1. 映画タイトル
    1. フランシスコの2人の息子
      1. 2005年に公開されたブラジル映画。(ポルトガル語)
  2. 監督
    1. ブレノ・シルヴェイラ
      1. 本作が初監督
  3. この映画のテーマ(一貫したメッセージ)
    1. 自分がなりたい、”夢”を追い続ける
    2. 豊かな暮らしへの希望を求め続ける
  4. 構成
    1. フック
      1. 『昔、僕の父は言われてた。友達や家族から。 ”現実には起こるはずのない、夢ばかり見てる奴”。”イカれてると”。 でも、逆だった。父は正しかった。』
        1. 話のラスト、音楽で成功したエミヴァルが、 冒頭で父のことを語っている。
          1. 子供の目線から見た”周りの世界”はとても狭い。 更に田舎生まれ。突飛な考えを持つ者はだいたい”頭がおかしい”と罵られてしまう。 そんな父親を、子供のミロズマルは【お父さんは変わった人なんだ】 その時はそう思っていた。
          2. のちに成功し、「音楽をやれ」と言って一生懸命応援してくれた父に感謝し、讃えている。
      2. 1962年、ブラジル・ゴイアス州、 シチオ・ノーヴォ。 片田舎で小作人として生活するフランシスコと、その妻エレナ。
        1. フランシスコは、音楽が好きだった。 ラジオを用意し、電波を受信する電線を夢中で自作した。 ラジオすらまともに聞けない田舎。
          1. エレナがそっと話しかける。 「うるさい、(やっと聴けるようになった)ラジオを聴かせろ」 愛するエレナは二の次。
        2. エレナは、ラジオを夢中で聴いているフランシスコに優しく話しかけるが、 当の本人は聞く耳を持たない。 「…妊娠したの」
          1. その一言で、二人はやっと目が合った。 フランシスコは本当に心から嬉しそうな顔でエレナを見た。
    2. 日常
      1. 一人目の赤ちゃんが産まれる。 名はミロズマル。
        1. 「あなた、赤ん坊の耳を休ませて」 一日中、夜になってもフランシスコは赤ちゃんを抱っこしながらラジオを聴いていた。 しかし愛し合う夫婦。エレナはフランシスコに優しい笑みを浮かべながら傍へ座った。
          1. 「ミロズマルは音楽が大好きなんだ」 「もう一人、男の子を産んで歌手にしよう。デュオだ。」 子供には、自分が好きな”音楽”で生きていって欲しい
          2. フランシスコは、小作人として汗水垂らして生きるよりも 音楽家として生きる方が楽しい。 そう信じていた。 人に使われながら生きる生活は辛いし、嫌だ。
      2. ラジオから『停電のお知らせ』が流れてくるが、フランシスコ達の家は電気が通っていないので関係ない。 エレナは洗濯をしたり、料理を作ったり、 フランシスコは畑を耕し、普段となんら変わりない時間を過ごす。
        1. 息子のミロズマルはラジオのチャンネルをいじったりして遊んでいる。 2人目はエミヴァルと名付けた。 そしてエレナは3人目の子を身ごもっていた。 「名はマルレーネに。」
      3. フランシスコとエレナはたくさん愛し合った。 「(4人目の子は)エマヌエル。」 5人目も身ごもる。 名はウェリントン。
      4. 6人目はヴァルテル。家で産気づき、急いで車で病院へ向かう途中で産まれる。
      5. 「デュオどころか聖歌隊が組めるわ」 沢山の子宝に恵まれた。
    3. 才能の種
      1. 1972年、ゴイアス州・ピレノポリス。
        1. "聖アナの礼拝記念"行事に家族は参加しに行った。 聖母マリアが描かれたタペストリーの前で家族写真を撮る。
          1. 会場では遊園地のような遊具が沢山設置され、ステージ上では男性デュオがギターを持ち愉快に歌っている。
          2. 「母さん、僕も出て歌うよ」 ミロズマルは父に似て音楽が好きだった。 「上手かったら褒美を。約束だ。」
          3. そしてミロズマルはステージに立ったが、声も発さず微動だにしない。 だんだんと会場がざわつく。 「歌え!」フランシスコが声をかけても動かない。
          4. やっと歌い始めたと思ったら、”ド”が付くほどの音痴。 「仕方ないわ。小鳥じゃないのよ」
          5. ♪~ 甘いキスをしたよ とろけるように甘い そんなキスを交わしてから あの娘しか目に入らない すばらしい贈り物だよ
          6. しかしミロズマルは音楽が好き。自分の精一杯を出した。
          7. 「どうだった?」 ミロズマルはキラキラした眼差しでステージから降り、お父さんに駆け寄った。 「ひどい、あれは歌じゃない」 そんな…… 褒めてもらえると思ったのに。
          8. エレナ「ご褒美をもらうといいわ」 ミロズマル「要らない」
          9. しかし、音痴の息子を見かねたフランシスコは ハーモニカを買い与えた。
          10. こんな風に練習しろ、などと 特に言うわけでもなく。
          11. エミヴァルは【お兄ちゃんかっこいい!】とそんな眼差しで見ている
      2. ミロズマルはフランシスコにハーモニカを買ってもらって以来、朝から晩まで音を鳴らしていた。
        1. 「まだ子供よ」 「一人前に育てるんだ。もし音楽でダメだったらどうなる?」 「それでもいいわ」 「一生小作人だぞ」 エレナは子供が元気に、すくすくと育ってくれればそれでよいと思っていたが、 フランシスコは息子を”音楽”で生きていかせようと本気だった。
      3. フランシスコは近隣に住む、貧しい子供達の為、借家の家の壁を壊し、学校を造ろうとしていた。
        1. 家と土地を貸しているエレナの父にとっては、勝手に壁を壊され、そこに学校を造ろうとしている。 そんなことは到底許せない。
        2. 「なぜ学校なんだ?」 エレナ「村まで遠すぎるわ」 「ここは俺の家だぞ。勉強なんかさせたらロクな者にならん」 「独り立ちさせたいの」
        3. フランシスコ「子供の将来に必要です。うちの地区は子供が多すぎて 連れてこられません。なんせ15人以上ですから」 ピレノポリス・市長へ直談判しに行った。 「教育は”義務”だとラジオで聞きましたよ」
          1. 市長を説得出来、ノートなど学習に必要なものが子供達に贈られた。
          2. 早速学校が始まり、先生も呼んで授業が始まった。 子供達は皆、真剣に取り組んでいる。
      4. 相変わらずミロズマルはひたすらハーモニカを吹いていた。 しかし一向に上手くならない。がむしゃらに吹いているだけ
        1. さすがのフランシスコも 「うるさい!朝から晩まで吹くな。もっと静かなことをしろ」 家の中で大音量で吹かれたら、たまったもんじゃない。
          1. ミロズマルは家の中から出て行ってしまった。
        2. 思わず怒鳴ってしまった。 練習はしてほしい。 しかし一向に上手くならないミロズマルにイライラしていた。
      5. フランシスコとミロズマルの間には気まずい空気が流れていた。 今日も畑を耕しているフランシスコの元へ、ミロズマルはお昼ご飯を持っていく。
        1. ハーモニカはもちろん肌身離さず持ち、吹く暇があれば練習していた。
          1. ふと、フランシスコが作業の手を止める。 ミロズマルのハーモニカが心地よく、上達していることに気づく。 フランシスコは隣でお昼ご飯を食べながら微笑んでいた。
          2. 「コツを覚えたな。次はアコーディオンをやれ。弟と組むんだ。」
      6. フランシスコは小作人でありながら、アコーディオンと 弟が使うギターを買うために 作った作物、家畜、父の形見の銃までも売ってしまった。
        1. 「頭がイカれたな」 周りからはそう見られていた。
          1. アコーディオンを受け取ったミロズマルはとても嬉しそう。 フランシスコも笑顔だ。
          2. 早速、ハーモニカからアコーディオンに楽器を持ち替え、練習が始まった。 相変わらず家の中はうるさいまま。 「父さん…」 「黙って練習させろ」
          3. 「僕には?」 エミヴァルがギターを受け取ると 「本物のサッカーボールが欲しいよ」と ちょっと不機嫌。
          4. サッカー大国ブラジルに生まれた少年は、皆サッカー選手を夢見ている。 手作り(?)のサッカーボールで毎日遊ぶ エミヴァルも例外なくその一人だった
      7. フランシスコは 家畜の雄鶏が”コケコッコー!”と高らかに、 遠くまでよく聞こえるよう 鳴いているのにピンときた
        1. 「あれをマネしろ。毎朝歌っていれば…上手くなる」 そしてそれから毎日、訳の分からないまま ミロズマルとエミヴァルは産み落とされた新鮮な生卵を丸飲みさせられた
        2. フランシスコはこの時単純に 雄鶏のように、高らかに力強い歌声の歌手になってほしいという思いで やった
      8. フランシスコの家族はお祭りへ出掛けた。
        1. そこには土地所有者のエレナのお父さんもいた。 【地区内の子供達のために、貸してやっている家を壊し、学校を造るなんて…】 「元気か?」とフランシスコに表面上の挨拶をした
        2. フランシスコの持っているアコーディオンを睨みつけ、怪訝な顔。 「どこであんな楽器を手に入れた?」 エレナ「買ったの」 「!?…ありったけの作物を手放したな。土地代も払わずに」
          1. ミロズマルはその会話を隣で聞き、(自分の家が貧しいのはよくわかっている) 家の財産を全て賭けて買ったものなのだと知る。
          2. 【そこまでして買ったものだったなんて…】
          3. エレナ「やめて」 隣にはそのアコーディオンをもらったミロズマルがいる。 子供にだってわかるような話の内容だ。聞かせたくない。
          4. 「町の連中の噂は本当だったな。フランシスコは頭がイカれちまったよ」
        3. 会場の奥からは愉快な歌が聞こえてくる。 アコーディオンを持った男が歌っている。
          1. ♪~ 今日 翼を広げて 僕は家を飛び立つ 僕の心を射止める 真の恋人を求めて 熱い思いを胸に 家族に見送られて 夢は褐色の肌の 娘との情熱的なキス 金髪娘との駆け落ちも アコーディオンよ 歌え 僕はめかし込んだのさ 栗色や金髪娘のために
