浜へ立った瞬間、どこかへ落としてしまった。
          20. 「ここにいたか。心配したぞ。」 「海がいい。」 「気持ちはわかるが、行ってはいかん。海は危険だ。」 【もっと”海”とお話したかった】 そんな名残惜しそうな表情。
          21. テ・フィティの心だった。
          22. この時、海の周りにはモアナしかいない
          23. 【助けてあげられた!いってらっしゃい】 モアナは達成感でいっぱい。
          24. しかし祖母は【分かっていないね…】と言わんばかりの表情
          25. 場面は変わり、 モアナの祖母が、小さな子供達に昔話を聴かせていた。
          26. 恐ろしい話と語りに、幼い子供たちは 泣いたり、失神したりしてしまっている。
          27. そんな中、ハイビスカスの髪飾りをつけた可愛らしいモアナは 驚くどころか、拍手して、目を輝かせている。
          28. マウイは海へ叩き落され、沈んでいった
          29. 火山が爆発したような姿のテ・カァ。 テ・フィティとは正反対で、怒り狂っているような形相。
    2. 日常
      1. 「お前は村長(むらおさ)になる人間だ。お前にはやるべきことが沢山ある。」 長の娘として生まれてきたモアナ。 村を『守る』役目がある。
      2. ♪~ モアナ 道を開けろ 分かってほしい モトゥヌイがあれば十分さ 踊り子が踊ってる 古来の歌に合わせて 新しい歌は要らない これで十分さ さあ 伝統を繋ごう やるべきことは多い タロイモでつまずくな 大事な主食だ 作ったものは分け合い 冗談を言ってカゴを編む 漁師が海からお帰りだ 海を見たい そっちへ行くな
        1. ♪~ モアナ 村にいろ 民には村長が要る さあここに いつか気づくさ 周りを見回して お前の幸せは ここにある ココナツを見ろよ この木を見ろ 無駄な部分は無い 大事な作物だ 繊維から網を作って 甘いジュースを飲んで 葉を使って火を起こして 果肉を調理する ココナツを見ろよ 幹と葉を見ろ 島には恵みがいっぱい 冒険は? 島にいろ 安全で豊かな島さ 将来を見渡せば さあ ここに
          1. ♪~ 大丈夫さ いつか学ぶ日が来る お前の幸せは ここにある
          2. 祖母が浜辺で踊っているのが遠目から見えた。
          3. ♪~ 海で踊るのが大好き 潮と波と 海はいたずら好き それも またいいさ 村では私は変わり者 奇想天外らしいけど 好きなものが分かれば 怖い物なしさ
          4. ♪~ お前は村長の娘 頑固で誇り高く 父親の話を聞いて 自分の心の声も 遠い星を追えと 心がささやいたら その心の声が 本当の自分さ
          5. 更に成長したモアナがうつる。 祖母と踊るダンスも上手くなっている。 一方、祖母は歳を取り、杖をつきながら一緒に浜辺を歩いていた。
          6. 祖母と歩いて、葉の茂みを避けると着いたところは浜辺にある船着き場。
          7. 「お父様!舟をみてただけよ。乗る気はない。」 「…おいで。見せたいものがある。」 父はモアナを連れて山の方へ歩いていく。
          8. 「ずっとお前を連れてきたかったんだ。」 ー--- 「ここは聖なる場所。いつかやってくる、お前がここに立って石を置く日が。」 父は、代々この島の村長が積み上げてきた石のモニュメントの所へ連れてきてくれた。 沢山の数の石が積まれている。
          9. 「新しい石をこの上に置くその日、お前はこの島を繁栄へ導く者となる。 民は向こう(海)ではなく、この島にいる。民の期待に応える時だ。」
          10. モアナはやっと『村長』になる意味を理解したような表情をみせた。
          11. ♪~ 繊維から網を作って 甘いジュースを飲んで 葉を使って火を起こして 果肉を調理する 村にいれば安泰だ 心配はいらない 島には恵みがいっぱい 冒険はしない 私はここに 故郷と民と共に 明日を見渡せば さあ ここに
          12. ♪~ 私が道を示し そして民と共に 築いていく未来は ここにある 私の運命は ここにある 私の幸せは ここにある この島に!
          13. また祖母は浜辺でひとり踊っていた。
          14. 祖母は【私は景色を見せただけよ】と何食わぬ顔。
          15. 一緒に浜辺で祖母と踊った。 島にとどまらせようとする父や母より、 自由に、自分の世界観を持っている祖母が好きだった。
        2. 小学生くらいだろうか 大きくなった姿のシーンに切り替わる。 モアナは長になる為、王冠をかぶり、儀式を行う。 でも、海へ出たい。祖母から聞いたお話は本当なのだろうか? 何度も父や母に止められてしまう。
        3. モアナの友達、ブタの”プア”も登場する。 一緒に手漕ぎボートに乗り込み、海へ出ようとするが、父に止められてしまう。
          1. ココナツジュースを一緒に飲む
      3. 争いの無い、平和な村での暮らし。 村人は皆、今の生活で満足していた。 必要な生活用品、道具、食べ物… 島から出なくても大丈夫。 昔から伝わる”歌”を歌って、楽しく暮らしていた。
      4. ただ、モアナだけは違っていた。 お絵かきをすると、友達は 家や山の風景を描くが、 モアナは船に乗って航海している絵を描いた。
      5. のちに、モアナが航海に出た際、知らない間に船に乗り込んでいたニワトリ”ヘイヘイ”が タロイモでつまずいているシーンがうつる。 他のニワトリは見た目が茶色、 ヘイヘイはカラフルで、目が大きく飛び出している。
        1. 一緒に航海へ出る。 ギャギーな役割。
        2. 火を起こしている所へ、自分から歩いてきて、自ら焼き鳥になってしまいそうになる
    3. 才能の種
      1. 村人「葉で覆ってもなぜか雨漏りするんです」 モアナ「直った。葉じゃなくて、柱が傾いてた。」
      2. 村人「もう彫り終わった?」 モアナ「頑張って。もう少しよ。」
      3. 島に伝わる伝統的なダンスをモアナが教えている(クスッとするシーン)
      4. 村人・おじいさん「そのニワトリはなぜ岩を食ってる? 基本的な知能が欠けてて、役立たずのようだ。いっそ食っちまうか?」 モアナ「あー、いい部分が隠れてるのかも。それで全く見えないとか。 ヘイヘイは見た目より賢いはず。」
      5. 「今朝収穫したココナツの殻を割ってみたら、このようになっていました」 村人がモアナへ相談しにきた。 中身が腐り、スカスカの状態…病気? 一部だけでなく、所々で発生しているよう。
        1. 「病気の木を切って新しいココナツ林を…あそこに」 「ありがとうモアナ。立派な娘さんね。」
          1. 「東の礁湖(ラグーン)で魚がかからないんです」 「漁場を変えてみたら?」 「変えても同じでした」 島周辺思いつく他の所すべてを試したが、”魚がいない”とのこと。
          2. モアナ「サンゴ礁の外は?」 父「外はダメだ」 「でも内側に魚がいないなら…。海は広いのよ」 決まり事だ、と父は険しい顔。モアナは”昔の話でしょ?”と反論。 さらに、 「命を守るためだ。自分が外海に出るために、民を危険にさらすな。 大人になったかと思ったが…。サンゴ礁から出てはならん!」 父は激怒し、浜辺から離れてしまった。
          3. モアナはいじけて木陰に座り込んでいた。 「お父様によく言ったわよね。”海に出たい”って。」 「海に出たいからああ言ったわけじゃない」 「でも出たいでしょ?」 「お父さんが怒るのは…あなたと同じだったからよ」
          4. 「海に惹かれて…ある夜、海岸へ。 舟に乗って…サンゴ礁を越えた。 待ってたのは過酷な海と、立ちはだかる荒波。」 父はその時大切な親友を失くしていた事実を 母の話で知る。 「彼は、あなたを守りたいの。 時にはなりたい自分や、やりたいことがあっても、叶わないこともあるわ。」
    4. 冒険
