- 自分で修論のことを考えたい、理解したい。
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RQ
- 犬との信頼関係の形成プロセスの仮説生成
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やることメモ
- 金城先生からの論文紹介読む
- 水2のメモ反映
- 構想発表時のメモ反映
- 短期集中講義のメモ反映
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動物飼育に関すること
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呼称の変遷
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ペット(愛玩動物)
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犬の歴史
- 番犬→少子化・高齢化で子どものいない家庭における家族の代替などとして家族の一員(松田, 2005)
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コンパニオンアニマル(伴侶動物)
- 「伴侶や家族のような関係で、人間のそばにいる(人間に飼育されている)動物のこと(三省堂大辞林)」(松田, 2005)
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世論調査
- ペットの飼育率は36.6%(松田, 2005による、内閣府, 2003)
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「ペットとして動物を飼うことについて、よいと思うことはどのようなことか聞いたところ、「生活に潤いや安らぎが生まれる」を挙げた者の割合が54.6%と最も高く、以下、「家庭がなごやかになる」(45.2%)、「子どもたちが心豊かに育つ」(41.2%)、「防犯や留守番に役立つ」(30.2%)、「育てることが楽しい」(27.2%)などの順となっている。(松田, 2005による、内閣府, 2003)
- 「この結果を解釈すると、ペットを飼っている理由としては精神的、情緒的状況や安らぎ、癒しといったものを示したものが多く、またそのように回答した割合も増しているというのが現状である。何かとストレスを感じることの多い現代において、意識的あるいは無意識的に動物の存在によって自己のストレスを回避させるための一手段、としてペット飼育が選ばれているという側面もあるのではないか。」(松田, 2005)
- ペットを飼うことが一般によいとされる理由
- CA研究概論
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CAが及ぼす心理的効果
- 「Levinson(1962)は、ペットの心理学的重要性を指摘し、ペット・セラピーを提唱した。また、ペットとの愛情溢れる相互作用がもたらす心理学的効果は教育場面に活用できるとする研究もある。Levinsonの考えからは、社会的関係上の不適応がもたらす孤独感をペットの相互作用を通して癒すという拡大仮説に一致できると考えられる。
Templer(1981)は、ペットに対する態度を測定する尺度を開発したが、もしその拡大仮説が正しければ、その尺度から得られるペットに対する態度と孤独感の間には正の関係が見られるはずである。
(中略)生起した孤独感は、人間に対してばかりでなくペットに対するネガティブな態度を伴い、その一方で、ペットへの補償的接近の動機付けを喚起することを示した。
(松田, 2005による、諸井, 1984)
- 「(前略)結果から、ペットによる”癒し”を検討したところ、ペットは家族の一員で心が通じ合えると認識され、緊張感が和らぎ鎮静効果をもたらすことがわかった。ペットの仕草は見ているだけで心がなごみ、生き物としての温かさや柔らかさはペットの癒し効果の大きな要因であろう。ペットは飼い主を無条件で受け入れる存在であり、受容される心地よさを感じるとともに、自己の存在価値を高めるとも考えられる。またさらにペットを媒介として他者とのコミュニケーションが良好になることも考えられる。
次に孤独感について、飼育経験者は非経験者よりも孤独感は低いが、飼育経験者の中に現在ペットを飼っていない人も含まれることを考えると、子どもの頃の飼育経験が青年期以降にどのような影響をもたらしているかを検討する必要がある。
マイナス面としては、ペットロス症候群やペットから人への感染症の問題も挙げられる。またペットと人との距離感が縮まるにつれペットを人間社会に適応させる必要がある。マナーの遵守など社会的な良識を持ちながらのペットとの共同生活が望まれる。
(松田, 2005による、金子, 2003)
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ペットロスの問題
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「飼っていたペットと死別・離別することによって引き起こされる深い悲しみのことをペットロスというが、充分に研究されていないのが現状である。先行研究においては、ペットロスを元飼い主の愛着から生じる飼い主とペットの関係に焦点をあてた二者関係論から説明したものや、飼い主、ペット、その周囲の第三者に焦点をあてた三者関係論から説明したものもある。これはつらさ
(松田, 2005による、新島, 2001)
- ココカラファイン
- CAと人間との関係を測る尺度
