映画タイトル
ショーシャンクの空に
原題:The Shawshank Redemption
原作:スティーブン・キング/中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』
1994年公開・アメリカ映画
監督・脚本
フランク・ダラボン
今作が出世作
この映画のテーマ(一貫したメッセージ)
(人生が絶望の底に落ちても)諦めない希望
構成
フック
主人公アンディ・デュフレーンは若くして大手銀行の副頭取…仕事は順調、プライベートでも愛妻家であり、幸せな日常を過ごす。
平穏で幸せな日常を過ごしていたが、愛する妻の口から不倫している、離婚して欲しいと告白され、口論になり、妻は家を飛び出す。
不倫相手の家まで行き 酒と拳銃を持ち、車の中で考え込む。 「不倫相手と妻と脅すだけ」 「不倫相手を…いっそのこと妻もこの手で殺してしまおうか」 悶々とラジオを聴きながら時間が過ぎていくが、川へ銃を捨て、我が家へと引き返した。
翌朝、不倫相手と妻の射殺体が発見され、裁判にかけられてしまう。
昨夜、家路への途中銃を川へ捨てたため、死体に残っていた弾の条痕の比較は不可。 足跡、車のタイヤの跡、酒瓶の指紋、 残っていた証拠が全てアンディにとって不利。 結果、有罪、終身刑判決。 刑務所送りになってしまう。
日常
1947年に入所。 規律にとても厳しく、毎日刑務官からの理不尽な体罰など、先の見えない囚人生活を淡々と送る日々。
『このまま一生、ここから抜け出せない。』 そんな錯覚に陥るほど”希望”の無い『塀』の中。
入所初日には、同日入所した囚人が主任刑務官からの必要以上な暴力 (消灯後、騒ぎを聞きつけ、注意喚起した)により、診療所に運ばれたが亡くなってしまう。
翌日、アンディーは診療所に運ばれた囚人が亡くなった事を知る。 周りは”悲しむ”というより、”残酷な事実”を受け止めるだけ。 『過ぎ去った事』として 当たり前の、いつもの残酷な日常のよう。
アンディー「彼の名前は?」と尋ねる。 周りは”何故名前なんか聞くのか。もう過ぎたこと”と不思議な顔。
人ひとりが亡くなっているのに。 『ここでは全ての感覚が麻痺している。ここの感覚に引きずり込まれてはいけない』 酷く失望すると共に、自分の意志を保たなければいけない… 希望の光が揺らいだ。(と思った?)
アンディは 『人=囚人達』を避けて生活するようになった。
囚人の一人、ボグズは 「もう”お友達”は出来たか?」とアンディを捻じ曲がった性衝動の対象としてロックオンする。 『塀の中』では、『外の世界』よりも寧ろ無法地帯。
日常的にレイプされてしまう(時には抗ってレイプを免れることもある)。
そんな”屈辱的な日常”は刑務所内、皆が知っていた。
「ひと月経ってやっとまともに口をきいた」 話し相手はレッド。
『調達屋』だということを聞き、ロックハンマーが欲しいと話す。
アンディ/ この時はまだ『脱獄』という言葉は頭に無かった。
レッドの思っていた通り、慣れるのに時間が必要だった? 世間では上級階級にいた人間が、たった一度の、理不尽ともいえる裁判で人生が一変してしまったから。
鉱物マニア。 刑務所の広場には鉱物を含んだ岩石が沢山転がっていることに気づく。 時間を持て余す刑務所の中では、時間をかけて石を磨いたり、趣味を復活させるのに適していると思い、レッドにロックハンマーの調達をお願いした。
レッド/ アンディが「ロックハンマーは小型のツルハシだ」というが、刑務所の中では凶器にもなり得るもの。 (※ただし、実際の大きさや見た目がどんなものかというのは分かっていなかった) もし刑務官に見つかると調達した自分の身も危うくなってしまう。
レッドはアンディがボグスに狙われていることも知っていた。 「ハンマーで人を殺すなよ」 注意喚起をした
「脱獄用の穴掘りに使うのか?」 とも疑った。 刑務官の抜き打ち検査が定期的にあり、もしも没収された時、自分の名前を出したら二度と面倒はみない、と伝えた。
自己紹介のシーン 「レッドだ」 「変わった名だ」 「アイルランド系さ」