      1. ♪~ 思い出せば ずっと 打ち寄せる波を見つめてた どうしてなの… いい娘になりたいけど 海に来てしまう なぜか いつも… どこを曲がっても 進んでも 切り開いても どうせ同じ どうしたら行けるの あの海の先へ 空と海が出会う場所が 私を呼んでる どれだけ遠いか 分からないけど 追い風に乗って 舟で漕ぎ出せば きっと 分かる 海に出たら 帰りたくなくなるかも 島ではみんな 幸せそうに見えるわよね うまくやってる 島ではみんな 自分の役割を持ってるよね 私も頑張れるはず
        1. 雑木林を抜け、浜辺の船乗り場へ向かう。 プアがオールをモアナへ渡す。 しかし迷いからオールを置き、また村の方へ歩き出す。
          1. ♪~ 誇りを持って みんなと歩み 期待に応えれば 満たされる でも心の声が ”違う” と言う どうしたらいいの? 海にきらめく光が まぶしいわ どこまで深いか 分からないけど 私を呼んでる気がする つかまえに来て 教えてよ 水平線の向こうには 何があるの? 空と海が出会う場所が 私を呼んでる どれだけ遠いか 分からないけど 追い風に乗って 舟で漕ぎ出せば きっと 分かるはず どこまでも行くのよ
          2. 思いっきり舟の帆をはるが、勢いに体が引っ張られてしまう。 「大丈夫よ、プア。任せといて。」
          3. 「サンゴ礁の先には、魚がいるはず。 あの先には…。」 舟を阻むような大きな波が待ち受けるように見えたが、 モアナは怯むことなく帆を全開にはった。
          4. しかし、父と同じように、舟は大きな波にのまれ、 プアが舟から落ち、次に舟ごと転覆してしまった。
          5. 失敗してしまった。 なんとかプアとともに岸まで戻ってこれたが、舟はボロボロに壊れ、 プアは恐怖でその場から逃げてしまった。 モアナは足にけがをしてしまった。
          6. 「何があったとしても、豚のせいにーー-。」 祖母は茂みから現れ、全てお見通しだった。 「私はあの子の母だ。何も言う必要ない。」 「お父様の言う通り、外海は危険だった。 石を山に置く時が来たわ。」 モアナは自分のやるべき事を見つけられた気がした。
          7. 「そうかい、じゃあ村に帰りな。」 祖母はあっけらかんと言った。 「石を置くがいい。」 「?……なぜ止めないの?」 「石を置きたいんだろ?」 「そうよ」
          8. 「私が死んだら…エイに生まれ変わるのさ。タトゥーの通りならね。」 祖母の背中には、エイの刺青がある。 「おばあ様、ヘンよ。」 「私は村の変わり者。ヘンなのが仕事だよ」 モアナにはおばあ様の言いたい事がよくわからない。 「言いたいことがあれば言って。…言いたいことある?」 「聞きたいことが、あるかい?」
          9. 「お前が聞いてない昔話がひとつある。」 そう言って島の奥の洞窟まで一緒にきた。 「私らの祖先が ずっとこの島にいたと思うかい?」 生い茂る葉を避け、がれきを避けると、そこの更に奥には大きい空間のような所があった。 「お前が ずっと自分に問い続けてる質問の答えさ。 ”本当の自分は何者なのか?”」
          10. 「中に入って確かめてきな。」 言われるがまま、歩みを進めると、 そこには何隻もの舟があった。
          11. 立派な、大きな舟だった。 帆には、半神半人の絵など様々な紋様が描かれている。
          12. 「太鼓を叩く…」 おばあ様に言われた、太鼓があった。 叩くと空間に音が響き渡る。 更に叩くと、ボッ!と松明に炎がつき、すぐそばにある舟の帆には 『この島へ舟でやってきた』 という絵が描かれていた。
          13. ♪~ 風と空を読んで行こう 太陽が高ければ 海の終わりまで行こう 潮風を受けて 夜には星を読めば 迷わないさ 我らは 海の民! まっすぐ進んでいこう 新しい島が 必ず見つかるさ 故郷は いつも胸に 帰る時がきたら いつでも帰れるさ 我らは緻密な冒険家 先人の知恵を 永遠に語り継ぐのさ もっと遠くへ!
          14. モアナ達の先祖…… 晴れの日も、雨の日も、 そして夜でも、星の位置を手をかざして方角を確認しながら 舟は進む。
          15. そして島に辿り着き、村は大きくなる。 次に長となったものがまた航海に出る。 それを先祖達は繰り返し、 モアナが住む、この島に辿り着いた先祖がいたー---
          16. 「旅人だった…。先祖は旅人!私たちは海へ出てた!」 「…なぜやめたの?」 「マウイのせいさ。 母なる島の心を盗み、闇が生まれ、テ・カァが目覚めた。 海には魔物が潜み、船が帰ってこず 民を守るべく 村長たちは船旅を禁じ 今では皆 自分が何者か忘れてしまった。 そして闇だけは広がり続け、魚を追い払い、命を殺し続けてる。 あの島、次はこの島と… だけど いつか、 何者かがサンゴ礁を越えて マウイを見つけ 彼と共に大海原を渡る テ・フィティの心を返すために。」
          17. 「あの日、私は見てたんだよ。 海がお前を選んだのさ。」 うっすらと記憶がある… おばあ様からテ・フィティの心を受け取った。
          18. 「夢かと思ってたのに…」 受け取った途端、海がモアナに話しかけるかのように、不思議に動き出した。
          19. マウイは、 先祖によれば、星空が示す、釣り針のような星座の下にいるという。 「でもなぜ、私が選ばれたの? サンゴ礁すら越えられない。…出来るかも!」 モアナは思い付いたように走り出した。
          20. おばあ様は【やっと言えた】というような、安堵した顔。 モアナがまだ幼い頃、海と対話する所を見てから、ずっと心にしまっておいた 大切な”もの”。 とても長い年月、モアナが気づくまで待っていたのだろう。
          21. おばあ様はにやっと笑った。
          22. 祖母はモアナと話しながら、 腰の辺りまで海につかり、5匹のエイと会話するような動き(ダンス?)をしていた。
          23. 海へ出ることを許されていなかったので、舟の動かし方を分かっていなかった。
          24. 以前父に連れてきてもらった、代々村長が石を積み上げる場所へきた。 その高台から見える、美しくキラキラと、遠くまで広がる海を見て、モアナは海へ駆け降りる。
          25. 船乗り場まで行くと、プアがオールを持って待っていてくれた。 オールを受け取り、海へ漕ぎ出す。
      2. 「作物は!」 「魚はどうする?」 村の集会が開かれていた。 おばあ様の言う通り、ついにモトゥヌイの島まで魔物が来ていた。 魚は取れず、作物も病気になって腐るばかり。
        1. 「闇を止めて島を救えるわ! 洞窟で見つけたの!」 モアナが勢いよく集会の場へ入ってきた。 「私たちは旅人だった。もう一度 海へ!」 しかし、父は難しい顔をしていた。
          1. 「”民の力になれ”って、これで助けられる」 「…あの船は焼くべきだった」 「マウイを見つけて心を返すの」 「心など無い。こんな物、ただの石ころだ」
          2. 父は、 モアナの持つテ・フィティの心をポイっと投げ捨ててしまった。
          3. モアナは慌てて拾うが、ふとそこにはおばあ様の杖が落ちていた。 「村長、母上が!」
          4. おばあ様は歳を取り、ついに危篤状態になってしまった。 「助からないのか?…」 父と母が病気を診れる村人と話しをしている。 モアナはおばあ様がもう駄目なのかもしれない…そう雰囲気から感じた。
          5. おばあ様がモアナの手を握ってくれた。 「お行き…」 「おばあ様?」 「行きなさい。お前は海に選ばれた者。 マウイを見つけたら、その耳をつかんで、こう言いな。 ”私はモトゥヌイのモアナ。この舟にお乗り。 そして海を渡って、心をテ・フィティに返しなさい。”」
          6. 「お前がどこに行こうが、私は一緒にいるよ。」 「お行き…」 おばあ様の枕元にはマウイの絵のタペストリーが飾られてあった。
          7. ♪~ 空と海が出会う場所が 私を呼んでる どれだけ遠いか 分からないけど 悩んでたけど、もう大丈夫
          8. ♪~ 自分を信じて 新たな世界へ どこを曲がっても 進んでも 決めたのは私自身 どうしても知りたい あの海の先へ