          2. 「失礼。息子がアコーディオンを練習している、教えてくれ」 その男にフランシスコは頼み込むが、「バカ言え」と突っぱね返されておわり。
          3. ミロズマルは、男の演奏するアコーディオンの手の動きをじっと見て、演奏技術を盗もうと真剣なまなざし。
          4. 「ボウズ、来いよ」 演奏していた男は、その真剣なまなざしに思わず手招きしていた。 「まだ弾けないんだ」 「素晴らしい楽器だ。弾けない奴があるか。」
          5. 「一度しか教えないから、注意してよく聞くんだぞ」 ミロズマルは蛇腹の動かし方を教えてもらった。 男も、真剣に学ぶ姿に笑顔だ。 二人にとっても楽しい時間だった。
      9. お祭りの後、ミロズマルはアコーディオンに夢中だった
        1. それを見ていたエミヴァルがギターを持ってお兄ちゃんの傍へ腰かける。 一緒に練習を始めた。
          1. 『カマルゴ&カマルギーニョ』 デュオ名をお父さんに名付けられた。 鍬(くわ)をマイクに見立て、ステージで歌う際の挨拶の練習をやった。 「観客の皆様、僕たちの歌を聴いていただき…」
          2. (学校を造った際にもらったものだろうか) ノートに書かれた歌詞を見ながら二人で歌の練習。 ♪~ 僕が家を出る日 母さんは言った ”息子よ おいで” 僕の髪をなでながら じっと目を見て ”お前が どこへ行こうと 母さんの心の中にいる”
          3. ♪~ ピレノポリスは 近頃ちょっとしたもの 電気に電話 橋や歩道も出来た 市長の働きで建設ラッシュ 喜びと繁栄を運ぶよ この よい町に
          4. ネリート・ジャイミ市長が演説する会場。 二人はたくさんの観客の前で歌を披露し、拍手喝采を浴びた。 くわをマイクに見立てた練習も大成功だった。
      10. 二人が才能を開花し始めた頃、エレナのお腹には最後の7人目の子供がお腹にいた。名前は「ウェルソン」。
        1. ウェルソンは兄たちの素晴らしい歌をずっと聴いて育ってきた。 のちにミロズマルと一緒にデュオを組み、大成功をおさめる。
    4. 冒険
      1. 「おじいちゃんに金を返すチャンスだぞ」 そうフランシスコが次に挑戦したのがラジオ出演。 『豊かな富に 恵まれし国 永遠なる美しき 大自然の国 』
      2. バスでラジオ局まで向かった。 「見て、あれは何?」 「軍隊だ」「軍隊?」
        1. 「首都ブラジリアで軍と学生の衝突があった」 ラジオ局に着くと、パーソナリティがそう話していた。
          1. 『次はカマルゴ&カマルギーニョの登場です。ピレノポリスの人気カントリーデュオ。』 「オンエアの前にちょっと聴けるかな?」 パーソナリティが言う。 練習した、あの歌詞の難しい曲をアカペラで披露する。
          2. ♪~ 『豊かな富に 恵まれし国 永遠なる美しき 大自然の国 そのすばらしき国が 今 混乱の淵にある 夜も昼も苦役に あえぐ 人々の希望は どこに? 明るい歓喜の声は どこへ消えてしまったのか 永遠なれ 我が軍隊とー その”圧政”』
          3. 「ちょっと待ってくれ。 逮捕されちまう。検閲官が聞いたら終わりだ。」 フランシスコ「何が問題です?」 「ブラジルの大統領は軍人だぞ。知らないのか?」 パーソナリティ含め、観客の前で 軍政権を知らないフランシスコと息子たちは恥をかいてしまった。
          4. 息子たち「”圧政”っていい言葉で怒るなんて」
          5. 自分は学が無い小作人。 ブラジルが軍政権ということさえも知らなかった。 息子達にも恥をかかせてしまった。
      3. 「仕事に行くよ ウェリントン」 ポリオにかかってしまい、歩けなくなったウェリントンと楽しく遊ぶのが日課だった。 しかし、家族が8人もいる為、家計は厳しく、まだ幼い(小学校中学年くらい?)ウェルソンも靴磨きの仕事へ出ていた。
        1. 警備員「どこへ行く?」 ウェルソン「兄さんの歌を聴くんだ。ミロズマルさ」 「そりゃ誰だ?”ドゥドゥ&ゼゼ”だぞ」 子供は入れないぞ、と門前払いを受けたが、なんとかすり抜け会場に入ることが出来た。
          1. ♪~ いとしい人 君が必要だよ 僕は君のとりこさ 切なくて どうにかなりそうだ いとしい人 君が必要だよ 君の愛なしでは むなしいだけ 僕を愛で満たしておくれ
          2. 会場は拍手喝采。 ミロズマルはまた別の男とデュオを組み、活動していた。 ステージが終わった後、兄さんの元へ声を掛けに行く。 「なぜ”ゼゼ”なの?」 「覚えやすいからと、相棒が」 「”ゼゼ”ね…」
      4. サブトピック 5
    5. 地獄へのきっかけ
      1. フランシスコと二人の息子がラジオに出ようとしたり、音楽に夢中になっているので、本業はもちろん疎かになってしまっていた。
        1. ついに土地権を持つエレナの父から「土地を返せ」と取り立てにやってきた。 エレナ「どうしたらいいの?」
          1. 「俺を信じろ。子供の将来のためだ。」 ついに家を出ることになってしまった。
          2. フランシスコ以外、家族は皆不安の表情。
          3. 家族9人の大きな引っ越しだが、荷物はとても少ない。 荷車に荷を乗せ、途中からはバスで移動。 随分と遠くまで来た。 夜になり、街のネオンがキラキラと輝いている。ミロズマルは【見たことが無い】というような表情で窓から景色を見る。
          4. 家を出た初めは不安だったが、綺麗なネオンを見るミロズマルとエミヴァルはワクワクした表情。
          5. フランシスコもどことなく安堵した表情。
          6. 小作人として住んでいた地区は電気すら通っていなかった。
          7. フランシスコはどんなことがあろうとも夢を諦めていなかった。
      2. 「来いよ。昼飯をおごってやろう。」 演奏が終わると、2人に呼び掛けた。 ミランダは2人に投げ銭した、”いい男”を徹底的に演じていた。
        1. 2人が稼いだお金をミランダはあからさまにポケットに入れ、横奪していた。 残りの僅かな小銭しか2人には渡されなかった。
      3. (移動中の車の中) ♪~ 家のそばには もう湖ができたよ ただ1人のために 私が流した涙で ああ ピラシカーバ川よ
        1. しかし、旅は一週間で終わることは無かった。 「手紙も来ない」 「そんなもんさ、旅回りだ。」 エレナは心配が的中した。 フランシスコは【そんなもんだろう】という感じ。
          1. 両親の心配とは裏腹に、旅は順調に進んでいた。どんどんと売れっ子街道を走っていた。 沢山の観客の前で歌うことが増えていった。 車はブラジリアまで来ていた…
          2. ミランダは稼いだ金で高級車を買い、それを移動車にした。 途中何か違反し、警察に止められても、2人の歌を披露すれば見逃してもらえた。 もはや無敵状態だった。
          3. 売れっ子は忙しい。 「1時間後に下へ。いいな?」 ホテルに泊まった翌朝、 ミランダがそう言うが、エミヴァルはもう限界だった。 「いつ帰れるの?」 「着替えたよ。」 そう言って集合時現れたエミヴァルの格好はぼさぼさ頭で、服もだらしないままだった。 ミランダを睨みつける。 「それでも着替えたつもりか」 「帰りたいよ、お前は父さんじゃない!」
      4. 旅はあっという間に4カ月が経っていた。 フランシスコとエレナには連絡のひとつも無い。 「息子が消えたのよ。のんきね。」 「正気じゃないわ。」 「…息子を取り戻したい。」
        1. フランシスコは息子2人をあちこち探しまわったが、結局見つからず、家へ引き返した。 途方に暮れていた。
        2. 寂しい印象のBGM
        3. ミロズマルとエミヴァルは順調に人気者になり、沢山稼ぎをあげていた。 もちろんミランダが金を管理していた。
          1. ミランダは完全に浮かれていた。 女も作った。いちゃつく姿をエミヴァルは見ていた。
      5. 息子達はどこへ行ってしまったのだろう… 寂しい食卓を囲んでいると、『プップー』と車のクラクションが外からうるさく聞こえる
        1. 急いで外へ出てみると、息子達が帰ってきた。 ミランダは旅を出発した時に比べ、とても派手な装いになっていた。 「フランシスコ、元気か?」 「旅回りは終わりだ。」 「楽しかったはずだぞ。彼に聞いてくれ、私と旅を続けたいか」 ミロズマル「予定もあるし、荷物も…」 「中に入れ、行くなら二度と戻るな!」 「二度と来るな!」 フランシスコは怒鳴り散らし、ミランダを追い返した。
      6. 『メトロポリターナ・ラジオ局』 第1回 カントリー・デュオ・コンテストへ出るため、フランシスコと2人の息子はラジオ局の前で、 暑い中行列に並んでいた。
        1. 「やあ元気か。久しぶり」 先頭の入り口付近でラジオ局の人間と顔見知りの男が話している。 よく見るとミランダだった。 「この子はゼニート。すばらしい声をしている。ゴイアニアの小鳥さ、よろしく」
          1. ミランダは他の子供をエサにまた金を稼ごうとしていた。 フランシスコは呆れ顔。
          2. 「今日は時間切れだ。」 「朝から並んでんだぞこの野郎!」 先程局の中へ入っていった子を優先され、並んでる自分達や他の参加者たちは帰される。
          3. ミランダが側まで近寄ってきた。 「私が悪かった。許してくれ」 「事務所を開いて1年になるが、この2人ほど、才能のある子はいない」 「私の名刺だ。急がない、考えてくれ。2人の将来を」 名刺を取り、何も言い返さず、フランシスコと息子たちはその場を去った。
          4. この時点で、ミロズマル・エミヴァルと旅をしてから1年ほど時が経過している。
      7. 「ミランダに会った」 フランシスコは家に帰るとエレナに話した。 「謝ってたよ。まだ2人には芽が…」 「いやよ」 「じゃあ掃除人になれと? それでいいなら息子にそう言え」
        1. フランシスコは”夢”をもちろん諦めていないので、ラジオ局のコンテストへも2人を連れて行った。 一度息子達を誘拐したのかと疑うくらいの期間、連れまわした男だ。 半信半疑だったと思う。だが、今、 夢を追えることの出来る道があるのはミランダだと、そう思っての発言だった?