『自分はここにいても”違和感の無い”人間だ』 =アンディとは違う世界の人間だ
↑ と思うと同時に 「気取って見えた。物腰がここの連中とは違う。」 「自分だけの世界を持っていた。俺は人間的に彼が好きだった。」
アンディと話して初めて、 レッドの中で『他の奴らとは違う』 と、友人として親しくなりたいという気持ちが芽生えた
後日、調達したロックハンマーの実物を見ると、『脱獄用の穴掘りに600年かかる』 と思うほど小さいハンマーだった
『信頼出来る男かもしれない』 レッドは笑みをこぼす。
狭い塀の中ではすぐに噂が広まる。 アンディがなぜショーシャンクに投獄されたのかもレッドは既に知っていた。 ”大銀行の副頭取” そこまで上り詰めた男が何故女房殺しをしたのか? 「打ち解けないのは、皆を見下してるからか?」 ここ(刑務所)に来るのは、世間の下層にいる自分のような者達ばかりだから。
”自分とは程遠い、立派な世界で生活していた” レッドはアンディが何を考えているのか分からなかった。
レッド語り:「犯されずに済んだと言いたいが、ムショの中はそれ程甘くない」 「誰の仕業か皆、知っていた」
ボグス(とその仲間達)から性被害を受ける日常。 →反抗して日常的に生傷が絶えなかった。 2年間もの間、耐えるしかなかった。
アンディ/ 「チェスは王の遊び。教養と戦略。」 「チェス盤をお願いしたい。駒は自分で彫る。」 「だがここにある石ころじゃだめだ。何年もかかる。」
レッドは『俺たちは友達だ。教えてくれ』と、アンディはなぜ罪を犯してしまったのか……”妻を殺した理由”を聞こうとする。
アンディは事実、無実。 「僕は無実だ。皆と同じさ。」
レッドはこの時、「残念だが俺は有罪だ。」 とアンディに告白する。
房の抜き打ち検査がある。 凶器になるもの、刑務所で生活するうえで不必要と判断されるものがあれば (映画の中では描かれていないが)没収されたり、懲罰を受けたりする可能性がある。
才能の種
若くして大手銀行の副頭取にまで上り詰める才能、頭の回転の良さ、鉱石についても興味・知識があった。
冒険
1949年、春。 ノートン所長の発案で刑務所施設・工場の屋根の修理を実施するにあたり、12名の人手を募る。
「5月の屋外作業は心地がいい。」 100人以上の志願者がいたが、レッドが調達したタバコを刑務官へ賄賂として渡し、仲間の名前が呼ばれる。
作業中、ハドリー主任刑務官が他の刑務官と話している内容をアンディが聞いていた。 「大物の弁護士から連絡があり、兄が死んだと知らされた。」 「あんな兄はどうでもいいさ」 「弁護士の話だと、100万ドルの財産を残したと言っていた」 しかし相続税で大部分は政府に持っていかれてしまう。 「税金の徴収は容赦なしだ。最悪の政府だ」
アンディは思わずハドリーに声をかけた。 「奥さんを信じていますか?」 「裏切られる心配とかは?」
『相続金3万5000ドルを奥さんに贈与すればいいのです』 銀行員の知識があるため、合法的に非課税のまま相続分を受け取れるよう、ハドリーに話した。
「贈与の書類作成は面倒で弁護士が要る」 「僕が代わりにやります。用紙さえあれば無料奉仕で」 「ただし仲間にビールを」 「外で働いている時のビールは最高です。…個人的な考えですが」
”事故死”させられそうになるも、ハドリーを説得出来、午前中で作業を止め、その後ビールにありつくことが出来た。 ”鬼主任”と呼ばれるハドリーも、この時は妙に優しい話し方をしていた。
レッド語り/ 「自由の身にでもなったみたいだ」 「シャバのように思えた。我々が神のようにも」
レッド語り/ 「アンディは独り離れて座り、奇妙な笑みを浮かべ我々を見ていた」
アンディ「酒はやめたんだ」 仲間からビールを勧められるも、断る。
レッド語り/ 「刑務官に媚びる気なのか…我々と友達になりたいのか… いや、安らぎを求めたんだろう、少しの間でも」
大切な人を失ってしまった。 その悲しみは計り知れない。 レッドが考えた通り、少しでも安らげる時間を欲していた。