          9. ♪~ 海を照らす光が 私を呼んでる 分かってる 私ならできる 月が輝き 追い風は吹いた 今しかない どこまでも行くのよ
          10. 初め挑戦した大きな波がまた目の前へやってきたが、 モアナはなんとかサンゴ礁の向こうへ、乗り越えることが出来た。 星空が示す、神の釣り針の下を目指し、長い船旅が始まった。
          11. 舟が出ると、後ろ側の海が光って行き先を導いてくれているよう まるでおばあ様の刺青の『エイ』の形をした光だった
          12. おばあ様が亡くなってしまった
          13. モアナはおばあ様から教えられた洞窟から海へ出港した…
          14. 船出の準備をしていると、母が手伝いに来てくれた。 心配そうな顔をしているが、モアナを応援するように笑顔をみせてくれた。
          15. おばあ様は最後の力を振り絞って、モアナに最期の言葉を伝えた。 自分の付けていた、テ・フィティの心が入るロケットのネックレスをモアナへ渡す。
          16. 代々、村長(の親族など)にしか伝わらないネックレスなのだろう。 そのネックレスと共に先祖達が歩んできた暮らしの話を繋いでいく役目もあった。 テ・フィティの心がきれいにすっぽりと収まった。
          17. 父は全てを知っているようだった。
      3. 「私はモトゥヌイのモアナ… 舟にお乗り 海を渡って 心をテ・フィティに返しなさい 私は……」
        1. 夜が明け、モアナはひとり、おばあ様から教えられた通りの言葉を復唱し、一生懸命帆を張っていた。
        2. 髪型はお団子
        3. ”ガコッ、ガコッ” 舟の中で音がする…? モアナは音のする所をじっと探す。
          1. 「ヘイヘイ!?」 まさかヘイヘイが乗っているとは。 いつの間にか舟に乗り込んでしまったらしい。
          2. ヘイヘイは辺りを見渡す… 「?…?……コケー------!」 もちろん360度、周りは海。 ヘイヘイは動転してしまったようだ。 そっと、被っていたココナツの器を被せてあげると落ち着いた。 「大丈夫よ 心配ないわ。気持ちいいでしょ?」
          3. 落ち着いてはいなかった。 突然歩き出し、ヘイヘイは海へ落ちてしまった。 モアナは助けようと海へ入る。
          4. ヘイヘイを助け出し、舟へなんとか戻れたが、 やはり知能の足りないヘイヘイは落ち着きがなく、今にも海へ落ちてしまいそう。 「動かないで」 元居た舟の凹みの所へ、入らせる。
          5. 一難去って、また一難… うまく帆が張れなかったり、 夜は睡魔に負けそうになったり… うとうとしていると、慌てて方向転換した為、舟が転覆してしまった。
          6. 「海さん?ちょっと手を貸してくれない?」 しかし、海は助けてくれない。 そして嵐が近づいてきてしまった。 舟は転覆したまま。 「助けて!」
          7. うとうとしている所に、海が『起きて!』とでもいうように ピチャ!とモアナを起こしてくれた。
      4. 「東へ進む。タマトアの巣へ。」 太陽が傾き、星が見えてきた。 マウイは星空に手をかざし、海に手を入れ、進む方向を確認している。慣れた手つきだ。 「下品な深海生物が釣り針を持ってる。」
        1. 舟を手際よく操縦する姿を見て、 「操縦を教えて。」 何もわかっていないモアナにマウイは呆れ顔だが 「”伝統航海術”だ。お姫様。 技術だけじゃなく、目的地のイメージが大事だ。 今までの航路から、現在地を知る。」 「まず、私は”お姫様”じゃない」 何も知らない”お姫様”と馬鹿にして教えることを渋る。 それを見ていた海がマウイのおしりに先程残っていた吹き矢を刺して、動けなくした。
          1. 「話せるなら、伝統航海術を教えて。」 「はぁ~…。帆を引け。」 マウイのレッスンが始まった。 「星の位置を測るんだ。ハイタッチじゃない。」 「水が温かければ方向は合ってる。」 舟はどんどん進んだ。
      5. サブトピック 6
    5. 地獄へのきっかけ
      1. 嵐は過ぎ去り、モアナとヘイヘイは運よくどこかの島へ流れ着いた。 もちろん舟はボロボロに壊れてしまった。
        1. 「何なの!? ”助けて”と言ったのに、舟をひっくり返す?」 なんとか助かったものの、海に向かって不満をぶつけた。 「全然助かってない!」 そう言って水際を蹴ろうとすると、海は避けて、モアナはしりもちをついてしまった。
        2. ヘイヘイは相変わらず、ココナツの器を被ったまま岩にぶつかって歩いている。 モアナははぁ…と肩を落とす。
          1. ふとすぐそばの岩肌へ目をやると、神の釣り針の模様のようなものが。 そして細かくみると、それは日付を刻んだ印でもあった。 大きな岩肌いっぱいに刻み込まれている。 「マウイ?」 海は【そうだ】とうなずくように答えてくれた。
          2. 岩陰から影がちらちら見える。 マウイだろうか? モアナは焦って壊れた舟の下へ隠れた。 「半神半人のマウイ、私はモトゥヌイのモアナよ。 舟に乗って…違う、舟に乗りなさい。そうよ。」
          3. おばあ様から教えられた言葉を何度も繰り返す。 「私はモトゥヌイのモアナ…舟に…」 「舟だ!舟を神が、この俺に与えて…」
          4. マウイが勢いよく舟を持ち上げると…びっくり! そこにはモアナとヘイヘイが…。 マウイは【なぜここに生き物がいるんだ?】というような、疑問だらけの顔。
          5. モアナはひとつ咳払いし、 「マウイ、姿を変える者。 風と海の半神半人。 私は…」 「”男たちのヒーロー”」 「?」 「”姿を変える者 半神半人、男たちのヒーロー”だ。 最初から頼む。”男たちのヒーロー”も」 「私は…」 「悪い、待て待て…。女もだ。”男と女”、両方、全員だ。 性別は関係ない。俺はみんなのヒーローだ。よろしく。」 「違う、私は…」
          6. 全く人の話を聞かないマウイ。 挙句、ヘイヘイのくちばしでオールに神の釣り針とハートを刻み、サインのようにしてモアナに渡してきた。 「ヒーローには滅多に会えないもんな。」 モアナは鬱陶しくなり、 「あなたには憧れてないし、サインなんて要らない。 テ・フィティの心を盗んだでしょ?」 問い詰めるが、マウイには全く届かないようだ。
          7. 「俺を嫌ってるようだが、人間に心を贈ろうとして、 俺は1000年もこの島に閉じ込められている。 命を創り出す力を与えようとして。」 モアナは、なにかこの男は勘違いをしていると思ったー-- 「だから、お前が言いたかったのは、”ありがとう”だろ?」 「”ありがとう”?」
          8. ♪~ 何が起きてるかは分かる 偉大な存在を前にして 感情がゴチャゴチャだろ? 可愛いね 人間は昔から変わらない 目を開けて 始めるぞ 本当に俺がマウイだ よく見ろ ビックリだよな? この髪 この体 半神半人が目の前に!
          9. ♪~ いいってことよ 礼は結構 潮も太陽も空も 俺のおかげ 気にするなって 礼は結構 俺はただの半神半人さ 親指を立てて 空を持ち上げた 空がこんなに低い時に 俺がね 寒い夜に地下の火を 盗んできてやった この俺がね 太陽を捕まえたのも俺さ 礼は結構 長い日を楽しめるように 風を起こしたのも俺さ 礼は結構 帆が膨らみ木が揺れるように
          10. ♪~ いいってことよ 礼は結構 島があるのも俺のおかげ 祈りを捧げるのも結構 これが俺の性分なのさ いいってことよ 礼は結構 でも聞いてくれ いいか 自然現象なら全部説明できる 潮も草も大地も 俺のさじ加減次第 ウナギの内臓を埋め ココナツが実る 勢いづいたマウイは止められないぜ 体のタトゥーは 俺の勝利の証 全部 俺のおかげさ ミニ・マウイがステップを踏んでる
          11. ♪~ とにかく言わせて 礼は結構 すばらしい世界は 俺のおかげ 気にするなって 礼は結構 そろそろ行かなきゃ 今日は君に礼を言うよ 俺には舟が必要だ 海の向こうへ行くよ 礼は結構 マウイはカナヅチだ いいってことよ 礼は結構 ありがとう!