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CAが及ぼす社会的効果
- 「「ペット犬と家族メンバーとの間の相互作用―比較行動学的研究」:
(中略)結果、人が犬に対して注意をむけるよりも犬の方が人に対して注意を向けていた。手による接触と遊びは相互作用のタイプとしてよく見られた。手による接触は適応的な相互作用であり、犬も人も近い距離を保つため、位置の調整に協力しあっていた。遊びは大抵おもちゃを中心に行われた。
考察として言えるのは、これらの行動のパターンを分析することから、人と犬の間の絆のはじまりと発達、あるいは効果についての仮説を立てる基礎となりえ、人間と動物との絆の行動パラメータを同定することで、人とコンパニオン・アニマルがいることの結果の予測や、結果の種類によっては予防や仲介をするなどの様々な可能性が考えられる。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「イヌの性格が飼い主とのきずなに及ぼす影響」:
飼い主へのインタビューを行った。犬とその飼い主の相互作用から、ペット動物の特性の中で人と動物の絆を形成したり維持するのに最も貢献している特別な特性を調べ出すことが目的である。結果から得られた重要な知見は、愛情と歓迎行動、注意力、表現力、敏感さの間の正の相関がみられたことである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)ピック 1
- 「「動物の存在が社会的知覚に及ぼす影響」:
(中略)TATを基に心理学科の学生に対し実験を行った。結果、TAT的な光景でペットや野生の動物がいる場合には、いない場合よりも絵の中の人々が肯定的に解釈される傾向があった。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「人と動物のきずなの崩壊―イヌの攻撃的行動」:
ペットと人の関係をくつがえしてしまう問題行動の大部分は、攻撃、破壊性、家を汚すこと、吠えることである。
(中略)結果からいえることは、ペットと人の関係はペットの問題行動を正しく理解し、修正することによってかなり妨げられている、ということである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
(妨げられている、なのか…?防げているではなく?)
- 「「高齢者のそばに動物をおくことについて―その利益と方策」:
ペットは生活に規律を取り戻させ、確かな現実感を提供する上、世話をしたり、心配をしたり、犠牲を払ったりする繋がりのある関係や、強い情動的関係に高齢者を結び付けて、保っておくのに最適である。高齢者の場合には、コンパニオン・アニマルとの絆はおそらく人生のどの年齢の時よりも強くて深いと思われる。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「高齢女性におけるペットの所有と生活充足感」:
(中略)結果として、①ペットが家にいることと回答者の報告した幸福感との間には関係があり、②ペットに愛着をもたないと答えた被検者は最も不幸感が強く、ペットへの愛着は他の社会的愛着の指標となる、③ペットを飼うことと、幸福感との関係は社会経済的地位(SES)によって変化し、SESの高い者はペットを飼うことがより高い幸福感と結びつき、SESの低い者はペットを飼うことが不幸感と結びつく。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「子ども時代のペットと青年期ににおける心理社会的発達」:
(中略)本研究では青少年を対象にペットに愛着をもったかどうかについて調査し、ペットとの関係におけるあらゆる質的な違いを明らかにする。特に特別治療施設にいる少年が一般の学校に通う少年と比べ、ペットとの関係において違ったものを持っていたかどうかに着目した。結果から、ペット動物は多くの少年少女たちにとって非常大切であること、そして情緒障害や少年少女達の生活の中では他の人間の代わりとなって、特別な役割を果たしていた。無条件に受容したり要求や批判をしない存在を必要としているこれら青少年の必要性を、ペットは満たしているのである。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「道徳と、人間と動物のきずな」:
動物は人間によって道具的な価値が大きいのだが、さらに彼らは動物としての本来の価値、すなわち生命を持った感覚のある道徳的存在としての価値があることを忘れてはいけない。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- 「「人とコンパニオン・アニマルとの関係についての研究の将来」:
動物と人の関係の研究分野は今や正式な科学的調査の領域として認められてはいるが、まだ完全に独立した分野ではなく、名称や理論、そして独自の方法論をさらに発達させなければならない。この方法論では動物と人の多様な相互作用を完全に包含するようにするため、直感的アプローチと科学的アプローチの療法を使わなければならない。以下の4つの主要な研究領域が今の時点では実りが多いと思われる。①何世紀にもわたる、様々な人の文化と民族グループにおける動物の役割②動物とのつきあいが人のパーソナリティの発達に及ぼす影響③人と動物のコミュニケーション④障害者や高齢者のための正式な心理治療、施設設備、住宅整備における動物の治療的利用、などが今後の研究で発展するだろう。」(松田, 2005による、Katcher A.H. & Beck A. M., 1994)
- サブトピック 11
- サブトピック 12
- 考察がRQの下地になる!