      8. 「どれがあなた?」 フランシスコとエレナはミランダの事務所へ行った。 「ここに写ってる。ひげはまだない。」 取材を受けた雑誌を2人に見せながら説明する。
        1. 「やっぱりイヤだわ」 エレナがぼそっと言う。 「奥さん、約束します。今度は毎週連絡を入れると」 「以前の過ちは許すけど、二度と信じないわ」 「私は生まれ変わった。どうか私にチャンスを。息子さんにもチャンスを。」
          1. 『デイビー&ジェーベルソン』 ミランダは新しい2人のデュオ名も考えていた。
          2. 「上手くいくわ。彼は変わったの。」 家へ帰り、旅の荷造りをしていた。 エミヴァルへ、エレナが話す。 「いい暮らしをするの」 そう言いながらも、やはり不安そうな表情。
          3. 「二度と信じない」 大事な息子を、どこにいるかも分からず数カ月の間連れまわしたのだ。 ミランダがどう言おうと到底信じられない。 【また旅に出すなんて、本当はしたくない】 【でも生活するのにはこの方法しかないのかしら】 気持ちが揺らぐ。
      9. サブトピック 9
      10. サブトピック 10
      11. サブトピック 11
    6. 地獄
      1. 引っ越し先は、ゴイアス州 ゴイアニア。
        1. バスターミナルに着くが 「みんないる?」 「泣かないで」 「離れるなよ」
          1. そこは人でごった返していた。 ベンチに窮屈そうに横になる人や、 軍人が民間人を制圧していたり、 治安が良い場所とは言えなかった。 それは子供のミロズマルが見ても『危ない場所』と分かった。 小さな弟たちもぎゃーぎゃー泣いている。
          2. そんな中、ギターとアコーディオンを持ち、帽子を投げ銭入れにして、男性デュオが歌っている姿があった。
          3. ミロズマルはしっかりと見ていた。
          4. フランシスコ「みんな用心しろ。行くぞ。」 エレナもとても不安そうな顔。
      2. 土砂降りの雨の中、引っ越す家までやってきた。 しかし外観はぼろぼろ。 そこらじゅうにガラクタも置き去りにされている。 中へ入っても壁はボロボロ、雨漏りまでしている。
        1. 「見ろよ、電気だ」 しかし、電気は通っていた。 以前の家は電気が無かった。 フランシスコはスイッチを入れたり、消したりする。 何故か家族は、明るいフランシスコにつられて笑顔になっていた。
      3. 引っ越してきた先の地区は軍隊の制圧が大きい所だった。 普段と変わらずミロズマルがフランシスコの元へお昼ご飯を届けに行く道中には、軍隊の行進が行われていた。
        1. 「この塗り方はなんだ。ちゃんとやらないと給料は出さんぞ。」 フランシスコは新しく左官の仕事に就いていた。 しかし慣れない仕事。 上司から散々言われる。
          1. 【これじゃ小作人の時と似たようなもんだ】
      4. 息子(名前は出ていない)がポリオと宣告されてしまった。「一生歩けません。」 治す術が無い。
        1. 引っ越した家はボロボロ。息子はポリオと診断されてしまった。 悲しみに明け暮れる。
        2. 衛生的にも良いとは言い難い家の環境だった。 床は砂が敷き詰められているだけ。 その上に布団を敷き、ただ屋根がついている、 感染症にかかってもおかしくはない。
      5. 「土砂降りよ。二人とも何処へ行っていたの?頼んだ買い物は?」 「お店の人が、ツケじゃ売れないって」 「心配ないわ。父さんが行って話すから。」
        1. 娘「お腹すいた」 遂にお金も底をつき始め、食べ物さえも食べれない日々が始まっていた。
          1. 「寝てれば感じないわ」 そう言って娘をなだめる。 母としては心が痛い。
          2. 思わず赤子を抱きかかえ、子供達に見えないよう、耐えきれず部屋の隅で泣いてしまった。 しかし子供達は察していた。
          3. 家はボロボロだし、部屋も大家族で住むのにはとても狭かった。 隣でミロズマルは【何とか僕にできないか?】と考えているような表情だった。
          4. 「エミヴァル、一緒に来てくれ。いいから来いよ。」 アコーディオンとギターを持って向かった先は、バスターミナル。 相変わらず人でごった返しており、以前引っ越してきた時に見たおじさんのデュオもいた。
          5. 「ボウズ、商売のジャマだ」 ターミナル内の店主に突っ返され、ベンチにしょぼんと座り込む。 「そいつを弾けるのかい?」 見知らぬおじさんに声を掛けられる。 おもむろに弾き始めた…
          6. ♪~ 僕が家を出る日 母さんは言った ”息子よ おいで” 僕の髪をなでながら じっと目を見て ”お前が どこへ行こうと 母さんの心の中にいる” ”毎日 神に祈っているわ” ”お前の道を照らしてと” 母さんには分からない 僕が家を出る理由 でも知ってるんだ いつか息子は 鳥になって飛び立つと 家を去るのは 辛いけど 僕の運命が決めたこと 戸口で僕を見送る 母さんは泣いていた あの日 母さんは 世の中のことを説いた まるで自分が経験したかのように 田舎町で 父さんのそばで生きてきた 母さんの口癖は ”神の恵みあれ” ”世界は お前のもの” 母さんには分からない 僕が家を出る理由 でも知ってるんだ いつか息子は 鳥になって飛び立つと 家を去るのは 辛いけど 僕の運命が決めたことー-----
          7. 歌って、投げ銭を入れてもらえた。 家に帰り、「父さん、お金だ」 【家の為に、お金を稼げた】 買い物も堂々と出来た。
          8. 後日、フランシスコが見守る中、バスターミナルで2人は歌った。 周りには人だかりができる程注目を浴びていた。 フランシスコは【この息子達なら出来る】 そんな確信した表情で見守っていた。
          9. 土砂降りの中、不安だらけで降り立った場所。 その場所が『一筋の希望』の場所となった
          10. この時もまだ雨の描写
      6. 「次は雪辱戦だからな」 3人の旅は楽しく、順調だった。 しかし、2度目の旅が上手くいっていた矢先、 夜の車での移動中、正面からトラックと衝突した
        1. 一瞬の出来事だった。 エミヴァルの顔が一瞬映る。
          1. ミロズマルが目が覚めると、目の前にはミランダが座っていた。 「何があったの?」 「トラックと衝突した」 幸い2人は命に別状は無かった。 ミロズマルはミランダから「エミヴァルは家に帰ったよ」と教えられ、 先に帰ったのか、と顔が見れていない不安を残しつつ、ミランダと家に帰る。
          2. 家に着くとフランシスコが出迎えてくれた。 「僕は大丈夫だよ。エミヴァルは?」 「弟か?教えてやる」 そういうと、車のトランクには白い棺があった。 ミロズマルは不安な予感が当たってしまった。エミヴァルは帰らぬ人となってしまった。
      7. 「こんなことになるとは、夢にも…」 すっかり気力を失ってしまったフランシスコとエレナ。
        1. エレナ「間違っていた。努力したけれど」
        2. 本当に間違っていたのだろうか? この時は悲しみで先が何も見えなかった。
          1. ミロズマルはアコーディオンのケースを開けることさえ出来なかった。 中に入っているエミヴァルと写っているポスターや、アコーディオンを見れなかった。
          2. 「売って」 ミロズマルはフランシスコにアコーディオンを渡す。 「母さんにテレビを」
      8. ミロズマル自身もレコード店へ行き「ゼゼ・ヂ・カマルゴは?」と実際に店頭にあるか見に行く。
        1. 「無いわ。誰です?」 ジルーとミロズマルはなぜ?という表情で顔を見合わせる。 「カントリー(セルタネージョ)の…」 「あれね。まるで売れなかったわ。」 「カントリーなら1番は”レアンドロ&レオナルド”。ご存じ?」 「100万枚以上売れているわ。今かかっている曲は彼らの『孤独』。」 「作曲はゼゼ・ヂ・カマルゴだ」
          1. 「僕の曲は他人が歌うとヒットする。」 自分の歌声は世間に響かない… 何故なんだろう。自問自答する日々。
          2. ジルーも生活の為、結婚後も仕事をしていた(アクセサリーを作る仕事?)。 ミロズマルがギターを抱えながら悩んでいる時、ガサゴソと大きな音を出して準備している。 ジルーはただ心配しているだけ。 「仕事の時間よ。行ってくるわ。」 ミロズマルは鬱陶しい、というような表情。
          3. 一家の大黒柱なのに…。 ミロズマルは「職探しだ。もう限界だよ。」と言ってワイシャツを整える。