ハドリー/「あの金の亡者が?」
アンディが「無料で僕がやります」と言った途端表情を変える。 後のノートンと同じく、誰しもが”金の亡者”ということ。
ある晩、アンディは檻の中の壁に刻まれた、今までの受刑者たちの名前を見つける。
自分も…と、 チェスの駒を彫っていたロックハンマーを握り直し、壁に名を彫ってみる。
ノートンは房の抜き打ち検査にてアンディを値踏みする。
図書係として、ブルックスとともに図書室の書籍の管理を任される。
噂を聞いた刑務官が「子供の教育費の信託資金を作りたい」と話してきた。
「背広を着ていたらまさに銀行員そのものだ」 アンディと刑務官が話すところを見ていたブルックスは、 驚いたと同時に、ワクワクするように仲間にその時のことを話す。
アンディ/ 刑務官に取り入るわけではなく、「貯蓄計画のアドバイスをしただけ。人助けだ。」
つまらない洗濯係から、自分の知識を少しでも活かせるような係をもらえた。 「新しい本を増やそうと思っている」 「(本を買うための)予算を求める」
ブルックス/ 「今までに6人もの所長を見てきてはっきり分かった。ひとりとして本に予算を割く所長はいない」
所長をはじめ、刑務官のために所得申告をしてやった。
皆、給与明細を持ってきて、 絶大な人気があった。 繁忙期には事務員を使うほど。
その繁忙期(一カ月)にレッドは楽な仕事が出来た
図書室の本を増やすために州議会へ手紙を書いて頼むことを考える。
ノートン/ 「刑務所に対する税金の使途は、その増設だけ」
「週に一度、手紙を書いてみます」 「気が済むようにしろ」 根気強く手紙を送った。
地獄へのきっかけ
ブルックスが、長い長い服役から仮釈放されることになった。
ブルックス/ 「仮釈放になどなりたくない」 怯えるように、”また罪を犯せばこのままここに残れる”と ナイフを持ち、仲間の首に当てる。
50年もの間、『塀の中』しか知らない。 ”放り出される” ショーシャンクでは有名人だが、一歩外に出れば『ただの老いた元服役囚』
子供のように可愛がっていたカラスも「自由の身だ」と放してやる。 自らを映すように、悲しんだ。
ブルックスから手紙が届くー-- 何もかも速いので驚いている。 子供の時、一度だけ見た車が至る所で走っている。 変化の大きさに思わず息をのむ。 しかし慣れない仕事に身体が痛む。 カラスの”ジェイク”も友達を作り、元気にやっているといいが。 夜中に悪夢をみて飛び起きる。 仕事先の店長を銃で撃ってしまえば刑務所送りだ。 不安から解放されたい、だから死ぬことにした。 私などが死んでも、迷惑は掛からないだろう。
レッド/ 「哀れな最後だ。」
他人事とは思えず、悲しんだ。
死ぬ間際、柱に自分の名前を刻む。 『ブルックス、ここにありき』
地獄
生まれ変わった図書室が出来た1963年、ノートンが”青空奉仕計画”というものを始める。
新聞などにも取り上げられ、「囚人を更生させるための進歩的なプログラム」 「囚人を刑務所の外で公共事業に従事させ、社会に役立てる」 「税金の大幅な節約にもなる、素晴らしい計画だ」
表向きはこう。 裏は、『濡れ手にあわ』 やすやすと金儲けをしようとし、人件費や業者からのピンハネが目的だった。
入札で、ノートンから仕事を奪われた男が裏金を渡す。 まんまと金が入ってきた。
不正取引で入ってきた裏金は、アンディによって管理されていた。 ノートンの会計係を務めていた。
金の出どころがばれないよう、アンディを利用していた。 株券などに変え、 さらには法の抜け道をくぐり、架空の人物『スティーブンス』を書類上だけで作り上げた。 口座、出生証明、免許。 警察や国税局がいくら探し回っても犯人に辿り着くことは無い。
それを聞いたレッドは驚いた。 「お前は秀才じゃなく天才だ」
アンディ「皮肉な話。外ではまじめ人間だったのに、服役して悪党になってしまった」 ふたりは笑った。
レッドに「罪悪感は?」と聞かれ、「私は金の運用だけだ」と淡々と答える。
会計係と一緒にノートンの雑用係もやっていた。 背広やシャツをクリーニングに出したり、靴を磨いたりしていた。
