1. Adv Sci (Weinh)
   1. Photophore-Anchored Molecular Switch for High-Performance Nonvolatile Organic Memory Transistor
      1. 物質
         1. 分子スイッチ（特にジアリールエテン（DAE））
         2. 共役ポリマー半導体（F8T2）
         3. アジドおよびジアジリン修飾DAE
      2. 方法
         1. 分子スイッチを組み込んだメモリデバイス（特に電界効果トランジスタ（FET））において、抵抗や電流を調整
         2. 分子スイッチと共役ポリマー半導体間に化学結合を導入
         3. 光架橋反応を用いて、アジドおよびジアジリン修飾DAEをポリマーに化学的に結合
         4. DAEとF8T2をブレンドし、光架橋処理を施して有機FETを形成
      3. 新発見
         1. DAEの閉じた異性体が、形態的に安定した深いトラップ状態として機能
         2. 光プログラム可能なメモリ性能：
            1. メモリウィンドウが22V
            2. 保持時間が10⁶秒以上
            3. オン/オフ比が10³以上
            4. 100回以上のフォトサイクルで高い動作安定性
         3. フォトフォア修飾DAEにより半導体層の精密なパターン制御が可能
2. J Am Chem Soc.
   1. Controlling Molecular Photoisomerization in Photonic Cavities through Polariton Funneling
      1. 物質
         1. メロシアニンとジアリールエテン（photoisomerizationを示す化学物質）。
         2. フォトニックマイクロキャビティ（光モードと分子電子励起状態を結合させる装置）。
      2. 方法
         1. フォトニックモードと分子の光学遷移を結合させ、極性子（ポラリトン）を生成。
         2. 広帯域フーリエ面光学顕微鏡を使用して、マイクロキャビティ内でのphotoisomerizationを非侵襲的かつ迅速にモニター。
         3. キャビティ-エキシトンのデチューニングや光励起条件を変えて化学反応速度を系統的に調査。
      3. 新発見
         1. フォトニック状態密度の再正規化（Purcell効果）
            1. 特定波長での吸収および異性化速度の増強。
            2. Photoisomerizationの開始波長を赤方偏移させる効果。
            3. 強結合・弱結合の両方で確認。
         2. 異性化収率の抑制
            1. 極性子の反応性分子状態への局在化とキャビティ損失との競合が原因。
         3. 選択的反応誘導
            1. 複数の異性体が存在する混合物で、キャビティ共鳴を調整することで特定の異性体への光励起を誘導。
            2. 極性子が初期的に全異性体に非局在化していても、脱コヒーレンス後に特定の異性体に局在化し、その異性化を選択的に引き起こす。
      4. この発見は、キャビティ共鳴の調整によって化学反応を制御し、生成物の選択性を向上させる可能性を示唆する。
   2. Reversible C═N Bond Formation Controls Charge-Separation in an Aza-Diarylethene Photoswitch
      1. 物質
         1. Diaryletheneは、光スイッチとして非常に重要で、さまざまな応用分野で使用されている分子ツールです。
         2. 新しいタイプのピリミジンベースのaza-diaryletheneが紹介されています。
      2. 方法
         1. アザ-日記体エテンが、非常に珍しい双性イオンを形成する光反応を示すことが発見されました。
         2. この反応は、チオフェン環が開き、CN二重結合が形成されると同時に芳香族化が起こる、完全に可逆的なプロセスです。
         3. メタ安定な双性イオンが、安定なZ異性体と不安定なE異性体の間でフォトイソメライズし、4状態の光スイッチングが可能です。
      3. 新発見
         1. メタ安定な異性体が、溶媒の極性に応じて負のソルバトクロミズムを示し、無極性溶媒では赤方偏移した吸収を示します。
         2. アザ-日記体エテンは、メロシアニンと日記体エテンの特性を結びつける新しい振る舞いをします。
         3. 双性イオンの熱安定性はpHによって調整可能であり、完全に可逆的に変化します。
         4. ピリミジンベースのアザ-日記体エテンは、電荷分離や熱安定性、色生成の制御において、従来とは異なる方法を提供する新しい光反応メカニズムを確立しました。
3. Langmuir.
   1. Straightforward Fabrication of Double Roughness Structures on a Microcrystalline Film of a Diarylethene Derivative