          12. 「出して!この嘘つきのクソ…」 モアナはただ舟が欲しかったマウイにおどらされ、狭い洞窟に閉じ込められた。
          13. モアナは何とか脱出しようと試みる。 洞窟内にあった大きな石像をなんとか動かし、 穴の隙間から脱出できた。
          14. 「誰がガキと行くか。釣り針を取り返す。」 ミニ・マウイが動いて、『あの少女と行くべきだ』とマウイ自身に言っている。 「釣り針が無いと、マウイじゃない。」 ミニ・マウイが説得するも、マウイは聞く耳を持たない。
          15. 「あばよ、うざったい石の山め!」 舟に早速乗り込み、島を離れる。
          16. モアナは崖から飛び降り、ギリギリマウイの出る舟に間に合った。が、 「見てて飽きないぜ。…じゃあな」 「ちょっと!心を返しに行かなきゃ」 マウイはすーっと舟を操縦し、あっという間に離れて行ってしまった。
          17. 【島には戻れない。追い付かなきゃ。】 マウイの操縦する舟を目指して必死に泳ぐ。
          18. すると、海が手助けしてくれ、 あっという間にマウイの舟に辿り着いた。 マウイとヘイヘイはびっくり。 「こりゃ、ぶったまげた」 「私はモトゥヌイのモアナよ。これは私の舟…」 必死に話そうとするが、マウイは聞く耳を持たないため、ぽーいとモアナを海へ放り出してしまう。
          19. ミニ・マウイが『あの子はどうするんだ!』と語りかける。 「忘れろ、行くぞ」 何秒もかからないうちにモアナが海の助けを借りて戻ってくる。 「お戻りだ。」 「私は、モトゥヌイのモアナ…」
          20. 「名前はモアナだろ?」 「そうよ。この心を返しに行って…」 マウイはテ・フィティの心をぽーいと海へ投げてしまった。 しかし、瞬息で戻り、マウイの頭へ命中。 「さいなら。」 マウイもわけが分からなくなり、カナヅチなのに海へ逃げる。 しかし引き戻される。
          21. 「何なんだよ!」 「一体どうしたの?これが怖いの?」 「いいや、まさか」 ミニ・マウイは逃げまどっているが、平気なふり。 「お前もやめろ。それは心じゃなく、”呪い”だ。」 心を奪った時、起きた出来事を話す。そのとき釣り針を失った。
          22. 「それは何の力もない。持ってても危険だ。捨てなきゃ災いが起きる。」 「この心のせいで?」 モアナがずっと持っていても何も起きなかった。
          23. ミニ・マウイはマウイ自身の心の声。
          24. 「おやつ、見っけ!」 マウイはヘイヘイを掴んでいってしまう
          25. エサを自分から食べようとしなかったりするので、ヘイヘイはガリガリ。 「まずは肥えろ」 マウイからエサを与えられるが、相変わらず床の方をトントンくちばしで叩くだけ。 マウイは【こいつ頭おかしいぞ?】と不思議な顔。
          26. マウイは泳げない。 よって舟が無いと、どこへも行けない。
          27. サブトピック 2
          28. 刺青が動いているように、マウイが行った功績や偉業がそのまま刺青になっている。
          29. 結局、マウイは 普通の人間が出来ないような偉業を褒めて欲しい。自分はすごいんだ、と思っている。
          30. マウイの身体に刻まれている刺青が動いている。
          31. 軽々と、モアナが乗ってきた舟を持ち上げながらしゃべるマウイ。 体格はがっしりとしていて、全身に刺青が入っている。 様々な形の首飾りもしている。
    6. 地獄
      1. 「カカモラだ。残忍な海賊。」 マウイと話していると、海賊が近づいてきていた。 「何を奪いに来たと思う?」 見た目はココナツの殻のような可愛らしい印象…… から、とげとげの帽子の防具だったり、恐ろしい恰好に変わった。
        1. モアナとマウイの舟はひとつ。 一方、カカモラは数倍以上の大きさ、数隻の大群で押し寄せてきた。 狙いは、テ・フィティの心。
          1. 「海さん!何とかして、助けて。」 「海に頼ってる場合か。ハリヤードを締めろ。」 モアナは何をしたらいいか分からない。 「舟の知識は?」 「今まで…自己流でやってきたの」
          2. カカモラは相手のことなどお構いなし。マウイは一気に舟を進めた。 「変身出来ないの?」 モアナはマウイに尋ねる。 「釣り針は?釣り針がなきゃ無理だ」
          3. カカモラから、沢山の綱が繋がれた槍の攻撃が降ってきた。 モアナ達の舟が一気に引っ張られる。 船が3つに分かれ、綱を渡り、カカモラの海賊達がどんどん押し寄せてくる。
          4. 槍をほぼなんとか外し、大群が押し寄せるのは回避出来たが、 一部の海賊がふいに襲ってきて、モアナのロケットからテ・フィティの心が転げ落ちてしまった。 それをヘイヘイが飲み込んでしまった!
          5. 海賊はヘイヘイを連れ去り、船へ戻る。 「取り返さなきゃ!」 マウイは舟を自在に操り、ヘイヘイがいる船へと向きを変える。 「いた、あそこよ!…曲がった?」 「諦めろ、取り返せない。」 モアナは諦めていない。カカモラの船へ乗り込んだ。
          6. モアナはオールで反撃し、体当たりしてくる海賊達を避ける。 吹き矢で攻撃もしてきたが、 間一髪でヘイヘイを助ける。
          7. なんとかヘイヘイと心を取り返し、マウイが乗る舟へ戻りは出来たが、カカモラに囲まれる。 マウイの操縦で、間一髪、船の隙間を潜り抜け、海賊たちから逃げることが出来た。
          8. 「死ななくて良かったな。たまげたぜ。 だが心は返しに行かない。 辿り着くまでに障害がある。 テ・カァ、溶岩の魔物。」 「あなたは倒したことがある?」 「命懸けの任務に人間と行く気は無い。 お前だけで心は返せないし、俺は行かない。 釣り針を取りに行くだけ。」
          9. 「ヒーローになれるわよ。 それが大事でしょ? 今はテ・フィティの心を盗んで、世界を不幸にした人よ。」 そう、マウイは今やヒーローでもなく、不幸を創り出した。 「釣り針が無きゃ、テ・カァに勝てない。」 「見つけたら?それで倒して、心を返す。 風と海の半神半人、ヒーローよ。 みんなの。」 マウイは説得させられた。
          10. 「まずは釣り針だ。」 「そのあと、世界を救う。決まりね。」 「決まりだ。」
      2. 夜が明け、目が覚める。 やっとたどり着いた。 しかし、そこは見覚えのある風景だった。 「モトゥヌイ?家に戻っちゃったの?」 「モアナー!助けてくれ!」 「お父様?お母様?」 島が黒い影に飲み込まれていってしまう。
        1. 「スッキリお目覚め?」 不気味な夢だった。
          1. 「本物の船乗りは寝ない。だからこそ目的地に着くんだ。 覚悟しろ、お姫様。着いたぞ。」 目の前には、断崖絶壁の柱のような島があった。
          2. 「釣り針はタマトアが持ってる。 奴はごみを集めてオシャレだと思ってる。 俺の釣り針は、奴にとって一番オシャレなアイテムだ。」
          3. 「ここのてっぺん?」 「あそこはただの入り口だ。ラロタイへの。」 「ラロタイ?魔物たちの国?」 マウイは一人で釣り針を取りに行くと言う。 「お前はそのニワトリと残れ。弱虫だしな…。」
          4. モアナはもう弱虫ではない。 モトゥヌイや、世界中の人々を助けるために、こんな遠くまできたのだ。 マウイのあとを追って、崖を登り始める。 「私がこの航海へ選ばれたのは、村の民からじゃなく、海よ。理由があって選ばれたのよ。」 「海がそんなに賢いなら、自分で心を返せばいい。」
          5. 崖のてっぺんへ辿り着いた。 「理由があって私を選んだはず。」 「入り口はどこに?」 「人間を生贄に差し出さなきゃ現れない。…冗談だよ!」 マウイは地面を思いっきり吹いた。 すると、顔のような模様が出てきた。 呪文を唱え、ジャンプし勢いをつけ、思いっきり地面を踏むと、入り口が開いた。
          6. 「大丈夫。見た目よりずっと深い。」 それだけ言って、マウイは底へ落ちて行ってしまった。
          7. モアナも後を追う。 着水すると、不思議な渦のようなところを潜り続ける。
          8. マウイはきれいに着地。 モアナも辿り着くが、勢い余ってさらに下へ落ちてしまった。 マウイはモアナなど気に留めず、釣り針探しへ。 モアナは人食い植物のようなものの罠にかかってしまったり、凶暴なコウモリのような生き物に追われる。 化け物がうじゃうじゃいる。
          9. 逃げているうち、この”魔物たちの国”の中心の城のような所にいた。 中央にはマウイが探している神の釣り針がある。 「ここから動くな。 いいか、俺は1000年間髪をサラサラに保つことと、釣り針を取り返すことを考えてた。 人間に邪魔させるか。」 「お前が魔物の巣で出来ることと言えば…」 マウイはモアナがおとりになる作戦を思い付いてしまった。
          10. 「とってもキラキラした巣!私みたい! キラキラ、キラキラ…」 光る貝殻や小太鼓を身にまとい、中央の釣り針に近づく。 おとりなんて。モアナはやる気無し。 「真剣にやれ」 「じゃあ登って取ったらいいでしょ」 「登ったら殺される、文句を言うな」 2人はコソコソと言い合いをする。 「現れたら自分のことを話させるんだ。自慢が大好きなんだ。」 「あなたと同類ね」 「俺は奴の足をもいだ…」 「?マウイ?」
          11. そうこう話しているうちに、 「これは何かな?」 タマトアがキラキラの山から出てきた。 ヤドカリのような形。 大きなハサミにモアナが挟まれてしまった。 「人間が何してやがる?」 大きな目がぎょろぎょろとふたつ。 「だめ、これはおばあ様のよ!」 ネックレスを取られそうになったり… モアナとタマトアが話しているうちに、マウイが後ろから釣り針を目指す。
          12. 「何しに来た?」 後ろのマウイに気づかれそうになるも、必死にモアナが気をそらす。 「伝説のカニの話は、人間の世界では有名なのよ…」 「俺に自分のことを話させようとしてるのか? もしそうなら…… 喜んで話しちゃおう。 歌にしてな。」
          13. ♪~ タマトアは おしゃれだけど 昔はダサかった だけど今は超ハッピー だってゴージャスだから ババアが”心の声を聞け”って? ”信念が大事”って? そんなの簡単に論破してやる 全部ウソだ 俺はキラキラ 沈没船のお宝みたいに デッキをこすって 俺はキラキラ リッチな女の首元みたいに 待てよ 知らない?