天国へのきっかけ
ショーシャンク刑務所の壁はもろく、小さなツルハシでも容易く”掘れてしまう”ことが分かった。
レッドへ「リタ・ヘイワースを」と 脱獄用の穴を隠すため…… 大きなポスターを調達してもらうことに。
その時刑務所内で流行っていた映画に、女優リタ・ヘイワースが出演していた。 とても魅力的な登場シーンに、囚人達は歓声を上げる。
毎日が単調で、暗く、希望が見えない… そんな中でも『映画を観て楽しみ、歓声を上げる』=『一筋の希望』のよう アンディは『リタ・ヘイワース』=『希望』 という意味も込め、レッドに調達を頼んだ。
相変わらずボグスからの性暴力は絶えなかった
ボグスの仲間達から半殺しにされ、ひと月診療所で静養する。 ボグスは懲罰房へ。
懲罰期間が終了し、部屋へ戻るとそこにはハドリー主任刑務官がいた。
懲罰が終わっても、誰彼構わず暴力を振るわれる日常は変わらない。
結果、ボグズは生涯車いす生活、流動食しか食べられない程のひどい怪我を負い、囚人用の病院へ移されることに。
アンディはもうボグズから性暴力を受けることは無くなった
「アンディを温かく迎えよう」 「ビールの借りもあるしな」 「チェスの駒を彫る石を探そう」
アンディの仲間は、彼の退院祝いとして 屋外での作業時、チェスの駒が彫れる位、大量の大きな石のプレゼント、 タバコやガム他嗜好品多数、 そして『リタ・ヘイワース』のポスターを送った。
州議会へ根気強く手紙を送っていた甲斐があり、200ドルの予算が下りたのと、 中古図書が寄贈された。
「たった6年で。これからは週に2通手紙を書きます。」
ハドリーはうんざりした様子だが、他の刑務官はアンディを応援するような、笑顔を見せる。
”信頼”が構築されてきている
中古図書の中に『フィガロの結婚』のレコードが入っていた。
アンディは思い付き、刑務所内全てへ音楽が流れるよう、放送機材をいじる。
レッド語り/ 「美しい鳥が訪れて塀を消すかのようだった。 短い間だが、皆が自由な気分を味わった。」
規律を乱した為、アンディは懲罰房に2週間もの間入れられた
しかしアンディは 「(懲罰房の中は)快適だった」 「頭の中と心で音楽を聴いていたから」 「音楽は決して人から奪えない。そう思わないか?」
レッド 「ハーモニカをよく吹いたが、入所してから興味を失った」
アンディ:「心の豊かさを失っちゃダメだ」 レッド:「どうして?」 アンディ:「…人間の心は石で出来てるわけじゃない。心の中には何かある。 誰にも奪えないあるものが……」 「希望だよ」
レッド 「言っとくが希望は危険だぞ。正気を失わせる塀の中では禁物だ」
アンディ「自殺か?」 希望を持ってしまうと、心が保てなくなって自分をやめてしまう(生きるのをやめてしまう)のか?… 皆、『希望』というものはここに入った時に捨ててしまっている。 アンディは驚きを隠せなかった。
この時点でアンディは房の穴掘りを順調に進めていて、一筋の希望を失っていなかった
レッドは入所から30年の年月が経ってしまった。 ー(審査員)社会への復帰は? 「出来ます。確実に。昔の自分とは違います。今は真人間です。神に誓って。…更生しました。」 10年前と同じセリフを審査員に告げ、『仮釈放不可』が書類に押印される。
仮釈放になりたい?それともなりたくない? 自分が分からない。 『消えた30年』
アンディ「残念賞の賞品をあげるよ」 そう言って、レッドを驚かせるために別の調達屋に頼んだ”ハーモニカ”をプレゼントした。
アンディは10年の年月が過ぎていた。 消灯時間ーー-房に入ると、レッドから『10周年記念に新しい女優を』と マリリン・モンローのポスターをもらった。
新しいポスターをじっ………と見つめる。
着実に脱獄計画は進んでいた
”ハーモニカをよく吹いていた”と言ったことを覚えていてくれた というような驚きと嬉しさの混ざった顔で受け取った。
アンディは、一番の友人であるレッドに『希望』を忘れないでいてほしくて ハーモニカを送った?