          4. 「あなたの仕事は音楽よ」 ジルーは生活が苦しくても、ミロズマルには音楽をやってほしいと思っていた。 「音楽じゃ食えない。じき飢え死にだ。」 そんなこと、ミロズマルが一番思っていることであっただろう。 思わず大きな声を、娘たちの前で出してしまう。 「もう少しの辛抱よ」 「娘を養わないと。父さんが悪いんだ。音楽でなんて食えない、絶対に。」
          5. ミロズマルは葛藤していた。 音楽をやりたい。けど生活していかなければならない。 最後には父さんのせいにしてしまった。 自分は最低だ…。
          6. 女性が描く『現実』
      9. 「ヒット曲が無いと売れないからなぁ」 レコード会社と契約が決まったのに、まるで”レコードなんて出さない”といびられているようだった。
      10. サブトピック 11
      11. サブトピック 12
      12. サブトピック 13
    7. 天国へのきっかけ
      1. 「もう一度、名前を」 バスターミナルで歌っていると 見知らぬおじさんが声をかけてきた。サングラス、高そうなアクセサリー… お金持ちそうな雰囲気。
        1. ミランダという男に会った。 エージェントで、カントリー・デュオ専門とのこと。 彼は「あの二人は当たる。間違いない。」
          1. バスターミナルで意気投合したミランダをフランシスコは家へ招き、エレナに紹介した。 「あの子たちは必ず成功するそうだ。」 「息子さんはセラード(農村地帯)のツグミ鳥。」 「2人を連れて国中を回って、面倒も見てくれる。有名になるぞ。」 「才能のムダです。2人は国中で輝くべきだ。」
          2. ミランダの明るい話しぶりに、半信半疑だがエレナは【有名になって、お金を稼ぐことが出来るのなら】 少しだけ笑顔を見せた。
      2. 移動用のトラックや機材など必要な物を用意してくれ、ミランダと旅に出ることになった。
        1. だが、エレナはやはり心配だった。 会ったばかりの見ず知らずの男に、大事な息子達を預けるなんて…。 エミヴァルも不安なのかエレナの腕を離さなかった。 「行きたくないよ。」
          1. 「大丈夫、来週には戻るから。ご心配なく。神は私たちの味方です。」 エミヴァルもフランシスコに促され、渋々車へ乗った。 「行きたくないよ。」 「いい加減にしろ。」 車は2人を乗せ、出発した。
          2. 「早く練習しろよ。”ジェカの悲しみ”だ。」 車はずいぶんと遠くまで来た。 ミロズマル「腹ペコだ。」 ミランダは”子守”に対しては無関心のよう。 2人は少し疑心暗鬼になっていた。
          3. 旅先の中継点、ラジオランジア。 「降りろ、ここで歌うんだ。早く。」 ここのレストランで歌を披露する。
          4. ♪~ 甘いキスを交わしてから あの娘しか目に入らない すばらしい贈り物だよ あの娘が届けてくれた 強く抱きしめれば 2人の吐息 永遠の愛 強く抱きしめれば 2人の吐息 永遠の愛ー---
          5. ミランダ「なんて感動的な歌だ。その子たちに拍手を」と大げさに演技する。 「歌ってくれ。”ジェカの悲しみ”を。」
          6. ♪~ この素朴な詩に込めて歌うよ わが美しき恋人よ 君に聞いてほしくて歌う 僕の苦しみや痛みを 僕はツグミ鳥のようだよ 止まり木で さえずる 悲しげな声で ヴィオラに乗せて 心の叫びを歌に託せば 嘆きの一つ一つが 切なる思いとなるよ 僕が生まれたのは丘の上 とても粗末な あばら屋だった 穴だらけの屋根からは 月光が差し込んでいた 夜が来ると いつもー-----
          7. 「私の物語だ。」といってミランダは感動して泣いているかのように装い、一番初めに投げ銭した”イイ男”を演じた。
          8. それに続き、周りの大人たちも続いて投げ銭してきた。
          9. レストランで食事する客はこちらに見向きもしない。 2人は不安だった。ミランダをちらちら見るが、『ほら歌い続けろ』という素振りをする。
      3. ミランダと2度目の旅に出ることになった。
        1. 「ホテルは朝食付きの三ツ星だ」 「(荷物を)持ってやろう」 1度目の時とは態度がまるで違う。改心したのだろうか。 2人は思わず顔を見合わせる。
          1. 新しくかっこいいポスターも作った。
          2. 電話もさせてもらえた。 「母さん、元気? エミヴァルがキスをと」 エレナもミロズマルも、笑顔が溢れる。
          3. ミランダに遊園地にも連れて行ってもらえた。 観覧車、動物、屋台で好きなものも食べた。
          4. フェスティバルのような、大観衆の前で歌うような人気者になっていた。 まさに絶好調だった。
          5. ミロズマルは思い付き、的屋である景品をこっそり狙っていた。 「エミヴァル!目をつむって!」 そう手に渡したのは、本物のサッカーボール。 「本物のサッカーボールだ!」 「ゴーー--ル!」 ボールはミランダの食事していた皿に命中。 この野郎!と怒りながらも、楽しんでいる気持ちの方が上回っているような感じ。 一緒になってサッカーを3人で始めた。 それは、1度目とは大違いで、 楽しい時間だった。
          6. (BGM♪~ 大人になったミロズマルの歌声?) 今日 翼を広げて 僕は家を飛び立つ 僕の心を射止める 真の恋人を求めて 熱い思いを胸に 家族に見送られて 夢は褐色の肌の 娘との情熱的なキス 金髪娘との駆け落ちも アコーディオンよ 歌え 僕はめかし込んだのさ 栗色や金髪娘のために
      4. それからしばらく月日が経つ。 ミロズマルは音楽に触れなくなってしまった。 お父さんの左官の仕事を手伝うようにもなった。
        1. いつもの食卓の風景。 ふとアコーディオンの音色がミロズマルの部屋から聞こえてきた。
        2. アコーディオンは赤色から緑色になっていた
          1. ミロズマルはすでに20代前後くらいの年齢になっていた。
          2. 「リハーサルへ」 ウェルソン「僕も連れてって」 「行ってきます」
          3. ♪~(ウェルソン) いとしい人 君が必要だよ 僕は君のとりこさ 切なくて どうにかなりそうだ
          4. フランシスコ「ウェルソン、早く寝ろ」 ウェルソンは洗面台にある櫛をマイクに見立てて歌ってみた。 一番上の兄さんがかっこよく歌っている姿にあこがれていたのだ。
          5. この時、ミロズマルは音楽をやることを再開していた
      5. 「私の仕事仲間のジルーよ」 ステージでの演奏が終わった後、友人から紹介をうけた。 この時がミロズマルとジルーとの初めての出会い。
        1. お互い一目惚れだった。 ジルーは彼氏がいたが、すでに心はミロズマルへと向いていた。 ミロズマルもジルーを思わず目で追っていた。
          1. ミロズマルはウェルソンを帰りのバスまで送った後、ジルーのもとへ。 「座っていい?」 「あなたはジョゼね?」 「ミロズマル。本名はね。今はゼゼだ。」 「彼氏は?」 「別れたわ」 二人は結ばれることとなったが… 一緒に踊り、キスを交わしたが、ジルーは混乱しびっくりしてそのまま帰ってしまった。
          2. ジルーが気になって仕方がない。 後日、彼女が働いている店を訪ねに行った。 ジルーもどんな顔をして会えばよいのかと、そんな表情。 「それで、ご希望は?」 「買い物じゃない。君に会いに来た。君が忘れられない。」
          3. 4カ月続いたコンテストの優勝者が発表される。 この時、ジルーも会場へ来ていた。 「優勝は…”ドゥドゥ&ゼゼ”!」 会場は歓喜の渦。 フランシスコや家族も来てくれていた。
          4. この時、ミロズマルとジルーは無事付き合っていた。
          5. ♪~ 君に言いたいのさ もう愛してないと 君との恋は 人生の過ちだったと でも それは偽りだよ 唇は君のキスに 焦がれてやまぬ 一瞬でいい 君を忘れたいのに 心は君の面影で はちきれそう 忘れるべきだと 言い聞かせるほど 想いは募るばかり
          6. ミロズマルとジルーは結婚。 2人の間には長女、このころ次女が生まれ、ウェルソンも大学生(?)ほどに成長した。
        2. 「まっすぐ帰れよ」 「今度ショーを見に来る」 「ショーを?お前には早いよ」
      6. 「いつ戻るの?」 「すぐだよ」 「サンパウロは大都会よ」 「レコードを出すチャンスだ」 ジルーと子供達を残し、サンパウロへ向かった。
        1. 「”レアンドロ&レオナルド”だ」 「レコードは1カ月で店に並ぶ」 契約書にサインをし、順調に思えた。 ジルーと娘2人もサンパウロへ来てくれた。
      7. 一方、ウェルソンは日中~夜にかけ、ハンモックの布を売りに出ていた。 「何時だと思ってる?ホテルじゃないぞ」 「実は…僕…歌ってるんだ」 「歌ってる?」 「クラブで」
