「「ペット犬と家族メンバーとの間の相互作用―比較行動学的研究」:
(中略)結果、人が犬に対して注意をむけるよりも犬の方が人に対して注意を向けていた。手による接触と遊びは相互作用のタイプとしてよく見られた。手による接触は適応的な相互作用であり、犬も人も近い距離を保つため、位置の調整に協力しあっていた。遊びは大抵おもちゃを中心に行われた。
考察として言えるのは、これらの行動のパターンを分析することから、人と犬の間の絆のはじまりと発達、あるいは効果についての仮説を立てる基礎となりえ、人間と動物との絆の行動パラメータを同定することで、人とコンパニオン・アニマルがいることの結果の予測や、結果の種類によっては予防や仲介をするなどの様々な可能性が考えられる。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「イヌの性格が飼い主とのきずなに及ぼす影響」:
飼い主へのインタビューを行った。犬とその飼い主の相互作用から、ペット動物の特性の中で人と動物の絆を形成したり維持するのに最も貢献している特別な特性を調べ出すことが目的である。結果から得られた重要な知見は、愛情と歓迎行動、注意力、表現力、敏感さの間の正の相関がみられたことである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)ピック 1
「「動物の存在が社会的知覚に及ぼす影響」:
(中略)TATを基に心理学科の学生に対し実験を行った。結果、TAT的な光景でペットや野生の動物がいる場合には、いない場合よりも絵の中の人々が肯定的に解釈される傾向があった。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「人と動物のきずなの崩壊―イヌの攻撃的行動」:
ペットと人の関係をくつがえしてしまう問題行動の大部分は、攻撃、破壊性、家を汚すこと、吠えることである。
(中略)結果からいえることは、ペットと人の関係はペットの問題行動を正しく理解し、修正することによってかなり妨げられている、ということである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
(妨げられている、なのか…?防げているではなく?)
「「高齢者のそばに動物をおくことについて―その利益と方策」:
ペットは生活に規律を取り戻させ、確かな現実感を提供する上、世話をしたり、心配をしたり、犠牲を払ったりする繋がりのある関係や、強い情動的関係に高齢者を結び付けて、保っておくのに最適である。高齢者の場合には、コンパニオン・アニマルとの絆はおそらく人生のどの年齢の時よりも強くて深いと思われる。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「高齢女性におけるペットの所有と生活充足感」:
(中略)結果として、①ペットが家にいることと回答者の報告した幸福感との間には関係があり、②ペットに愛着をもたないと答えた被検者は最も不幸感が強く、ペットへの愛着は他の社会的愛着の指標となる、③ペットを飼うことと、幸福感との関係は社会経済的地位(SES)によって変化し、SESの高い者はペットを飼うことがより高い幸福感と結びつき、SESの低い者はペットを飼うことが不幸感と結びつく。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「子ども時代のペットと青年期ににおける心理社会的発達」:
(中略)本研究では青少年を対象にペットに愛着をもったかどうかについて調査し、ペットとの関係におけるあらゆる質的な違いを明らかにする。特に特別治療施設にいる少年が一般の学校に通う少年と比べ、ペットとの関係において違ったものを持っていたかどうかに着目した。結果から、ペット動物は多くの少年少女たちにとって非常大切であること、そして情緒障害や少年少女達の生活の中では他の人間の代わりとなって、特別な役割を果たしていた。無条件に受容したり要求や批判をしない存在を必要としているこれら青少年の必要性を、ペットは満たしているのである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「道徳と、人間と動物のきずな」:
動物は人間によって道具的な価値が大きいのだが、さらに彼らは動物としての本来の価値、すなわち生命を持った感覚のある道徳的存在としての価値があることを忘れてはいけない。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「「人とコンパニオン・アニマルとの関係についての研究の将来」:
動物と人の関係の研究分野は今や正式な科学的調査の領域として認められてはいるが、まだ完全に独立した分野ではなく、名称や理論、そして独自の方法論をさらに発達させなければならない。この方法論では動物と人の多様な相互作用を完全に包含するようにするため、直感的アプローチと科学的アプローチの療法を使わなければならない。以下の4つの主要な研究領域が今の時点では実りが多いと思われる。①何世紀にもわたる、様々な人の文化と民族グループにおける動物の役割②動物とのつきあいが人のパーソナリティの発達に及ぼす影響③人と動物のコミュニケーション④障害者や高齢者のための正式な心理治療、施設設備、住宅整備における動物の治療的利用、などが今後の研究で発展するだろう。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
「1990年には「International Association of Human-Animal Interaction Organizations(IAHAIO アイオハイオ 人と動物との相互作用国際学会)」が創設され、IAHAIOは世界各国で3年に1度、「International Conference on Human-Animal Interactions(人と動物の関係に関する国際会議)」を開催している。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)