          14. ♪~ 魚はバカだ 光る物を追うのさ 初耳? そら 追ってきた 一番光ってる物を ウマいね タダ飯は最高 あんたもウマそう 「おい!カニコロッケ」 マウイが釣り針を取り戻した。 「戻ったぜ。マウイ・タイムだ」
          15. マウイは意気込み、鷹になろうとするが、なぜかうまくいかない。 「マウイが変身出来ないらしい。」
          16. ♪~ 小さな半神半人が 最悪だな 諦めろ かつてのお前はもういない お前の体のタトゥーを 俺はマネたのに 俺も自分をアートにした もう隠れない ムリ 俺はキラキラ まるでダイヤの原石 目立っちゃうよね 俺はキラキラ どんな大軍にも負けない 硬いからね マウイちゃん! 頑張ったって 甲殻類を倒すのはムリさ お分かり? ねばったって その寂しい心を砕いてやる
          17. ♪~ 自分を捨てた親から 遠く離れて 自分を褒めてくれる 人間の愛を求めた 強くなろうとしても よろいが弱すぎた マウイ! ケツを蹴り上げてやる そら来い 見たことあるか? 俺はキラキラ 最期に拝んどけ これが人生だ 友よ 俺はキラキラ 最期に命乞いをしとけ 俺様に 俺ほどは輝けないぜ 羨ましいだろ 俺はキラキラ!
          18. マウイがタマトアに押しつぶされそう、その時、 「キラキラ、あるけど?」 モアナがテ・フィティの心をおとりに気を引き寄せる。 「テ・フィティの心…。俺からは逃げられないぞ」 タマトアの目標が心へ変わった。 「2本足で逃げ切れると思うか」 モアナは転んでしまい、そのはずみで岩の隙間へ心が落ちてしまう。 「どこだ?どこ?」 タマトアはそれに夢中になっている。
          19. 「逃げなきゃ」 隙を狙って神の釣り針を取れた。 「心は?」 「彼にあげる。私にはこれが」 作戦はうまくいった。
          20. 深海の噴出孔の上に乗り、脱出成功。
          21. 元の浜辺に出てきた。 「生きてる…生きてるわ!…!?」 ふと後ろを振り返ると、サメになりきれていない、下半身はマウイの姿が。 「さっきのお前の行動には感謝してる。勇気がある。だが… マジメに話してるのに聞いてないだろ?」 「まさか。聞いてるわ。」 「本当か?その目、まるで俺が…」 マウイは自分の手を見て、サメに半分なっていると分かった。 「サメ頭か」 モアナは面白い半分、マジメに話してくれているから聞く半分。
          22. 「言いたいのは、まだガキのお前が手を出さなくてもいいのに、 助けてくれた。 だがお前が危なかった。 俺はカニに負けたんだから、テ・カァを倒すなんて、ムリだ。 不可能だ。この任務は呪われてる。」 「そんなことない。呪われてなんかない。」 神の釣り針をマウイに渡すが、やはりうまく変身出来ないようだ。
          23. タマトアは見つけたが、違うことに気づき、 「フジツボか?光る藻で包んでだましたわけか」
          24. モアナが檻から出たとき、暗闇で光る藻の光が、心の光と似ていることに気づき、それを利用して タマトアをおびき寄せた。
          25. マウイは、肉親に捨てられた過去があると知った。
          26. なんとか神の釣り針を取ろうとするが、届かない… 作戦は失敗した…そう思った。
          27. 神の釣り針がうまく使えないマウイは最早人間と同じく、タマトアに歯が立たない。
          28. モアナも魚の骨で作られた檻に入れられてしまった。
          29. 大きいタマトアに小さいモアナはおもちゃのように、 体をハサミに挟まれたり、両手を引っ張られたり…
      3. 「いいってことよ。もうすぐ死ぬ。」 「やるだけやってよ。」 すっかりマウイは意気消沈。 「休憩はおしまい。」
        1. モアナは、マウイの背中に彫り込まれた、”親に捨てられた過去”の刺青を見て、聞いてみた。 「タトゥーは、どうやって?」 「自然に現れるんだ」 「じゃあ、これは?」 「人間がジャマ島を発見した印だ」 「ジャマ島って?」 「黙れ、ジャマだ」 「諦めないわ」 モアナはマウイの過去、何があったか話してほしかった。 「何のタトゥー?教えてよ。何があったの?」 しかしマウイは拒絶する。
          1. 「話したくないなら、それでいい。 私を放り出したいなら、やればいい。 私が無鉄砲だと言いたいなら、そんなの分かってる。 なぜ海が私を選んだのか、本当は分かってない。 でも私の島が死にかけてるの。 だから、ここまで来た。 今は2人しかいない。あなたを助けたいの。 でも話してくれなきゃ、助けられない。」
          2. 「生まれた時は、半神半人じゃなく、人間だった。」 マウイは静かに話し始めた。 「両親は、ひと目俺を見て、”要らないから捨てよう”と決めたんだ。 それで海に投げた。 まるで俺がゴミみたいに…。 だが神々が俺を見つけて、釣り針をくれた。 神々が俺を、”マウイ”に。 俺は人間の世界に戻り、島を与え、火や、ココナツも…全て与えた。」 「だから心を取った。全部、人間の為に。 愛して欲しくて…。」 「だが、愛してもらえなかった。」
          3. 「神が見つけたのには理由があって、海が、あなたを助けたのかも。」 そばに寄り添い、モアナは話を続ける。 「あなたは救われる価値があったから。 でも、あなたをマウイにするのは神じゃない。 ーー-あなたよ。」 マウイはハッとした。 ミニ・マウイがキスをしている。 「俺も愛してるよ。」
      4. サブトピック 4
      5. サブトピック 5
    7. 天国へのきっかけ
      1. マウイは立ち上がった。神の釣り針を持って。 モアナが”小さい虫になってみて”と言うと… なれた! カメレオン、サメ、鷹…クジラにだってなれた。 自信を取り戻した。
        1. 「いざ、テ・フィティへ。」 オールをマウイに手渡すが、モアナへ返された。 2人は信頼の絆で結ばれた。 舟は勢いよく進む。 モアナはすっかり操縦が上達し、マウイに微調整してもらうくらいほぼ完ぺき。
          1. テ・フィティへ向かう最中ー-- 「分かったんだ。 俺が島を釣ると、海は喜んでた。 人間が海を渡り、見つけるからだ。 新しい陸地、新しい村 海が島を繋いでた。 もし俺が海でも、縮れ毛の”姫じゃない子”を探す。 海へ出てほしくて。」 「今まで言ってくれた中で、一番うれしい言葉だわ。」
          2. 話しているうちに、テ・フィティの元へ辿り着くことが出来た。 「モトゥヌイのモアナ。 お前はマウイを連れて、大海原を渡ることに成功した。 モアナ!モアナ!お前は最高! …いよいよだ。」 モアナはロケットにしまっていた心をマウイへ手渡す。
          3. 遠くにはテ・カァの炎が見え隠れする。 「世界を救って。」 マウイは自信に満ち溢れた顔だ。 あっという間に鷹に変身し、火の粉が飛んでくる中を軽やかによけながら テ・カァへ向かっていく。
          4. テ・カァが現れ、鷹になったマウイでも全く歯が立たない。 海に何度も叩き落され、サメや小さな魚に変身して、一度舟まで引き返してきた。
          5. その時モアナは見逃さなかった。 テ・カァは火山のような、溶岩の魔物。 海の中へ手を入れると、その部分だけ冷えて動かなくなる様を。
          6. 「何してる?」 「右から行く」 モアナは右側にある崖の隙間を見つけ、舟を進める。 「やめろ、引き返せ!」 テ・カァが手を振り下ろすのを、マウイの神の釣り針でなんとか防御したが、 とてつもない勢いで遠くまで舟ごと押されてしまった。
          7. モアナは気絶し、目が覚め、目の前にはマウイがうずくまっていた。 「けがはなかった?マウイ?」 マウイが振り返ると、手に持つ神の釣り針はヒビが入り、欠けて壊れてしまっていた。 「俺は”引き返せ”と」 怒っていた。 「私達にならできると…」 「”私達”?」 「…私なら行けると」 神の釣り針は、神が創り出したもの。簡単には直せない。
          8. 「次は気を付けるわ。 テ・カァは溶岩で出来てる。海には入れない。 右から行ける。」 「俺は行かない。あと一撃で釣り針がダメになる。」 「でも心を返さなきゃ」 「釣り針がなきゃ凡人だ」 「それは違う」 「釣り針がなきゃ俺はゴミだ!」
          9. マウイは手に握っていた心を手放した。もう行く気はないらしい。 「こうなったのは、あなたが心を盗んだせいでしょ?」 「いいや、海に選ばれたとお前が信じたからだ」 「…私はモトゥヌイのモアナ。舟にお乗り。」 「あばよ」 モアナはなんとかして引き留めようとするが 「勘違いの為に死ねと?」 「テ・フィティの心を返して。海は私を選んだの」 「間違いだな」 マウイは壊れかけた釣り針を使い、なんとか鷹に変身して行ってしまった。
          10. 「なぜ私をここへ?」 海に問いかけていた。 「私にはムリよ。他の人を選び直して。お願いよ。」 海は心を取り、海深くへ沈めてしまった。
          11. ここまできたのに…。心返すことが出来なかった。 モアナは泣いていた。 ふと気づくと、以前見た、光り輝くエイがモアナの元へやってきた。 「サンゴ礁を越えてきたね。」 「おばあ様?」 目の前におばあ様の幻影が見える。 「このタトゥーにして正解だったね。」 「おばあ様!」 思わず抱きついた。 「頑張ったんだけど、でも…出来なかった。」 「お前のせいじゃない。重荷を背負わせた私が悪かったんだ。 家に帰るつもりなら、私もついていくよ。」
          12. オールを海へ入れようとするが…手が止まってしまった。 「なぜ迷ってる?」 「分からない」
          13. ♪~ 私が知ってる島の娘は 他のみんなとは違う 海と民を愛するその娘は 家族の誇り 何もかもがツラくて 傷つくこともある でも傷は癒えて示すよ 今の場所を 愛する人がお前を育て 学びが導いてくれる 封じることは出来ない まだ聞こえる心の声を ”遠くまで来たね”と 心がささやいたら モアナお聞き お前は何者だい? 「私は…」
          14. ♪~ 私は島を愛する娘 海も愛してる 海が呼んでる 私は村長の娘 私たちは旅人の子孫 かつては世界中の海へ 彼らが呼んでる
          15. ♪~ 私はここまで来た 遠くまで旅したわ いろいろ学んだけど まだ何かが呼んでる
          16. ♪~ 呼んでるのは誰でもない 心の声ね 潮のように 引いては満ちる いつも胸にいる人が 教えてくれる 何が起きても 乗り越えられる 私は モアナ!