        1. ハンモックの布を売り、稼いだお金で兄さんのレコードを買った。 ”ゼゼ・ヂ・カマルゴ” 「おい、ウェルソン。他のを聴け」 「でも兄さんのだ」 このセリフから、レコードはあまり売れていないのが分かった。 それでもウェルソンは大好きな兄さんのレコードを買った。 「かっこいい!フフフ♪~」
          1. サブトピック 1
      8. ミロズマルが音楽で食っていけるのか…と葛藤している時、 実家ではフランシスコがこっそりとウェルソンへギターをプレゼントしていた。 ”クラブで歌っている”と聞いたからだ。
        1. フランシスコは、音楽が好きな子供達には音楽を貫き通してほしかった。
        2. 「父さんの気持ちよ。ミロズマルにもあなたが歌ってると連絡を」 エレナはそう言って、もらったギターを抱えるウェルソンに笑顔を向ける。
          1. だがウェルソンは苦笑い。
          2. 早速ウェルソンはミロズマルの家族の元へ行った。 「やっと来てくれたのね。」 「会いたかった。」 「よく来たな。」
          3. 「2人で組めば100万枚の大ヒットだ」 (ウェルソンはミロズマルが上手くいっていないことを知っていた) 「迷わないで。上手くいくよ。自信があるんだ。」 根拠は無いに等しかったが、ウェルソンの夢にあふれた眼差しに、忘れかけていたものを 思い出させてくれたような気がした。
      9. 「練習だ」 そう言ってミロズマルはウェルソンにギターを持たせる。 だが一向に弾こうとしない。 「弾けないんだ。夜、出掛ける口実だった。」
        1. 「気にするな。歌が歌えればいい。」 兄さんにばれてしまった。けど笑顔で受け止めてくれた。 「ああ、デビューはすぐだ」 二人でデュオ名を考えた。 『ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ』
          1. ミロズマルとウェルソンは練習を繰り返した。 ギターを使ったり、ヘッドホンをつけて大音量で歌ってみたり。 うるさくて娘たちは耳を塞ぎ、ジルーは心配そうな顔。 まるでミロズマルが必死に毎日練習していた幼少期のよう。
          2. 練習し、”ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ”はなんとかデュオとして完成した。 録音したカセットテープをレコード会社へ売り込みに行く。
          3. 結果、なんとコパカバーナ・レコード社との契約を取れた。 ジルーとともにはしゃぎ喜んだ。
          4. ついにスタジオでのレコーディング。 ミロズマルが終わり、次はウェルソンの番。 「エミヴァル、僕を守って。」 ウェルソンは初めての事。 とても緊張していた。
          5. 「いい声だな。だがアルバムにはパンチが足りない。ヒット曲が無いと競争が厳しいからな。」 (プロデューサー?から)嫌味のような現実を突きつけられる。
          6. だがミロズマルは一度失敗を味わっている。 諦めはしなかった。
        2. ”音楽”で生きていくこと自体を否定してしまっていた、自己嫌悪?、 ウェルソンを見て、そんな考え込んでしまっていた自分が馬鹿々々しくなったのかもしれない。
      10. ミロズマルは必死に曲を作っていた。 もう失敗は出来ない。 ペンを走らせ、走らせ…。 ギターで音を鳴らしてみる。
        1. しかし隣の部屋でジルーと仕事仲間達が楽しそうにわいわい話しながら仕事をしていた。 ミロズマルは集中したいのに…気になってイライラ
          1. 『ヒット曲が無いと…』 『競争が厳しいからな…』 ジルー達の会話も助長して、先日レコーディングの時言われた言葉が頭の中でリフレインする。 頭を抱えた。
          2. 「静かにしろ!」 思わず怒鳴ってしまった。 「仕事しているのよ」 「うるさくて頭がイカれる!」
          3. ジルーの仕事仲間は気まずくなり帰ってしまった。 「食べるためなのよ」
          4. ♪~ 打ち消せないよ 君への熱い思い 会いたい気持ち 打ち消せない 君がいなければ 寂しいだけの世界 君は幸せを運ぶ鳥 打ち消せない 打ち消せないよ 君は僕の 愛しい人 僕だけの ささやかな天国 決して打ち消せない 愛する人よ 君こそ生きる喜び 僕だけのステキな夢物語 生きるために どうしても必要なもの 水晶のように 透明な心で君を愛そう 向こう見ずで クレイジーで気楽 複雑過ぎて 理解できないもの エ・オ・アモール(それが恋)…
          5. 新曲の歌詞の一部。 エミヴァルへ? ”音楽”へ? 音楽をしたい、自分へむけて?
          6. 夜街を散歩してアイディアをぼうっと探してみたり、 机に向かって一生懸命ペンを走らせたり… ジルーは苦悩している姿を全て見ていた。
          7. ウェルソン「もう寝よう。明日もスタジオだ。」
          8. 生活が苦しいこと、それでも音楽がやりたいこと、いい曲は作れているはず…。 ジルーも、ミロズマルは音楽を仕事にするべき人、と応援したい気持ち。 二人とも気まずくなってしまった。
      11. 翌日、スタジオでレコーディングを行っていた。
        1. 「もう少しでレコードが出せるよ」 「どうかな、録音と発売は別だからな」 意地悪なプロデューサーが言う。 「録音の約束は果たしてる。それで十分だ。」
          1. プロデューサーはそもそもレコードを出す気が無いような発言。
      12. ミロズマル、ウェルソン、ジルーと娘たちは、 新曲を録音したカセットテープを持って 実家があるゴイアニア行きのバスへ乗っていた。
        1. 「発売出来る?」 ウェルソンがミロズマルへ聞くが、返事ができない
          1. (♪~ 僕の心の真ん中を 射抜いたよ) 実家に着き、フランシスコやみんなに聴いてもらった。 「大したもんだ。」 「ウェルソン、いつ歌い方を覚えたの?」 とても喜んでもらえた。だが 「発売はいつだ?」 答えられない。 「会社側がまだ決めてないんだ」 ミロズマルの発言する雰囲気に、フランシスコもなんとなく察した。 あともう少しなのに…
          2. 後日。 エレナが家へ帰ると、フランシスコはミロズマルが出したレコードをじっと眺めていた。
          3. 「俺たちはどこで夢を間違った?」 「私にはわからないわ。あなたの夢よ。私は子育てをしたわ。」
          4. そんな時、ラジオから聞こえてきた。 「テラ・ラジオが送るヒット曲 リクエストの受付はー--お電話ください カントリー・ヒット・トップ10ー---」
          5. これだ。 フランシスコは思い付いた。
          6. そう、エレナはフランシスコを信じて、一生懸命子育てをしてきただけ。 ジルーも例外ではない。
      13. すぐにフランシスコは行動に出た。 ラジオ局に直接ミロズマルとウェルソンの曲を売り込みに行ったのだ。 「すばらしい曲を持ってきた。かけてくれ。」
        1. ラジオ局にもリクエストの電話をかけた。 「ずっと話し中でようやく繋がったよ」 「リクエストは?」 「エ・オ・アモール。ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ。それだ、かけてくれ。 名前?ピリスだ、ピリス。」
        2. 同じ名前で何度もリクエストは出来ないので、周りにあった店の名前をとっさに出したり、 うまいこと色んな名前を出し、公衆電話からひたすらかけた。
          1. 電話の順番待ちをしている人にもお構いなし。 ついには後ろの人に 「ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの曲をかけて」と 協力してもらう有り様。
          2. 声色を変えたりして何度も、何度も、かけ続けた。 フランシスコは楽しそうだった。 沢山リクエストが入れば、ラジオ局だってかけないとはなるまい。
      14. サブトピック 15
      15. サブトピック 16
      16. フランシスコが持っている資金を全て電話用コインに変え、ラジオ局へ「ゼゼ・チ・カマルゴ&ルシアーノの曲をリクエストするよ」と 何度も何度も、偽名を使って電話をかけた。 職場の仲間にも協力して欲しいと頼み込み、時には公衆電話の順番待ちをしている後ろの人にまでリクエストさせた。
    8. 天国
      1. 父のおかげで「ゼゼ・チ・カマルゴ&ルシアーノ、~」 ラジオにミロズマルとウェルソンの歌が流れた。
        1. サブトピック 1
    9. 価値観
  5. このストーリーのなかで、仕込まれていた
    1. 「仕組み」は?