図書係のアンディは変わらず州議会へ、週に2通手紙を送っていた。 粘り勝ち。1959年に更に500ドルの予算が下りた。
予算をフルに活用し、格安な本や、売れ残りの本を買い集めた。
1963年には『ブルックス・ヘイトレン 記念図書室』と名付けられ、仲間の協力のもと倉庫が立派に生まれ変わった。
図書室を利用し、知識が乏しい囚人達に高卒の資格を取れるようにした。 所長は黙認している。
レッド「お前を利用するための手だな」 アンディ「私は結局、彼の奴隷さ」
1965年、家宅侵入罪、強盗の罪で2年服役するため トミーがショーシャンクへ入所。
13才から幾度となく罪を繰り返しており、多数の刑務所へ入所したことがある。 キャッシュマン刑務所にも服役したことがあった。
アンディ「盗みはもうよせ。盗みの才能がないから捕まるんだ。」 トミーへ忠告をする。
家庭も持っている。 『今のままではだめだ』と自覚し始めた。 アンディが囚人達に高卒の資格を取らせていることを聞きつけ、 アンディへ「資格を取りたい」と相談。
「君じゃ無理だ」と一度突っ返すものの、「やる気はある」と真剣な表情。 「合格するまでやり通してもらうぞ」 アンディは本気のトミーと向き合う。
基本的なアルファベットの綴り、話し言葉……資格取得のための必要な知識を勉強するのにかなりの時間と工程が必要だったが、 アンディは真摯に向き合い、一からトミーに指導する。
トミーは勉強の面白さを知った。 アンディも喜んで教えていた。刑務所では時間が十分あったから、という理由もあった。
この時、アンディの新たな目標は
天国
たった20年で刑務所からの脱獄を成功させた
複数の銀行から ノートン所長の裏金を全て引き出し、 そして新聞社へショーシャンク刑務所が今までしてきた悪事の数々を記した告白状を送りつけ、 『ジワタネホ』へ向かう。
のちにレッドも仮釈放となる。 しばらくぶりの『塀』の外。 ブルックスが使っていた部屋、働いていた職場… ブルックスと同じように、レッドも心に虚無感を抱いていた。 「…」 アンディーが脱獄前、話の要領を得ず、突然話した『妻との思い出の場所/ボクストン』。 そこへ行ってみることに。 広い牧草地を歩き続け、やっと見つけた”約束の地”には、アンディーからの置き手紙があった。
「もう一度、友に会いたい」 純粋に湧き出た思いにそのまま従い、『ジワタネホ』へ
メキシコ沿岸に位置する『ジワタネホ』へ そこには”天国”と思えるほど美しい太平洋が広がる
価値観(ビジョン)
希望を持ち続ける。 諦めない心を持つ。
このストーリーのなかで、仕込まれていた
「仕組み」は?
『フィガロの結婚』
サブトピック 2
「理由のトリガー」は?
サブトピック 1
「共感のトリガー」は?
サブトピック 1
「内的独白」は?
サブトピック 1
各シーンで自分の人生とリンクしたシーンは?
フックでのアンディが裁判にかけられてしまうシーン
そのときなにがあったか?
どんな場面だった?
そのときなにを感じていた?
そのときどうした?
そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
サブトピック 2
登場人物像/役割
アンディ・デュフレーン
主人公。 1947年入所。
若くして大手銀行の副頭取にまで上り詰める才能の持ち主。 鉱物が好きで、多彩な知識を持っている。
信頼出来る仲間達に『希望』を与えた
レッド (エリス・ボイド・レッド・レディング)
1927年入所。 既に20年服役中(冒頭)。
仲の良い囚人仲間は数人いるが、常に群れたりという感じではなく、 しっかりと自分の意志があり、周りからの信頼も厚い。
調達屋 各刑務所に必ずいるという、「塀の外」からの物資調達のネットワークを持っている。
アンディが特に心を許せる「友人」
サミュエル・ノートン
ショーシャンク刑務所・所長
アンディを値踏みし、自らの税務処理や、資産運用を任せる。
悪の根源。敵。金の亡者。
ヘイウッド
アンディ、レッド 仲間の一人
冒頭、 『今夜、新米入所者の中で、誰が一番初めに泣き出すか』という、恒例行事ともいえる賭けに勝ち、貴重なタバコを得る。
本人は『賭け』に対し、単なる”気晴らし・ゲーム”のような感覚であった。
バイロン・ハドリー
刑務所・主任刑務官
囚人達が規律を少しでも乱したり、気分が悪くなると 理不尽に暴力を振るう。
ノートン所長の腰巾着
トミー・ウィリアムズ
1965年、家宅侵入罪、強盗の罪で2年服役するためショーシャンクへ。
若く、ロックンロール好きの陽気でやんちゃな性格だが、憎めない”弟”のような存在。 毎日退屈な刑務所での作業…… 「ヘイ!おっさんたち!」と、明るい雰囲気で周りの年上の囚人達をクスッとさせてくれる。 妻と女の子の赤ちゃんがいる。
学歴は中卒。 家庭を持っている。ムショ巡りしていては…… 『今のままの自分じゃダメだ』と自覚し始め、 アンディへ「高卒の資格を取りたい」と相談。 基本的なアルファベットの綴り、話し言葉……資格取得のための必要な知識を勉強するのにかなりの時間と工程が必要だったが、 アンディは真摯に向き合い、一からトミーに指導する。
高卒認定試験を受ける。 トミーは試験の難しさに ”落ちてしまった、やっぱり俺はダメなんだ”と やけになり、部屋を飛び出す。 後日合否通知が届き、無事合格。
天国へのきっかけになる話を持っていたが、 ノートンによって銃殺(事故死として処理された)、真実は打ち消される。
ブルックス・ヘイトレン
1905年から収監されている老囚人。
1912年~刑務所内・図書室の管理を一人で任されている。
アンディが一緒に図書係になった時、「話し相手が出来て嬉しい」と話す
のちに仮釈放されたが、 長い間『塀の中』で過ごし、歳も取ってしまった。 外の世界になじめず、自殺してしまう。
『塀の中・外』 それぞれの隠れた恐怖を思い知らされる
ボグズ・ダイアモンド
閉鎖された刑務所内には”男”しかいない為、捻じ曲がった性衝動により、狙った人物をレイプするグループのリーダーとなっている。
新しく入所してきたアンディを常にターゲットし、性暴力を振るう。
アンディにとっては小うるさい”ハエ”のような存在?