      1. 物質
         1. 六員環パーフルオロシクロヘキセン環を持つ新規合成ダイアリルエテンを使用。
      2. 方法
         1. 溶液キャスティングにより開環異性体の立方体状結晶（約7 μm）が形成される。
         2. 紫外線照射後、1時間以内に立方体状結晶の表面に閉環異性体の針状結晶が形成され、二重粗さ構造を生成。
      3. 新発見
         1. 二重粗さ構造は蓮の葉の表面を模倣しており、水滴の連続的な衝撃に耐えられる特性を持つ。
4. Nat Commun.
   1. Photoswitchable polyynes for multiplexed stimulated Raman scattering microscopy with reversible light control
      1. 物質
         1. フォトスイッチ可能なポリインを基にした「Carbow-switch」という物質を作成。
         2. 16のラマン周波数を持つアシンメトリックジアリルエテンを使用。
         3. Carbow-switchは、可視光で制御可能なフォトスイッチング特性を持ち、SRS（刺激ラマン散乱）応答で大きな周波数変化と信号増幅を示す。
      2. 方法
         1. 電子および振動分光法の最適化を通じて、Carbow-switchの性能を向上。
         2. 可逆的かつ空間選択的な多重化SRSイメージングを、生きた細胞内で異なるオルガネラを対象に実施。
         3. 酸化ストレスやタンパク質の相分離中に、オルガネラの動態を光選択的にタイムラプスで観察。
      3. 新発見
         1. 光で制御可能な多重化SRSイメージングが、初めて可逆的に実現された。
         2. 高い時間・空間分解能と多重化能力を持つSRS顕微鏡法が、生きた細胞内の複雑な相互作用や動態研究に新しい道を開く可能性を示唆。
5. Sci Rep.
   1. Photoswitchable optoelectronic properties of 2D MoSe2/diarylethene hybrid structures
      1. 物質
         1. 二次元半導体：モリブデンセレナイド (MoSe2)
         2. フォトクロミック分子：ジアリルエテン (DAE)
      2. 方法
         1. MoSe2単層上に2nm厚の均一なDAE層を形成
         2. 紫外線 (UV) 照射でDAE分子を閉環異性体に変化
         3. 可視光照射でDAE分子を開環異性体に変化
         4. フォトルミネッセンス (PL) の変化を観察
         5. 伝導性原子間力顕微鏡 (Conductive AFM) とケルビンプローブ力顕微鏡 (KPFM) による電気特性の評価
      3. 新発見
         1. UV照射下での閉環DAEは、MoSe2の伝導帯最小値よりも低い最低空軌道エネルギーレベルを持ち、光誘起電荷分離を促進し、MoSe2のPLを消光
         2. 可視光照射下での開環DAEは、光励起電子の移動を防ぎ、PLが維持される
         3. UVと可視光を交互に照射することで、MoSe2の光電特性が動的に変調される
         4. DAEが閉環異性体の場合、MoSe2/DAEの伝導性と仕事関数が増加
         5. この発見は新しい光トランジスタや他の2D光電子デバイスの設計に新たな可能性を示唆
6. Small Methods.
   1. Optical Control over Liquid–Liquid Phase Separation
      1. 物質
         1. 細胞内膜不要小器官：液-液相分離（LLPS）によって形成される。
         2. コアサーブプロトセル：LLPSの発展に関連。
         3. 光応答性分子：
            1. アゾベンゼン（photochromic molecules）
            2. ジアリルエテン（diarylethene）
      2. 方法
         1. 光によるLLPSの調節：簡便で精密、プログラム可能、非侵襲的な特性を活かして、LLPSの動態を制御。
         2. 光遺伝学システム：
            1. optoDroplet
            2. Corelet
            3. PixELL
            4. CasDrop
            5. その他の光調節システム
         3. 写真活性化複合コアサーブプロトセルの設計：光化学的分子を使用して実験室で設計。
      3. 新発見
         1. 生体内膜不要小器官の光制御：生体内で光を用いて膜不要小器官を制御する技術が進展。
         2. 光調節による生化学的プロセスの媒介：
            1. 不可逆的なタンパク質凝集病理の制御
            2. 転写活性化
            3. 代謝フラックス
            4. ゲノム再編成
            5. 酵素反応
         3. LLPSに関連する生化学的プロセス、バイオメタボリズム、疾患に関する深い洞察。