      1. 日常のシーン
        1. 暮らしは裕福とは言えないけれど、幸せな日々。フランシスコとエレナ、まだ幼い頃の子供達が家族で食卓を囲む。 描かれるシーンは まるで”ラジオから流れてくる映像”のような演出。
        2. ここまでの日常のシーンは回想のような、 ↑上記、まるで”ラジオから流れてくる映像”のような演出。 ここで一区切り、映画のタイトルが暗転し出てくる。
      2. ”小鳥”
        1. やっと歌い始めたと思ったら、”ド”が付くほどの音痴。 「仕方ないわ。小鳥じゃないのよ」
          1. 「どうだった?」 ミロズマルはキラキラした眼差しでステージから降り、お父さんに駆け寄った。 「ひどい、あれは歌じゃない」 そんな…… 褒めてもらえると思ったのに。
          2. しかし、音痴の息子を見かねたフランシスコは ハーモニカを買い与えた。
          3. サブトピック 1
        2. 「あれをマネしろ。毎朝歌っていれば…上手くなる」 そしてそれから毎日、訳の分からないまま ミロズマルとエミヴァルは産み落とされた新鮮な生卵を丸飲みさせられた
        3. バスターミナルで意気投合したミランダをフランシスコは家へ招き、エレナに紹介した。 「あの子たちは必ず成功するそうだ。」 「息子さんはセラード(農村地帯)のツグミ鳥。」 「2人を連れて国中を回って、面倒も見てくれる。有名になるぞ。」 「才能のムダです。2人は国中で輝くべきだ。」
        4. ♪~ この素朴な詩に込めて歌うよ わが美しき恋人よ 君に聞いてほしくて歌う 僕の苦しみや痛みを 僕はツグミ鳥のようだよ 止まり木で さえずる 悲しげな声で ヴィオラに乗せて 心の叫びを歌に託せば 嘆きの一つ一つが 切なる思いとなるよ 僕が生まれたのは丘の上 とても粗末な あばら屋だった 穴だらけの屋根からは 月光が差し込んでいた 夜が来ると いつもー-----
          1. ミランダとの1回目の旅の時に歌った曲だが、内容は本当に実際のミランダの人生とリンクしていたのかもしれない。 ・貧しい家に生まれたこと。 ・2人がどんどん稼いでくると、女も出来た。『わが美しき恋人よ』 のちに図々しいミランダを描写する意味合いも含む歌詞の内容。
        5. ♪~ 打ち消せないよ 君への熱い思い 会いたい気持ち 打ち消せない 君がいなければ 寂しいだけの世界 君は幸せを運ぶ鳥 打ち消せない 打ち消せないよ 君は僕の 愛しい人 僕だけの ささやかな天国 決して打ち消せない 愛する人よ 君こそ生きる喜び 僕だけのステキな夢物語 生きるために どうしても必要なもの 水晶のように 透明な心で君を愛そう 向こう見ずで クレイジーで気楽 複雑過ぎて 理解できないもの エ・オ・アモール(それが恋)…
        6. サブトピック 7
        7. サブトピック 8
      3. ラジオ
        1. フランシスコは、音楽が好きだった。 ラジオを用意し、電波を受信する電線を夢中で自作した。 ラジオすらまともに聞けない田舎。
          1. エレナがそっと話しかける。 「うるさい、(やっと聴けるようになった)ラジオを聴かせろ」 愛するエレナは二の次。
        2. 「あなた、赤ん坊の耳を休ませて」 一日中、夜になってもフランシスコは赤ちゃんを抱っこしながらラジオを聴いていた。 しかし愛し合う夫婦。エレナはフランシスコに優しい笑みを浮かべながら傍へ座った。
        3. サブトピック 2
        4. サブトピック 3
        5. サブトピック 4
      4. フランシスコは、音楽が好きだった。 ラジオを用意し、電波を受信する電線を夢中で自作した。 ラジオすらまともに聞けない田舎。
      5. 「ミロズマルは音楽が大好きなんだ」 「もう一人、男の子を産んで歌手にしよう。デュオだ。」 子供には、自分が好きな”音楽”で生きていって欲しい
      6. ♪~ 今日 翼を広げて 僕は家を飛び立つ 僕の心を射止める 真の恋人を求めて 熱い思いを胸に 家族に見送られて 夢は褐色の肌の 娘との情熱的なキス 金髪娘との駆け落ちも アコーディオンよ 歌え 僕はめかし込んだのさ 栗色や金髪娘のために
        1. ミロズマルが初めて、 音楽で仕事をしている男がアコーディオンを使って演奏しているのを見たとき
        2. ミランダと2度目の旅に出ることになった。
        3. サブトピック 3
        4. サブトピック 4
      7. (学校を造った際にもらったものだろうか) ノートに書かれた歌詞を見ながら二人で歌の練習。 ♪~ 僕が家を出る日 母さんは言った ”息子よ おいで” 僕の髪をなでながら じっと目を見て ”お前が どこへ行こうと 母さんの心の中にいる”
        1. お祭りでアコーディオンを弾いていたおじさんに教えてもらい、 エミヴァルと初めて一緒に歌と楽器の練習をしたとき
        2. バスターミナルで歌うとき
          1. 土砂降りの中、不安だらけで降り立った場所。 その場所が『一筋の希望』の場所となった
          2. バスターミナル=怖い場所 →バスターミナル=希望の場所へと変わった
        3. サブトピック 3
      8. 『現実』=お話に出てくる女性が、夢を描くシーンとは反対に、今起こっている”現実”を語っている。
        1. やっと歌い始めたと思ったら、”ド”が付くほどの音痴。 「仕方ないわ。小鳥じゃないのよ」
        2. 娘「お腹すいた」 遂にお金も底をつき始め、食べ物さえも食べれない日々が始まっていた。
        3. だが、エレナはやはり心配だった。 会ったばかりの見ず知らずの男に、大事な息子達を預けるなんて…。 エミヴァルも不安なのかエレナの腕を離さなかった。
        4. ジルーも生活の為、結婚後も仕事をしていた(アクセサリーを作る仕事?)。 ミロズマルがギターを抱えながら悩んでいる時、ガサゴソと大きな音を出して準備している。 ジルーはただ心配しているだけ。 「仕事の時間よ。行ってくるわ。」 ミロズマルは鬱陶しい、というような表情。
        5. ジルーの仕事仲間は気まずくなり帰ってしまった。 「食べるためなのよ」
        6. 「俺たちはどこで夢を間違った?」 「私にはわからないわ。あなたの夢よ。私は子育てをしたわ。」
          1. そう、エレナはフランシスコを信じて、一生懸命子育てをしてきただけ。 ジルーも例外ではない。
        7. サブトピック 7
        8. サブトピック 8
      9. (移動中の車の中) ♪~ 家のそばには もう湖ができたよ ただ1人のために 私が流した涙で ああ ピラシカーバ川よ
        1. 2人の息子の気持ち、エレナの気持ち、 それぞれをうつすような歌。
      10. それからしばらく月日が経つ。 ミロズマルは音楽に触れなくなってしまった。 お父さんの左官の仕事を手伝うようにもなった。
        1. いつもの食卓の風景。 ふとアコーディオンの音色がミロズマルの部屋から聞こえてきた。
        2. アコーディオンは赤色から緑色になっていた
      11. 会場は拍手喝采。 ミロズマルはまた別の男とデュオを組み、活動していた。 ステージが終わった後、兄さんの元へ声を掛けに行く。 「なぜ”ゼゼ”なの?」 「覚えやすいからと、相棒が」 「”ゼゼ”ね…」
        1. 「気にするな。歌が歌えればいい。」 兄さんにばれてしまった。けど笑顔で受け止めてくれた。
        2. ”音楽”で生きていくこと自体を否定してしまっていた、自己嫌悪?、 ウェルソンを見て、そんな考え込んでしまっていた自分が馬鹿々々しくなったのかもしれない。
      12. ミロズマルはフランシスコにハーモニカを買ってもらって以来、朝から晩まで音を鳴らしていた。
        1. ミロズマルとウェルソンは練習を繰り返した。 ギターを使ったり、ヘッドホンをつけて大音量で歌ってみたり。 うるさくて娘たちは耳を塞ぐ。 まるでミロズマルが必死に毎日練習していた幼少期のよう。
      13. 一方、ウェルソンは日中~夜にかけ、ハンモックの布を売りに出ていた。 「何時だと思ってる?ホテルじゃないぞ」 「実は…僕…歌ってるんだ」 「歌ってる?」 「クラブで」
        1. ミロズマルが音楽で食っていけるのか…と葛藤している時、 実家ではフランシスコがこっそりとウェルソンへギターをプレゼントしていた。 ”クラブで歌っている”と聞いたからだ。
      14. サブトピック 13
    2. 「理由のトリガー」は?
      1. やっと歌い始めたと思ったら、”ド”が付くほどの音痴。 「仕方ないわ。小鳥じゃないのよ」
        1. この、初めてミロズマルが歌うシーンで もし音痴ではなく歌が上手かったら 困難は描かれず、スター街道まっしぐらの、また違うお話の構成だったかもしれない。
          1. 共感も生まれにくい?
