1. Acc Chem Res
   1. Highly Durable Heterogeneous Atomic Catalysts
      1. 物質
         1. 単一原子触媒（SACs）
            1. 貴金属原子が支持体表面に単離して存在する構造を持つ触媒。
            2. 従来のナノ粒子触媒が持つ限界を超える独自の表面反応を可能にする。
            3. 主な支持体：金属酸化物、炭化物、窒化物、ゼオライトや金属有機構造体由来の多孔質材料、炭素系材料。
         2. 単一原子合金（SAA）
            1. 金属原子が他の金属ナノ粒子上に単離して存在する構造。
         3. エンサンブル触媒
            1. 複数の金属原子が隣接し、全てが表面に露出している構造を持つ触媒。
         4. 不均一原子触媒
            1. SACs、SAAs、エンサンブル触媒を包括する触媒群で、表面金属原子の構造が意図的に制御されている。
      2. 方法
         1. 合成と構造安定性
            1. 金属原子を高欠陥支持体に固定化して安定化。
            2. 中間体吸着により金属原子が一時的に不安定化する挙動をモニタリング。
            3. 密度汎関数理論（DFT）計算による安定性の推定。
         2. 触媒性能の保持
            1. 不純物による中毒への耐性を向上。
            2. 目標反応に対する長期耐久性試験の実施。
      3. 新発見
         1. 高耐久性不均一原子触媒
            1. 高耐久性を備えた触媒の報告例が増加。
            2. 電気化学、光触媒、熱触媒反応に応用可能。
         2. 反応条件に応じた支持体特性
            1. 電気化学反応：高導電性を有する支持体。
            2. 光触媒反応：光吸収能を有する支持体。
            3. 熱触媒反応：高温や蒸気存在下での耐久性を持つ支持体。
         3. 実用化への期待
            1. より持続可能な化学生産を促進する触媒としての潜在能力を示唆。
2. Angew Chem Int Ed Engl
   1. Anthracene-Fused Oligo-BODIPYs: A New Class of π-Extended NIR-Absorbing Materials
      1. 物質
         1. カーボンベース触媒: フルーガス脱硫（FGD）に広く使用されている。
         2. 酸素官能基: 脱硫活性との関連性が指摘される。
         3. ケトン型カルボニル基（C═O）: 脱硫反応の本質的な活性部位として特定される。
      2. 方法
         1. 温度プログラム分解法: カーボン触媒上の酸素官能基の量を調整し、脱硫活性との相関を解明。
         2. 選択的不活性化法: ケトン型カルボニル基が脱硫反応の活性部位であることを実証。
         3. 一過性応答実験: 反応機構を分析。
         4. 準in situ X線光電子分光法: 触媒表面の化学状態を詳細に観察。
         5. 密度汎関数理論（DFT）シミュレーション: 脱硫反応の理論的解釈を提供。
      3. 新発見
         1. 反応機構:
            1. 脱硫反応は主にラングミュア-ヒンズウッド機構に従って進行する。
            2. ケトン型C═O基がSO2を化学吸着し、隣接するsp2炭素原子がO2を解離的に活性化する。
         2. 反応律速段階: H2SO4の形成が反応の障壁となる。
         3. 設計指針: 効率的なカーボン触媒の設計に向けた一般的なガイドラインを提供する成果。
3. Chem Sci.
   1. Solvent-mediated precipitating synthesis and optical properties of polyhydrido Cu13 nanoclusters with four vertex-sharing tetrahedrons
      1. 物質
         1. 銅ナノクラスター
            1. 構造：Cu13H10(SR)3(PPh3)7（H-SR = 2-クロロ-4-フルオロベンゼンチオール）
            2. 特徴：三重対称軸を持ち、リガンド（PPh3およびチオレート）による単分子層で保護されている。
            3. 核構造：4つの頂点共有型四面体構造で、一般的なM13（正二十面体や立方八面体）とは異なる。
      2. 方法
         1. 溶媒誘導沈殿合成法（SMPS）
            1. 新たに提案された効率的な合成法。
            2. 高純度かつ高収率（39.5%、銅原子を基準）。
            3. 特性評価には単結晶X線結晶学、質量分析（ESI-MS）、核磁気共鳴（NMR）などを使用。
         2. 理論計算
            1. 密度汎関数理論（DFT）による10個の水素原子の位置シミュレーション。
      3. 新発見
         1. 安定化要因
            1. 表面のチオレートとPPh3間のπ⋯π相互作用が構造の安定性に寄与。
         2. 光学特性
            1. 独自の紫外可視吸収と蛍光特性を持つ。
            2. 超高速緩和動態解析：内部変換、構造緩和、放射緩和の3つの緩和経路を特定。
         3. 水素原子の挙動
            1. 10個の水素原子が4種類の形態で存在。
         4. 新規構造
            1. 4つの頂点共有型四面体による美しいCu13核を確認。
         5. この研究は、新しい合成戦略（SMPS）の提案に加え、Cu13ナノクラスターの構造的特性と光学的特性の理解を深めるものです。
4. Materials (Basel)
   1. Co-Sensitization Effects of Indoline and Carbazole Dyes in Solar Cells and Their Neutral-Anion Equilibrium in Solution
      1. 物質