- イヌ側の要因として「愛情と歓迎行動、注意力、表現力、敏感さの間に正の相関あり」
- TAT的場面(具体的にはどんなだ?)で動物がいるいないで解釈が肯定的になるか変わる
- 攻撃、破壊性、家を汚すこと、吠えることによる絆の崩壊の存在
つまり絆を保つための要素があるということ。
→ペットの問題行動を正しく理解し修正すること
- ・「②ペットに愛着をもたないと答えた被検者は最も不幸感が強く、ペットへの愛着は他の社会的愛着の指標となる」とは?➡読もう
・「③ペットを飼うことと、幸福感との関係は社会経済的地位(SES)によって変化し、SESの高い者はペットを飼うことがより高い幸福感と結びつき、SESの低い者はペットを飼うことが不幸感と結びつく。」とは?➡読もう
➡SESの低いひとや愛着を持たない人は不幸???
- ・「愛着をもったかの調査、ペットとの関係におけるあらゆる質的な違いを明らかにする」とは?➡読む
➡この研究から得られる予測や自分のRQの説得力を高められる知見はある?
・この研究が無条件の受容や要求・批判のない存在として「対人の関係の代替となりうる」ことを示している
➡「臨床群においては、対人関係の代替となることもあるが、今回は健康度が高い(判断方法がわかりません)人に聞いたのでないと思います」がいいのかなあ?
- 動物を「道具」として一方的に恩恵を受けるものだと思わない話
- 関係のことで発展してる研究領域
1.歴史の中で見られたCAの役割
2.動物とのつきあいが及ぼす人のパーソナリティ発達への影響
3.人と動物のコミュニケーション
4.障害者や高齢者への治療的利用
- 高齢者のそばにCAを置くことはよい
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「人と動物の絆(HAB)」概念
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1970年代開始し、様々な分野で研究されている。(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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欧米では獣医学、精神医学、臨床心理学、動物行動学などの様々な分野で、相互作用関係を科学的に解明しようとしている(松田, 2005)
- 「その研究テーマは、医療の現場で動物が人にもたらす生理的効果や心理的効果を解明することから、過程においてペットが子供の成長過程に及ぼす影響を調査するに至るまで、多岐に及んでいる(杉田 2002、濱野 2002)」(松田, 2005)
- 「人類学、動物行動学、獣医学、心理学、社会学、宗教学、などの様々な分野から研究されている。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 研究の始まりは「なぜそんなに多くのペットを飼うのか」などの点が広く欧米で話題となり、展開(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 「1990年には「International Association of Human-Animal Interaction Organizations(IAHAIO アイオハイオ 人と動物との相互作用国際学会)」が創設され、IAHAIOは世界各国で3年に1度、「International Conference on Human-Animal Interactions(人と動物の関係に関する国際会議)」を開催している。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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人と動物の相互から発生する精神的結びつきによって築かれる特別な関係(松田, 2005による、加藤, 1997)
- 人と動物や自然との相互作用の重要性を認識していて、お互いの福祉を考えることが重要であるという理念に基づく(松田, 2005)
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著名な研究
- 1970年初頭、臨床心理学者、レビンソン
「ペット飼育が身体障害者や精神遅延児に円滑な対人関係を形成するのに有効」
(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 1975年、コーソン
「精神病院での動物療法の研究」
(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 1975年、マグフォードとマッコミスキー
ペット飼育が他者とのコミュニケーションを増加させる社会的潤滑剤として機能することを明らかにした研究
(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 1970年代前―中期にかけての特徴
動物飼育の持つ「社会的効果」や「個人に役割やアイデンティティを与える機能」が疾病治療に利用できる、としたものが多い
(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 「1979年以降は動物飼育が健常者のwell-beingに及ぼす役割を検討した研究が飛躍的に増加する。1980年以降は「人の健康に及ぼす生理的効果」に関する研究が数多くなされ、心臓病や高血圧の対策としペット飼育の有用性が報告された。「人の健康に果たすペットの役割」としては犬などの小動物の存在が、高齢者や障害者などにとって、健康面での改善に貢献する役割を果たすことを示した研究が多くなされた。(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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日本では1989年に開始。(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 「欧米のHAB活動の議論の中心はすでにAATの活用方法や有効性ではなく、実施段階に必要な要素の検討に移っている。しかし日本においてのそれはAATの活動報告や有効性を訴えるものが大半であり、この分野では遅れを示している。1998年以降、ペット飼育が中高年の精神健康に及ぼす影響を調べ、ペットとの情緒的一体感の強い者ほど抑鬱状態が弱くなる傾向を明らかにした研究や、犬を擬人化したり自らを幼児化した発話分析の研究など、新たな分野でもHAB領域の研究が進んでいる。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 「「人と動物の関係、を科学的に解明する試み」:
行動観察とは、個体や個人の行動を正確に記録し、客観的な方法を用いて分類し、得られたデータを定性的、定量的に扱う研究法であるが、現在のHAB研究では、質問紙調査法などが多く用いられており、行動観察法が用いられることは少ない。しかし行動観察法とは人と動物のかかわりを明らかにする上で役立つ方法であると考えられる。今後のHAB研究においてこの行動観察法は非常に有用な手段であると考えられ、その特徴と実施の仕方、また行動観察法の代表的なものには連続記録法、時間サンプリング法、行動連鎖などがあるが、その行動の分析方法を概説する。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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尺度
- 「「人と動物の関係、を科学的に解明する試み」:
(中略)(HABは)コンパニオンシップとソーシャル・サポートに相当すると考えられ、HAB尺度の作成を試みた。予備調査のデータを基に因子分析した結果、第1因子「ペットといると気持ちが落ち着く」「ペットがいると安心する」という項目から「ペットからの情緒的サポート」という結果が出た。第2因子は「ペットは自分を必要としてくれる」「ペットに自分は信頼されている」という項目から「ペットからの信頼」という結果が出た。第3因子は「ペットに触ったり、撫でたりする」「ペットと一緒に遊ぶ」という項目から「ペットとの交流」という結果が出た。つまり「ペットからの情緒的サポート」、「ペットからの信頼」、「ペットとの交流」、の3側面を測定するHAB尺度は、得点が高ければペットからのサポートや信頼を得ている、ということを意味する。」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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人とコンパニオン・アニマル(犬)の愛着尺度
家庭内でコンパニオン・アニマルとして飼育されている犬と飼い主の情動的関係を多側面から捉えることのできる尺度を作成。
因子分析したところ、34項目6因子(松田, 2005による、濱野, 2002)
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6因子は、これより人にとってコンパニオン・アニマル(犬)は、家庭内において、情緒的に様々な役割を担っていることが示唆された。
- ①日常生活における犬との快適な交流
- ②情緒的サポート役割
- ③社会的相互作用促進役割
- ④家庭内ボンド役割
- ⑤受容役割
- ⑥養護性促進役割
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その結果から、飼主にとって犬の存在とはどのような役割を担うか、を以下の4点と捉えた
- ①犬の存在が、ストレスの軽減や気分の落ち着きをもたらすような、飼い主の情緒的な安全基地の役割として機能しており、犬は自分を無条件に受け入れてくれる存在と捉えていた。
- ②飼い主は犬を家族の一員として捉え、家族の共通の話題を増やしたり、雰囲気を楽しくしたり、争い事を緩衝する役割をしていると捉えていた。
- ③飼い主は犬の存在は世代を超えた他者との関わりを媒介する役割があると捉えていた。
- ④飼い主は犬をケアしてあげる存在と認識し、必要とされているという存在感を満たすことができる、他の家族と違い養護してあげる存在として捉えていた。
- AATの活用方法や有効性(行っていない…?)
<実施段階に必要な要素の検討
でも新しい分野も作っている
- 課題の提示
HAB研究は主観的なものが多いため客観的な研究も行うことを指摘している?
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”アニマル・セラピー”
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AAT(動物介在療法、Animal Assisted Therapy)
- 「人の治療目的のために設定されており、あらゆる治療場面の主導権は医師、看護士、理学療法士、作業療法士などであり、治療目標の設定、治療計画の作成、具体的な治療の実施が、全て人間の医療の専門家主導でおこなわれる」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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AAA(動物介在活動、Animal Assisted Activity)
- 「動物とのふれあいを目的に行う活動で、医師の直接関与を伴わず、治療戦略や医療従事者の治療計画は原則として必要としない」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
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どっち?
- 「「アニマルセラピーの現場から」:
ペットが、子どもや高齢者、ストレスなど人の健康に果たす役割、アニマル・セラピーの概要や実際の症例、を示している」(松田, 2005による、桜井・長田, 2003)
- 金城先生へ伺うことや、共通の話題、金城先生の仰ることを強調する材料になるかもしれないから読もう!