エルモ・ブラッチ
アンディが刑務所送りになってしまった、事件の真犯人
狂気的で、『残酷』という言葉を知らないとでも思わせるような性格の持ち主。
レニー・ブレイン
アンディの妻
グレン・クエンティン
レニーと不倫関係にあった、ゴルフインストラクター
ファット・アス
入所初日、ハドリー主任刑務官に叩き殺されてしまう。
気に入ったセリフ
レッド 「デュフレーンに、リタ・ヘイワースのポスターを頼まれた時(1949年)も気軽に引き受けた。」
「………No problem.No problem.」 導入のシーンでのちの伏線として語られているが、 後悔の気持ちなどではなく、寧ろ、アンディに”良い意味”で裏切られた「嬉しさ」のようなものが感じられた。
その次のシーンで、 もちろん刑務所は暗く湿った雰囲気 (雨上がりで水溜りがあり、まだ日が差さず暗い表現)の場所。 しかし、BGMは明るく、希望の光を探すような印象のものが流れており、これから始まる物語を彷彿とさせるようなシーン。
レッド 「あの時のアンディーは弱々しい感じがした。彼の第一印象だ。」 「(賭けに)タバコ10本だ。」
レッドの印象に相違無く、アンディーもこの時は、人生の底辺の場所に来てしまったと思っていたのだろう。
「あの時の……」 では、時が経ったあとは? 続きが見たくなるようなセリフ。
貴重なタバコを10本も賭けるレッド。 何気ないひと言だが、アンディーになにか魅かれるものがあったからこそ、大きな賭けを 彼にした。 この時から二人の運命は動き出していた。
レッド「アンディーに賭けて俺は負けた。彼は実に静かだった。」
=これから起こる脱獄劇の伏線(のように聞こえる)
アンディ 「”起きてなさい いつ主(あるじ)が戻るか分からない”」
房の抜き打ち検査で、アンディの房にチェックが入った際、 ノートンから(手に持っていた聖書に気づき、手に取る)「聖書が愛読書か。好きな一節は?」と聞かれ、返した言葉
検査時、ノートンは大きなポスター(めくればそこには大きく掘られた脱獄用の穴がある)に目がいったが、 「一部例外もある」として見逃した。
ノートン「救いはこの中に」 検査が終わると、聖書をアンディへ返した
その本の中に脱獄するため穴掘りに使っていた『ロックハンマー』が入っているとも知らずに。
所長室にある、額に入れられた刺繍 『主(あるじ)の裁きは下る いずれ間もなく』
アンディにとっては 『裁きを受けるのはノートンだ』
ノートンにとっては ショーシャンク刑務所の所長として、気に入っている言葉
額の裏には、裏取引で手に入った金の、小切手(?)や帳簿を保管する金庫がある。
それぞれの思いが読み取れる
レッド/ 「何とでも言え。だがあの塀を見ろよ。 最初は憎み、次第に慣れ、長い月日の間に頼るようになる。”施設慣れ”さ。」
「終身刑は人を廃人にする刑罰だ。陰湿な方法で。」
あなたの人生のなかで、今の自分に影響を与えていたと感じるセリフを思い出しましたか?
父
母
兄弟
後輩的な人
先輩的な人
師匠的な人
出会ったこと・もの
監督がもっとも力を入れたと感じるシーン
どのシーンか?
ラスト、
どんなシーンか?
なぜそう感じたか?
アンディは事実、妻を殺していないし、愛していた。 夫婦といえど、他人。 『この人(ハドリー)は奥さんに大金を渡しても大丈夫、と信頼しているか?』 ”自分は、妻を信じていた” 自らにも言い聞かせるようなシーン。
シャバ→『塀の外』の自由な世界
アイルランド系: イングランドによる植民地支配、穀物の大凶作による飢餓……国外移住、 (レッドがカトリック教徒かどうかは不明だが) 下層労働者として働いた歴史
レッド語り:「ここに慣れるのが大変だったんだろう」 →まだこの時点では、アンディと親しくなっていない為、 単純に、 レッドにはそう見えた?
『フィガロの結婚』 フランスの劇作家が書いた風刺的な戯曲。 のちに、それをもとにモーツァルトが作曲したオペラ。 封建貴族に仕える家臣フィガロの結婚式をめぐる事件を通じて、貴族を痛烈に批判し、たびたび上演禁止に遭った。 当時ルイ16世は激昂したという。 だが、この戯曲に魅せられた人々からの 強い要請を無視できず、公演許可を出すに至った。 このような危険な作品をオペラ化し、神聖ローマ皇帝のお膝元ウィーンで上演できた理由は不明だが、ダ・ポンテの自伝によれば、彼がうまく皇帝を懐柔して許可を得たことになっている。
貴族=ノートンはじめ刑務官達、ショーシャンク刑務所 家臣フィガロ=自分達、囚人 この曲の歴史、内容、自分達が重なる部分を思い付き、アンディは流したのか?
『とても気分が良い』というような顔で終始曲を聴いている。
レッド語り/ 「美しい鳥が訪れて塀を消すかのようだった。 短い間だが、皆が自由な気分を味わった。」