          17. 先程『他の人を探して』と海へ返してしまったテ・フィティの心を 海の底から取り戻してきた。
          18. 海上へ上がると、先程のおばあ様や、先祖達は消えてしまった。
          19. モアナが心を返す”勇気”を取り戻したから
          20. そして沢山の先祖達の船が来てくれた。 まるで応援してくれているかのよう。
          21. 先祖達が乗っていた船がやってきた。 いつかおばあ様が教えてくれた洞窟で見た 先祖の村長が、モアナに挨拶し、敬意を表している。
      2. モアナは再びテ・カァへ挑むため、壊れてしまった舟の修理を始めた。
        1. 帆が破れてしまったりした所を手際よく直す。 もうモトゥヌイを出た頃の、頼りないモアナではない。 伝統航海術も完璧だ。 「私はモトゥヌイのモアナ。 舟に乗って 私が海を渡って、テ・フィティの心を返す。」
          1. 舟はテ・カァへ向かって、しっかりと、真っ直ぐに進んでいった。
          2. 上空の雲はどよんと重く、火山灰のようなものが降ってきた。テ・カァは目の前。 「テ・カァは海へは入れない。 島を右から回れば、テ・フィティに会える。」
          3. テ・カァが現れた。 モアナはまるでマウイが操縦するように、舟を自在に操る。 一度左側へおびき寄せ、煙に紛れ 全速力で右側の崖の隙間を目指す。 テ・カァは『隙をつかれた』というような顔。
          4. テ・カァが溶岩を投げてきた。 狭い隙間の岩がボロボロと落ちてくる。 揺れでテ・フィティの心を落としてしまうが、 間一髪でヘイヘイがキャッチ。 飲み込まずにモアナへ。 「よくやったわ」
          5. 見事隙間を抜け、テ・フィティの島が見えた。 だが追ってきたテ・カァの溶岩の攻撃の衝撃で モアナは海へ落ち、舟がひっくり返ってしまった。 急いで舟を起き上がらせる。 しかしテ・カァの手が迫る…
          6. 鷹の鳴き声に顔を上げると、テ・カァの手を真っ二つに割って助けてくれた…マウイだ。 「マウイ!」 「戻ってきた。」 マウイとミニ・マウイ、二人とも『当たり前さ』とでもいうような、同じ仕草。
          7. 「でも釣り針は?あと一撃で…」 「捕まらなきゃいい」 テ・カァが再び迫る。 「援護は任せろ。世界を救え。」 「ありがとう。」 「礼は結構。」 そういうと、小さな虫になり、テ・カァの目の前へ。 あっという間にクジラになり、”バシャーン!”とテ・カァへ水をかけた。
          8. そのあとも、サメで指にかみついたり、 カメレオンで「アチチチ!」とテ・カァの体の上を歩き回ってみたり。 そして鷹に変身し、テ・カァの腕をまた真っ二つに。 「おい、テ・カァ!サメ頭だよ」 マウイは敵なし状態。 隙を見せつつ、もう片方の腕も真っ二つにした。
          9. テ・カァに反撃され、マウイが倒れる。 マウイに援護してもらっている隙にテ・フィティの島へ進んでいたモアナへ向かって テ・カァが溶岩を投げてきた。 「モアナ!」 防げない…!と思った。 しかし、今度は海が壁を作ってくれた。 衝突は免れたが、衝撃で舟が壊れてしまう。
          10. 衝突の勢いに任せて、海がテ・フィティの島まで行かせてくれた。 「心を渦巻にはめろ!」 モアナは必死に崖をのぼる。
          11. マウイが釣り針が壊れるのを顧みず守ってくれたおかげでモアナは島のてっぺんへ着いた。 「テ・フィティ…?いない…」 テ・フィティの体の形、そっくりそのままいなくなってしまっていた。
          12. マウイが必死で攻撃するが、何度も起き上がるテ・カァ。 その姿の、身体の中央には渦巻き模様があった。 【まさか…】 モアナは心を見て思った。 心は光り輝いていた。
          13. マウイはもう攻撃する術が無い。 しかし、モアナが心を戻す場所を探してくれている。 「テ・カァ!」 なんとか意識をこちらに向けさせようと大声を出す。 もう死んでもいい。テ・カァの溶岩が降ってくる…
          14. 一方、マウイはテ・カァの攻撃を全力で防ぐ。 次の攻撃がまたモアナに行ってしまう。 マウイは【もう釣り針が壊れてもいい】という勢いで立ち向かう。
          15. とてつもない衝撃。 もう釣り針は壊れてしまった。
          16. この時すでに、マウイ=ミニ・マウイ、 マウイの中の善良な心=ミニ・マウイ、表に出す感情と、心の感情が一致していた。
          17. 「意味不明でしょ?チキンだもんね」 そう言ってヘイヘイを安全な所へ隠す。
          18. 髪型は、モトゥヌイを出た時の、意気込んで結んだお団子頭と同じ。
      3. サブトピック 3
    8. 天国
      1. テ・カァが緑色の、一筋の光に気づいた。
        1. モアナが光り輝く心を高くかざし、テ・カァを導くようにしている。 テ・カァの攻撃はすっかりおさまった。
          1. 「道を作って。」 モアナが海へそう言うと、ザーッとあっという間にテ・カァとモアナまでの道が開けた。
          2. モアナはゆっくりとテ・カァへ近づいていく。 一方、テ・カァはまた怒り狂ったようにモアナへ突進していった。
          3. ♪~ 水平線を越えて会いに来たわ あなたを知ってる 心を盗まれたのね 自分の姿に惑わされないで こんなの あなたじゃない 本当の自分を 見つめてほしい
          4. 「本当のあなたは?」 テ・カァへ手を差し伸べ、語りかける。 テ・カァが目をつむり、モアナが胸の渦巻きの模様へ心をはめると、 ボロボロとテ・フィティを覆っていたものが壊れ、植物や水が一気にあふれ出す。 「テ・フィティ…」
          5. テ・カァがいた、何も生命が存在しない島にテ・フィティが手を押し当てると、 一気に草花が生い茂った。 美しい光景。 モアナは海に手伝われ、島へゆっくりと降り立った。
          6. 同時にマウイとヘイヘイがモアナの元へ来た。 「チキンが生きてた」 ふふ…と笑みがこぼれる。 「釣り針は残念だわ」 「釣り針があっても無くても、俺はマウイだ。」
          7. ゴゴゴ…とテ・フィティが動き、二人はテ・フィティの手のひらに乗る。 モアナはひざまずき、慌ててマウイも頭を下げる。 「テ・フィティ!…っていうか元気だった?」 マウイは反省しているのか、していないのか…。 陽気にテ・フィティへ話しかけるが、やはりテ・フィティはちょっぴり怒っている。
          8. 軽く咳払いをし、 「いいか、俺がしたことは間違ってた。 言い訳はしない。悪かった。」 するとテ・フィティはクスッと笑顔になり、 そっと、もう一方の手のひらから 新しい神の釣り針を差し出してきた。
          9. マウイは”ワァオ!”と喜びを隠しきれない。 「女神様の贈り物を断るのは失礼よ。」 「ひゃーっほー!……ご親切に。心から感謝いたします。」 隣でモアナが笑っている。 あっという間にマウイは小さな虫に変身し、どこかへ行ってしまった。
          10. テ・フィティとモアナが近づき、触れ合い、 ゆっくりと地上へ下ろしてくれると、 花吹雪とともに 壊れてしまった舟を、元通りにしてくれた。
          11. テ・フィティは島そのものへと還っていった。
          12. 怒り狂い、突進してきたテ・カァも、なぜか不思議と”心”が落ち着いてきた。 まとっている炎も無くなってきた。
          13. モアナはテ・カァの”心”へゆっくりと語り掛けるように歌う。
      2. 帰りの船旅用の食料をたくさん舟に詰め込み、モアナは村へ帰る準備をする。 「寂しくなるぜ」 「一緒に来れば?伝統航海術の達人が、村には必要だもの。」 「達人ならいるだろ?」 マウイの身体のタトゥーに、モアナとの思い出のものが増えた。 舟に乗っている少女の絵だ。
        1. 抱擁し、 「またね、マウイ」 「またな、モアナ」 鷹に変身し、帰りの航海を祝福するかのように 水しぶきをあげながら マウイは旅立っていった。