         1. 二酸化チタン (TiO2) 表面に吸着する複数の光吸収性化合物
         2. カルバゾール系染料 (MK2)
         3. インドリン系染料 (D205)
         4. 代表的な溶媒：アセトニトリル、エタノール
         5. 従来の添加剤：ケノデオキシコール酸
      2. 方法
         1. 静的吸収および発光測定
         2. フェムト秒過渡吸収測定（完全なセルおよび溶液での測定）
         3. 電流-電圧測定
         4. DFTおよびTD-DFT理論計算
         5. 異なる濃度条件での染料の中性形態と陰イオン形態の平衡の解析
      3. 新発見
         1. MK2染料を含むDSSCにD205を追加することで、セルのフィルファクターが向上し、TiO2と染料間の電子再結合がブロックされた（サブナノ秒時間スケールで観察）。
         2. 活性な共吸着剤が、従来のパッシブ添加剤（例：ケノデオキシコール酸）の役割を果たせることを確認。
         3. アセトニトリル溶液では、中性形態と陰イオン形態の濃度依存平衡が存在し、中性形態が感作に最適。
         4. エタノール溶液では、陰イオン形態が優勢であり、感作に不向きであることを確認。
         5. これらの知見は、DSSCの性能向上と最適化に寄与する可能性がある。
5. Spectrochim Acta A Mol Biomol Spectrosc
   1. Spectroscopic investigation of the electronic and excited state properties of para-substituted tetraphenyl porphyrins and their electrochemically generated ions
      1. 物質
      2. フリーベース、メソ置換ポルフィリン：
         1. テトラフェニルポルフィリン (TPP)
         2. テトラ(4-ヒドロキシフェニル)ポルフィリン (THPP)
         3. テトラ(4-カルボキシフェニル)ポルフィリン (TCPP)
         4. テトラ(4-ニトロフェニル)ポルフィリン (TNPP)
      3. 方法
         1. 合成と特性評価：
            1. フリーベース、メソ置換ポルフィリンの合成
            2. 分光電気化学技術（吸収および蛍光）を使用
            3. フェムト秒過渡吸収分光法
            4. サイクリックおよび微分パルスボルタンメトリー
            5. 紫外線光電子分光法（UPS）
            6. 時間依存密度汎関数理論（TD-DFT）を用いた計算
         2. 分析対象：
            1. 中性ポルフィリン、アニオン種、カチオン種の吸収および蛍光スペクトルの評価
            2. フロンティア分子軌道を描写し、関連する遷移の解釈
      4. 新発見
         1. 電子状態と励起状態への影響：
            1. メソ置換基（-ヒドロキシ、-カルボキシ、-ニトロ）が誘導双極子に与える影響を体系的に分析
            2. 中性ポルフィリン、アニオン種、カチオン種で観測されるスペクトルの違いを解明
         2. スペクトル特性：
            1. アニオンおよびカチオン種でSoretバンドの赤方偏移を示す吸収スペクトル特性
            2. カチオンおよびアニオンポルフィリンで新しい蛍光減衰経路が出現
         3. 励起状態挙動：
            1. フェムト秒過渡吸収分光法により、置換基が自由ベースメソ置換テトラフェニルポルフィリンの励起状態に及ぼす影響を詳細に分析
         4. 包括的理解：
            1. 中性、アニオン、カチオン種の電子および励起状態効果に関する包括的な分析を提供
6. Dalton Trans
   1. A fundamental role of the solvent polarity and remote substitution of the 2-(4-R-phenyl)-1 H-imidazo[4,5- f][1,10]phenanthroline framework in controlling the ground- and excited-state properties of Re(I) chromophores [ReCl(CO)3(R-C6H4-imphen)]
      1. 物質
         1. [ReCl(CO)3(R-C6H4-imphen)]：1H-イミダゾ[4,5-f][1,10]フェナントロリン（imphen）配位子に電子供与性アミン基が付加されたRe(I)カルボニル錯体。
         2. R-C6H4-imphen：イミダゾール環にフェニレン結合を介して電子供与性アミン基を付加した配位子。
         3. 研究対象：酸化電位、吸収・発光特性、HOMOエネルギー準位、励起状態寿命。
      2. 方法
         1. 実験的解析
            1. サイクリックボルタンメトリー（酸化還元挙動の解析）。
            2. 吸収スペクトルおよび発光スペクトル測定。
            3. 過渡吸収スペクトル測定（励起状態特性の解析）。
         2. 理論的解析
            1. 密度汎関数理論（DFT）を用いたシミュレーション。
      3. 新発見
         1. 酸化特性
            1. アミン基の付加により、酸化電位が低下。
         2. 吸収特性
            1. 最長吸収波長における顕著な赤方偏移（HOMOエネルギー準位の不安定化による）。
         3. 励起状態特性
            1. アミン基の付加で三重項発光が赤方偏移。
            2. 励起状態寿命が最大12倍延長（リガンド局在型三重項状態の寄与）。
         4. 溶媒依存性
            1. 酸性のイミダゾールNHプロトンと高極性溶媒との強い水素結合に起因する光ルミネッセンス特性の溶媒依存性。
         5. 科学的重要性
            1. 遷移金属錯体の励起状態特性の理解と制御に重要な知見を提供。