      2. フランシスコは近隣に住む、貧しい子供達の為、借家の家の壁を壊し、学校を造ろうとしていた。
        1. 「ちょっと待ってくれ。 逮捕されちまう。検閲官が聞いたら終わりだ。」 フランシスコ「何が問題です?」 「ブラジルの大統領は軍人だぞ。知らないのか?」 パーソナリティ含め、観客の前で 軍政権を知らないフランシスコと息子たちは恥をかいてしまった。
          1. 息子たち「”圧政”っていい言葉で怒るなんて」
          2. 自分は学が無い小作人。 ブラジルが軍政権ということさえも知らなかった。 息子達にも恥をかかせてしまった。
          3. 根本には、『小作人という生き方から抜け出したい。自分には出来なくても、せめて子供達には裕福な暮らしをさせたい。』という思いがある
      3. 家族9人の大きな引っ越しだが、荷物はとても少ない。 荷車に荷を乗せ、途中からはバスで移動。 随分と遠くまで来た。 夜になり、街のネオンがキラキラと輝いている。ミロズマルは【見たことが無い】というような表情で窓から景色を見る。
        1. 家を出た初めは不安だったが、綺麗なネオンを見るミロズマルとエミヴァルはワクワクした表情。
          1. フランシスコもどことなく安堵した表情。
          2. 小作人として住んでいた地区は電気すら通っていなかった。
          3. 「見ろよ、電気だ」 しかし、電気は通っていた。 以前の家は電気が無かった。 フランシスコはスイッチを入れたり、消したりする。 何故か、家族は明るいフランシスコにつられて笑顔になっていた。
      4. そんな中、ギターとアコーディオンを持ち、帽子を投げ銭入れにして、男性デュオが歌っている姿があった。
        1. ミロズマルはしっかりと見ていた。
          1. 土砂降りの中、不安だらけで降り立った場所。 その場所が『一筋の希望』の場所となった
      5. だが、エレナはやはり心配だった。 会ったばかりの見ず知らずの男に、大事な息子達を預けるなんて…。 エミヴァルも不安なのかエレナの腕を離さなかった。 「行きたくないよ。」
        1. 家に着くとフランシスコが出迎えてくれた。 「僕は大丈夫だよ。エミヴァルは?」 「弟か?教えてやる」 そういうと、車のトランクには白い棺があった。 ミロズマルは不安な予感が当たってしまった。エミヴァルは帰らぬ人となってしまった。
        2. 1度目の旅へ行く時に母さんの腕にしがみついて「行きたくない」と不安を漏らしていたのは、 ここへの伏線?
      6. ♪~ この素朴な詩に込めて歌うよ わが美しき恋人よ 君に聞いてほしくて歌う 僕の苦しみや痛みを 僕はツグミ鳥のようだよ 止まり木で さえずる 悲しげな声で ヴィオラに乗せて 心の叫びを歌に託せば 嘆きの一つ一つが 切なる思いとなるよ 僕が生まれたのは丘の上 とても粗末な あばら屋だった 穴だらけの屋根からは 月光が差し込んでいた 夜が来ると いつもー-----
        1. ミランダとの1回目の旅の時に歌った曲だが、内容は本当に実際のミランダの人生とリンクしていたのかもしれない。 ・貧しい家に生まれたこと。 ・2人がどんどん稼いでくると、女も出来た。『わが美しき恋人よ』 のちに図々しいミランダを描写する意味合いも含む歌詞の内容。
      7. ミランダが側まで近寄ってきた。 「私が悪かった。許してくれ」 「事務所を開いて1年になるが、この2人ほど、才能のある子はいない」 「私の名刺だ。急がない、考えてくれ。2人の将来を」 名刺を取り、何も言い返さず、フランシスコと息子たちはその場を去った。
        1. この時点で、ミロズマル・エミヴァルと旅をしてから1年ほど時が経過している。
          1. ここでミランダと再会しなければ (もしかしたら演出として、実際は違う所で再会していたのかもしれない) 2回目の旅は無かったかもしれない
      8. サブトピック 8
      9. サブトピック 9
      10. サブトピック 10
      11. サブトピック 11
    3. 「共感のトリガー」は?
      1. やっと歌い始めたと思ったら、”ド”が付くほどの音痴。 「仕方ないわ。小鳥じゃないのよ」
        1. 初めから歌が上手い人はあまりいない(才能の部分もある?) →(ここまで下手だったかどうかは演出かもしれないが)多くの共感を得ることが出来る設定。
      2. 土砂降りの雨の中、引っ越す家までやってきた。 しかし外観はぼろぼろ。 そこらじゅうにガラクタも置き去りにされている。 中へ入っても壁はボロボロ、雨漏りまでしている。
        1. フランシスコも、ミロズマルも、エミヴァルも、 家族みんなで頑張っていたのに… 土砂降りのなか、なんとか辿り着いた家はなんともみすぼらしい家。
          1. 結局”小作人”、社会的地位は変わらないのか?
      3. 電話もさせてもらえた。 「母さん、元気? エミヴァルがキスをと」 エレナもミロズマルも、笑顔が溢れる。
        1. ミランダに遊園地にも連れて行ってもらえた。 観覧車、動物、屋台で好きなものも食べた。
        2. ミロズマルは思い付き、的屋である景品をこっそり狙っていた。 「エミヴァル!目をつむって!」 そう手に渡したのは、本物のサッカーボール。 「本物のサッカーボールだ!」 「ゴーー--ル!」 ボールはミランダの食事していた皿に命中。 この野郎!と一緒になってサッカーを3人で始めた。 それは、1度目とは大違いで、 楽しい時間だった。
      4. サブトピック 4
      5. サブトピック 5
    4. 「内的独白」は?
      1. サブトピ「ミロズマルは音楽が大好きなんだ」 「もう一人、男の子を産んで歌手にしよう。デュオだ。」 子供には、自分が好きな”音楽”で生きていって欲しい
        1. フランシスコは、小作人として汗水垂らして生きるよりも 音楽家として生きる方が楽しい。 そう信じていた。 人に使われながら生きる生活は辛いし、嫌だ。
      2. さすがのフランシスコも 「うるさい!朝から晩まで吹くな。もっと静かなことをしろ」 家の中で大音量で吹かれたら、たまったもんじゃない。
        1. 思わず怒鳴ってしまった。 練習はしてほしい。 しかし一向に上手くならないミロズマルにイライラしていた。
      3. 「あれをマネしろ。毎朝歌っていれば…上手くなる」 そしてそれから毎日、訳の分からないまま ミロズマルとエミヴァルは産み落とされた新鮮な生卵を丸飲みさせられた
        1. フランシスコはこの時単純に 雄鶏のように、高らかに力強い歌声の歌手になってほしいという思いで やった
      4. フランシスコの持っているアコーディオンを睨みつけ、怪訝な顔。 「どこであんな楽器を手に入れた?」 エレナ「買ったの」 「!?…ありったけの作物を手放したな。土地代も払わずに」
        1. ミロズマルはその会話を隣で聞き、(自分の家が貧しいのはよくわかっている) 家の財産を全て賭けて買ったものなのだと知る。
        2. 【そこまでして買ったものだったなんて…】
        3. エレナ「やめて」 隣にはそのアコーディオンをもらったミロズマルがいる。 子供にだってわかるような話の内容だ。聞かせたくない。
      5. 「失礼。息子がアコーディオンを練習している、教えてくれ」 その男にフランシスコは頼み込むが、「バカ言え」と突っぱね返されておわり。
        1. 教えてくれる人がいなければアコーディオンは弾けない。 財産をなげうってまで手に入れた”夢”への道具。なんとかしなければ。
      6. ミロズマルは、男の演奏するアコーディオンの手の動きをじっと見て、演奏技術を盗もうと真剣なまなざし。
        1. お父さんは家の財産全てを売って、地代も払っていないのに 僕にアコーディオンを与えてくれた。 何より僕はお父さんと同じで音楽が好き。 アコーディオンが弾けるようになりたい。
      7. 「僕には?」 エミヴァルがギターを受け取ると 「本物のサッカーボールが欲しいよ」と ちょっと不機嫌。
        1. サッカー大国ブラジルに生まれた少年は、皆サッカー選手を夢見ている。 手作り(?)のサッカーボールで毎日遊ぶ エミヴァルも例外なくその一人だった
      8. ♪~ 『豊かな富に 恵まれし国 永遠なる美しき 大自然の国 そのすばらしき国が 今 混乱の淵にある 夜も昼も苦役に あえぐ 人々の希望は どこに? 明るい歓喜の声は どこへ消えてしまったのか 永遠なれ 我が軍隊とー その”圧政”』
        1. 「ちょっと待ってくれ。 逮捕されちまう。検閲官が聞いたら終わりだ。」 フランシスコ「何が問題です?」 「ブラジルの大統領は軍人だぞ。知らないのか?」 パーソナリティ含め、観客の前で 軍政権を知らないフランシスコと息子たちは恥をかいてしまった。
          1. 息子たち「”圧政”っていい言葉で怒るなんて」
          2. 自分は学が無い小作人。 ブラジルが軍政権ということさえも知らなかった。 息子達にも恥をかかせてしまった。
      9. 家族9人の大きな引っ越しだが、荷物はとても少ない。 荷車に荷を乗せ、途中からはバスで移動。 随分と遠くまで来た。 夜になり、街のネオンがキラキラと輝いている。ミロズマルは【見たことが無い】というような表情で窓から景色を見る。
      10. 家族9人の大きな引っ越しだが、荷物はとても少ない。 荷車に荷を乗せ、途中からはバスで移動。 随分と遠くまで来た。 夜になり、街のネオンがキラキラと輝いている。ミロズマルは【見たことが無い】というような表情で窓から景色を見る。
        1. 家を出た初めは不安だったが、綺麗なネオンを見るミロズマルとエミヴァルはワクワクした表情。
      11. 「この塗り方はなんだ。ちゃんとやらないと給料は出さんぞ。」 フランシスコは新しく左官の仕事に就いていた。 しかし慣れない仕事。 上司から散々言われる。
        1. 【これじゃ小作人の時と似たようなもんだ】
      12. 娘「お腹すいた」 遂にお金も底をつき始め、食べ物さえも食べれない日々が始まっていた。
        1. 「寝てれば感じないわ」 そう言って娘をなだめる。 母としては心が痛い。
          1. 思わず赤子を抱きかかえ、子供達に見えないよう、耐えきれず部屋の隅で泣いてしまった。 しかし子供達は察していた。
        2. 家はボロボロだし、部屋も大家族で住むのにはとても狭かった。 隣でミロズマルは【何とか僕にできないか?】と考えているような表情だった。
      13. 歌って、投げ銭を入れてもらえた。 家に帰り、「父さん、お金だ」 【家の為に、お金を稼げた】 買い物も堂々と出来た。
        1. 後日、フランシスコが見守る中、バスターミナルで2人は歌った。 周りには人だかりができる程注目を浴びていた。 フランシスコは【この息子達なら出来る】 そんな確信した表情で見守っていた。
      14. バスターミナルで意気投合したミランダをフランシスコは家へ招き、エレナに紹介した。 「あの子たちは必ず成功するそうだ。」 「息子さんはセラード(農村地帯)のツグミ鳥。」 「2人を連れて国中を回って、面倒も見てくれる。有名になるぞ。」 「才能のムダです。2人は国中で輝くべきだ。」
        1. ミランダの明るい話しぶりに、半信半疑だがエレナは【有名になって、お金を稼ぐことが出来るのなら】 少しだけ笑顔を見せた。
      15. 「早く練習しろよ。”ジェカの悲しみ”だ。」 車はずいぶんと遠くまで来た。 ミロズマル「腹ペコだ。」 ミランダは”子守”に対しては無関心のよう。 2人は少し疑心暗鬼になっていた。
      16. 「ミランダに会った」 フランシスコは家に帰るとエレナに話した。 「謝ってたよ。まだ2人には芽が…」 「いやよ」 「じゃあ掃除人になれと? それでいいなら息子にそう言え」
        1. フランシスコは”夢”をもちろん諦めていないので、ラジオ局のコンテストへも2人を連れて行った。 一度息子達を誘拐したのかと疑うくらいの期間、連れまわした男だ。 半信半疑だったと思う。だが、今、 夢を追えることの出来る道があるのはミランダだと、そう思っての発言だった?