          1. 村の植物たちはあっという間に戻り、父と母は不思議そうにしていた。
          2. 帰ってきた。 「お父様!お母様!」 「モアナ!」 「サンゴ礁より遠くに行きすぎちゃったかも」 「さすがお前だ」
          3. 「帰ってきたぞ!」 「プア!」 仲間のプアや、村人たちも元気に出迎えてくれた。
      3. 洞窟に隠していた、先祖から伝わる船を引っ張り表に出す。
        1. ふと、モアナへ海から いつか浜辺で拾った美しい色の貝殻をプレゼントされた。 その貝殻は、村の山のてっぺんの、代々村長が重ねてきた石の上へと置かれていた…
          1. 村人たちは出航した。
          2. ♪~ まっすぐ進んで行こう 新しい島が必ず見つかるさ 故郷は いつも胸に 帰る時が来たら いつでも帰れるさ 我らは緻密な冒険家 先人の知恵を 永遠に語り継ぐのさ もっと遠くへ!
          3. 船の隣にエイが近づいてきた。
          4. マウイも鷹になってモアナ達を祝福しにきてくれた
    9. 価値観
        1. 自分の心の声を信じる
        2. 他人の言うことには、必ず意味(想い)がある
          1. サンゴ礁を越えてはいけない、 変わり者と言われているけれど気にしない、 礼は結構、
          2. 全て大切な人を想っての言動
  5. このストーリーのなかで、仕込まれていた
    1. 「仕組み」は?
      1. 彼は 風と海を 司る半神半人 戦士であり いたずら好き 神の釣り針の力で 自在に姿を変えられる男だった その男の名はー マウイ
      2. 火山が爆発したような姿のテ・カァ。 テ・フィティとは正反対で、怒り狂っているような形相。
      3. ふとすぐそばの岩肌へ目をやると、神の釣り針の模様のようなものが。 そして細かくみると、それは日付を刻んだ印でもあった。 大きな岩肌いっぱいに刻み込まれている。 「マウイ?」 海は【そうだ】とうなずくように答えてくれた。
        1. 「俺を嫌ってるようだが、人間に心を贈ろうとして、 俺は1000年もこの島に閉じ込められている。 命を創り出す力を与えようとして。」 モアナは、なにかこの男は勘違いをしていると思ったー-- 「だから、お前が言いたかったのは、”ありがとう”だろ?」 「”ありがとう”?」
          1. 半分は神様、半分は人間。 神の部分……”力”としては神に匹敵するような、不老だったり、自分の思い描いた通りのことが出来てしまう。
          2. 一方、人間としての部分は 傲慢だったり、
      4. サブトピック 4
      5. サブトピック 5
      6. サブトピック 6
    2. 「理由のトリガー」は?
      1. そんな中、ハイビスカスの髪飾りをつけた可愛らしいモアナは 驚くどころか、拍手して、目を輝かせている。
      2. 拾おうとしたとき、背後で小さなウミガメが海鳥達にいじめられているのに気づく。 ”素敵な貝殻よりも、ウミガメを助けないと” そんな優しい心の持ち主。 近くの大きな葉をむしり取り、影をつくって海鳥達から守りながら 無事ウミガメを海へ行かせてあげられた。
      3. 海へ出ることを許されていなかったので、舟の動かし方を分かっていなかった。
      4. 祖母はモアナと話しながら、 腰の辺りまで海につかり、5匹のエイ(?)と会話するような動き(ダンス?)をしていた。
        1. 舟が出ると、後ろ側の海が光って行き先を導いてくれているよう まるでおばあ様の刺青の『エイ』の形をした光だった
      5. サブトピック 8
      6. サブトピック 9
      7. ニワトリの”ヘイヘイ”
        1. のちに、モアナが航海に出た際、知らない間に船に乗り込んでいたニワトリ”ヘイヘイ”が タロイモでつまずいているシーンがうつる。 他のニワトリは見た目が茶色、 ヘイヘイはカラフルで、目が大きく飛び出している。
        2. 村人・おじいさん「そのニワトリはなぜ岩を食ってる? 基本的な知能が欠けてて、役立たずのようだ。いっそ食っちまうか?」 モアナ「あー、いい部分が隠れてるのかも。それで全く見えないとか。 ヘイヘイは見た目より賢いはず。」
        3. 「ヘイヘイ!?」 まさかヘイヘイが乗っているとは。 いつの間にか舟に乗り込んでしまったらしい。
          1. ヘイヘイは辺りを見渡す… 「?…?……コケー------!」 もちろん360度、周りは海。 ヘイヘイは動転してしまったようだ。 そっと、被っていたココナツの器を被せてあげると落ち着いた。 「大丈夫よ 心配ないわ。気持ちいいでしょ?」
        4. サブトピック 4
      8. ブタの”プア”
        1. モアナの友達、ブタの”プア”も登場する。 一緒に手漕ぎボートに乗り込み、海へ出ようとするが、父に止められてしまう。
      9. 海へ出ることを許されていなかったので、舟の動かし方を分かっていなかった。
        1. 一難去って、また一難… うまく帆が張れなかったり、 夜は睡魔に負けそうになったり… うとうとしていると、慌てて方向転換した為、舟が転覆してしまった。
    3. 「共感のトリガー」は?
    4. 「内的独白」は?
      1. 父「母上、もう十分だ。 サンゴ礁の外には行くな、ここが安全だ。 暗黒の闇は無く、魔物もいない。」
        1. しかし祖母は【分かっていないね…】と言わんばかりの表情
      2. 拾おうとしたとき、背後で小さなウミガメが海鳥達にいじめられているのに気づく。 ”素敵な貝殻よりも、ウミガメを助けないと” そんな優しい心の持ち主。 近くの大きな葉をむしり取り、影をつくって海鳥達から守りながら 無事ウミガメを海へ行かせてあげられた。
        1. 【助けてあげられた!いってらっしゃい】 モアナは達成感でいっぱい。
      3. 海が【ウミガメを助けてくれてありがとう】 というかのようにさざめく。 波が不自然にキラキラ動き、先程拾えなかった貝殻が、 海から顔をだした。 モアナはその海の”不自然さ”に気づいていない。
      4. ♪~ お前は村長の娘 頑固で誇り高く 父親の話を聞いて 自分の心の声も 遠い星を追えと 心がささやいたら その心の声が 本当の自分さ
        1. 更に成長したモアナがうつる。 祖母と踊るダンスも上手くなっている。 一方、祖母は歳を取り、杖をつきながら一緒に浜辺を歩いていた。
          1. 祖母と歩いて、葉の茂みを避けると着いたところは浜辺にある船着き場。
          2. 「お父様!舟をみてただけよ。乗る気はない。」 「…おいで。見せたいものがある。」 父はモアナを連れて山の方へ歩いていく。
          3. 「ずっとお前を連れてきたかったんだ。」 ー--- 「ここは聖なる場所。いつかやってくる、お前がここに立って石を置く日が。」 父は、代々この島の村長が積み上げてきた石のモニュメントの所へ連れてきてくれた。 沢山の数の石が積まれている。
          4. 「新しい石をこの上に置くその日、お前はこの島を繁栄へ導く者となる。 民は向こう(海)ではなく、この島にいる。民の期待に応える時だ。」
          5. モアナはやっと『村長』になる意味を理解したような表情をみせた。
          6. 祖母は【私は景色を見せただけよ】と何食わぬ顔。
      5. おばあ様はモアナに 先祖が旅人だったこと、 テ・フィティの心をマウイが盗んだことが原因で、島々が危機にさらされていること、 そして、モアナが『海に選ばれた旅人』だと 話せた。
        1. おばあ様は【やっと言えた】というような、安堵した顔。 モアナがまだ幼い頃、海と対話する所を見てから、ずっと心にしまっておいた 大切な”もの”。 とても長い年月、モアナが気づくまで待っていたのだろう。
      6. サブトピック 5
      7. サブトピック 6
      8. サブトピック 7
  6. 各シーンで自分の人生とリンクしたシーンは?
    1. おばあ様がモアナの手を握ってくれた。 「お行き…」 「おばあ様?」 「行きなさい。お前は海に選ばれた者。 マウイを見つけたら、その耳をつかんで、こう言いな。 ”私はモトゥヌイのモアナ。この舟にお乗り。 そして海を渡って、心をテ・フィティに返しなさい。”」
      1. そのときなにがあったか?
        1. 祖父は心臓の大病を患い、風邪ひとつでもかからないよう気を付けていたが、 風邪をこじらせ入院すると連絡を受け、母と祖母、弟と一緒に病院へ向かった。
          1. 大好きな祖父がもう治療の施しようがないと医師からの診断を受けていた。 年齢もかなり高齢。本人も病院のベットで休んでいる時、もうもたないかもしれないと 自覚していたのかもしれない。
      2. どんな場面だった?
        1. すでに臓器があまり機能しておらず、ベットの上で何度も寝返りをうち、とても苦しそうにしていた。
      3. そのときなにを感じていた?
        1. いつまでも一緒にはいられない。人は生きている限り、いつかはお別れしなければいけない。
          1. 頭ではわかっているつもりだった。 学校を卒業し、社会に出て、夫と出会い結婚し、孫の顔を見せることが出来た。 それだけの年月が過ぎたのだ。 日に日に衰えていく祖父を見るのが寂しかった。
          2. いざ目の前に苦しんでいる祖父を目にすると、私まで苦しかった。
      4. そのときどうした?
        1. しかし病院のベッドに横になる祖父を前にして、涙は我慢出来た。何故だかははっきり覚えていない。
        2. 何度も死の瀬戸際を生き抜いてきた祖父。 『お疲れ様』という気持ちが大きかったのかもしれない。
        3. やせ細り、苦しそうにしている祖父には、もう『ゆっくりしてね』という気持ちを込めて手を握ってあげた。
          1. 祖父も自分の状態を分かっているようで、苦しいのに笑顔で手を握り返してくれた。
      5. そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
        1. 今もきっと天国で見守ってくれているんだと思う。 生活は苦しいけれど、 「お医者さんになりたい」と話した自分の言葉と、やり方は違うけれど 祖父との約束を果たしたい、叶えたいと思っている。
      6. 今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
        1. サブトピック 1
    2. サブトピック 7
      1. そのときなにがあったか?
      2. どんな場面だった?
      3. そのときなにを感じていた?
      4. そのときどうした?
      5. そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
      6. 今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
    3. サブトピック 7
      1. そのときなにがあったか?
      2. どんな場面だった?
      3. そのときなにを感じていた?
      4. そのときどうした?
      5. そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
      6. 今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
  7. 登場人物像/役割
    1. テ・フィティ/テ・カァ
      1. 命を創り出すことが出来る、母なる伝説の島。
        1. マウイによって 宝石のような美しいテ・フィティの心が盗まれると、怒りの化身テ・カァになり、心を取り戻そうとする。
    2. モアナ
      1. 主人公
        1. 小さな島・モトゥヌイの代々受け継がれてきた村長の娘
      2. 幼い頃(歩き始めて間もないくらい)に 祖母の語りで 昔からある言い伝えを聞き、 海へ航海に出たいと強く願う。
        1. 祖母の死をきっかけに、航海へ出る決心をする。
    3. マウイ
      1. 半分は人間、半分は神、という半神半人。 神の釣り針の力を使って、自分の身体を自在に変化させることが出来る。
      2. 航海や、舟の操縦を知らないモアナに教える
    4. モアナの父、母
      1. 「この自分達の島・モトゥヌイは安全で素敵な所だ。だから海(沖)へ出てはいけないよ。危険だから」 とモアナを島へ留めさせる。
    5. モアナの祖母
      1. モアナの父や母と違い、モアナに『自分の心に従いなさい』と 航海に出ることを唯一応援してくれた。
      2. モアナが航海へ出るきっかけを与えてくれた。
        1. 結果、世界中の人々の幸せにもつながった。
    6. ヘイヘイ
      1. 他の家畜のニワトリと違って、モアナは”仲間”として一緒にいる。
      2. ニワトリ。 他の茶色のニワトリと見た目が違い、インコのようにカラフルで、目が大きい。
      3. とにかく前にしか進めない(障害物があっても) ちょっと頭のネジが外れている。 が、おっちょこちょいな雰囲気が憎めなく、クスッとさせてくれたりする。
    7. プア
      1. ヘイヘイと同様、仲間として、話し相手としての存在。友達。
      2. ブタ。 ピンク色ではなく、白黒模様が少し入った、小柄なブタ。
      3. 冒頭では、モアナと一緒にボートに乗り込み海へ出ようとするが、失敗する。 モアナを応援する仲間。
    8. サブトピック 7
  8. 気に入ったセリフ
    1. ♪~ 誇りを持って みんなと歩み 期待に応えれば 満たされる でも心の声が ”違う” と言う どうしたらいいの? 海にきらめく光が まぶしいわ どこまで深いか 分からないけど 私を呼んでる気がする つかまえに来て 教えてよ 水平線の向こうには 何があるの? 空と海が出会う場所が 私を呼んでる どれだけ遠いか 分からないけど 追い風に乗って 舟で漕ぎ出せば きっと 分かるはず どこまでも行くのよ
  9. あなたの人生のなかで、今の自分に影響を与えていたと感じるセリフを思い出しましたか?
    1. 兄弟
    2. 後輩的な人
    3. 先輩的な人
    4. 師匠的な人
    5. 出会ったこと・もの
  10. 監督がもっとも力を入れたと感じるシーン
    1. どのシーンか?
      1. まだ歩きたてのような、おぼつかない足取りで 海の方へ歩いていく。 すると浜辺へ打ち寄せられたきれいな貝殻を見つける。
        1. 拾おうとしたとき、背後で小さなウミガメが海鳥達にいじめられているのに気づく。 ”素敵な貝殻よりも、ウミガメを助けないと” そんな優しい心の持ち主。 近くの大きな葉をむしり取り、影をつくって海鳥達から守りながら 無事ウミガメを海へ行かせてあげられた。
          1. 海が【ウミガメを助けてくれてありがとう】 というかのようにさざめく。 波が不自然にキラキラ動き、先程拾えなかった貝殻が、 海から顔をだした。 モアナはその海の”不自然さ”に気づいていない。
          2. どんどん歩き、貝殻を拾うことに夢中だったが、モアナの周りだけ海が避けているようだった。 熱帯魚が泳いだり、先程助けたウミガメの子供と、そのお母さんが優雅に泳いでいる。 モアナはやっと不思議な現象に気づく。
          3. まるで”海”が語りかけてきているようだった。 モアナが「?」と首をかしげると、同じように海も『?』とまるで生きているように 波打っている。
          4. モアナはこの時、美しく輝く宝石のようなものを見つけ、海へ手を伸ばし、掴んだ。
          5. 「モアナ!」 パパが呼んでる。 ”海”は焦ってモアナを浜へ戻す。
          6. モアナはテ・フィティの心を掴んでいたが、 小さな手に比べ宝石は大きく、 浜へ立った瞬間、どこかへ落としてしまった。
          7. 「ここにいたか。心配したぞ。」 「海がいい。」 「気持ちはわかるが、行ってはいかん。海は危険だ。」 【もっと”海”とお話したかった】 そんな名残惜しそうな表情。
          8. テ・フィティの心だった。
          9. この時、海の周りにはモアナしかいない
        2. 【助けてあげられた!いってらっしゃい】 モアナは達成感でいっぱい。
    2. どんなシーンか?
    3. なぜそう感じたか?
      1. CGで海の美しさ…波打ち際のしぶき等々、を表現するのがとても難しかった、 と当時放映されたころ聞いたことがある。 映像美もそうだが、ラストシーン・モアナがモトゥヌイを出航するシーンよりも、 それを回収するための、 『幼い女の子が、美しい貝殻とテ・フィティの心を見つけ、海に選ばれた子』 とはじめに視聴者を惹きつけるために こだわって作ったのではないかと思う。