      17. 「上手くいくわ。彼は変わったの。」 家へ帰り、旅の荷造りをしていた。 エミヴァルへ、エレナが話す。 「いい暮らしをするの」 そう言いながらも、やはり不安そうな表情。
        1. 「二度と信じない」 大事な息子を、どこにいるかも分からず数カ月の間連れまわしたのだ。 ミランダがどう言おうと到底信じられない。 【また旅に出すなんて、本当はしたくない】 【でも生活するのにはこの方法しかないのかしら】 気持ちが揺らぐ。
      18. ジルーも生活の為、結婚後も仕事をしていた(アクセサリーを作る仕事?)。 ミロズマルがギターを抱えながら悩んでいる時、ガサゴソと大きな音を出して準備している。 ジルーはただ心配しているだけ。 「仕事の時間よ。行ってくるわ。」 ミロズマルは鬱陶しい、というような表情。
        1. 一家の大黒柱なのに…。 ミロズマルは「職探しだ。もう限界だよ。」と言ってワイシャツを整える。
          1. 「あなたの仕事は音楽よ」 ジルーは生活が苦しくても、ミロズマルには音楽をやってほしいと思っていた。 「音楽じゃ食えない。じき飢え死にだ。」 そんなこと、ミロズマルが一番思っていることであっただろう。 思わず大きな声を、娘たちの前で出してしまう。 「もう少しの辛抱よ」 「娘を養わないと。父さんが悪いんだ。音楽でなんて食えない、絶対に。」
          2. ミロズマルは葛藤していた。 音楽をやりたい。けど生活していかなければならない。 最後には父さんのせいにしてしまった。 自分は最低だ…。
      19. ミロズマルが音楽で食っていけるのか…と葛藤している時、 実家ではフランシスコがこっそりとウェルソンへギターをプレゼントしていた。 ”クラブで歌っている”と聞いたからだ。
        1. フランシスコは、音楽が好きな子供達には音楽を貫き通してほしかった。
        2. サブトピック 2
      20. 「2人で組めば100万枚の大ヒットだ」 (ウェルソンはミロズマルが上手くいっていないことを知っていた) 「迷わないで。上手くいくよ。自信があるんだ。」 根拠は無いに等しかったが、ウェルソンの夢にあふれた眼差しに、忘れかけていたものを 思い出させてくれたような気がした。
      21. 『ヒット曲が無いと…』 『競争が厳しいからな…』 ジルー達の会話も助長して、先日レコーディングの時言われた言葉が頭の中でリフレインする。 頭を抱えた。
        1. 「静かにしろ!」 思わず怒鳴ってしまった。 「仕事しているのよ」 「うるさくて頭がイカれる!」
          1. ジルーの仕事仲間は気まずくなり帰ってしまった。 「食べるためなのよ」
          2. 生活が苦しいこと、それでも音楽がやりたいこと、いい曲は作れているはず…。 ジルーも、ミロズマルは音楽を仕事にするべき人、と応援したい気持ち。 二人とも気まずくなってしまった。
      22. ♪~ 打ち消せないよ 君への熱い思い 会いたい気持ち 打ち消せない 君がいなければ 寂しいだけの世界 君は幸せを運ぶ鳥 打ち消せない 打ち消せないよ 君は僕の 愛しい人 僕だけの ささやかな天国 決して打ち消せない 愛する人よ 君こそ生きる喜び 僕だけのステキな夢物語 生きるために どうしても必要なもの 水晶のように 透明な心で君を愛そう 向こう見ずで クレイジーで気楽 複雑過ぎて 理解できないもの エ・オ・アモール(それが恋)…
        1. 新曲の歌詞の一部。 エミヴァルへ? ”音楽”へ? 音楽をしたい、自分へむけて?
      23. サブトピック 23
      24. サブトピック 24
  6. 各シーンで自分の人生とリンクしたシーンは?
    1. サブトピック 7
      1. そのときなにがあったか?
      2. どんな場面だった?
      3. そのときなにを感じていた?
      4. そのときどうした?
      5. そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
      6. 今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
    2. サブトピック 7
      1. そのときなにがあったか?
      2. どんな場面だった?
      3. そのときなにを感じていた?
      4. そのときどうした?
      5. そのときの行動が、その後じぶんにどんな影響を与えた?
      6. 今のあなたが再解釈すると、どう感じますか?
  7. 登場人物像/役割
    1. サブトピック 1
    2. サブトピック 2
    3. サブトピック 3
    4. サブトピック 4
    5. サブトピック 5
    6. サブトピック 6
    7. サブトピック 7
  8. 気に入ったセリフ
    1. 『昔、僕の父は言われてた。友達や家族から。 ”現実には起こるはずのない、夢ばかり見てる奴”。”イカれてると”。 でも、逆だった。父は正しかった。』
    2. ついにスタジオでのレコーディング。 ミロズマルが終わり、次はウェルソンの番。 「エミヴァル、僕を守って。」 ウェルソンは初めての事。 とても緊張していた。
    3. サブトピック 3
    4. サブトピック 4
    5. サブトピック 5
    6. サブトピック 6
  9. あなたの人生のなかで、今の自分に影響を与えていたと感じるセリフを思い出しましたか?
    1. 兄弟
    2. 後輩的な人
    3. 先輩的な人
    4. 師匠的な人
    5. 出会ったこと・もの
  10. 監督がもっとも力を入れたと感じるシーン
    1. どのシーンか?
    2. どんなシーンか?
    3. なぜそう感じたか?
  11. 敢えて描かなかったシーン
    1. 『過去』
      1. ストーリーは全てのシーンで”オンタイム”で進んでいく。
    2. ミロズマル、エミヴァル、ウェルソン以外の兄弟の物語
    3. 息子(名前は出ていない)がポリオと宣告されてしまった。「一生歩けません。」 治す術が無い。
      1. ここから車いす生活が始まる→時系列は(演出として)違う場面かもしれない?
      2. しかし彼の物語は描かれていない。
        1. 物語にはあまり関係の無い内容になってしまうため、省いた?
    4. ミランダの、 一度目旅に出て「もう来るな!」と追い出され、二度目までのフランシスコに会うまでの改心する描写
      1. ミランダはキーパーソンではあるが、あくまで『キーパーソン』。 フランシスコと息子達の物語が不自然にならないよう、「事務所を開いて1年になるが…」というセリフのみで 時間が経っていることを説明している。
    5. それからしばらく月日が経つ。 ミロズマルは音楽に触れなくなってしまった。 お父さんの左官の仕事を手伝うようにもなった。
      1. いつもの食卓の風景。 ふとアコーディオンの音色がミロズマルの部屋から聞こえてきた。
      2. アコーディオンは赤色から緑色になっていた
        1. エミヴァルとの思い出がどうしても思い出されてしまうため、赤色のアコーディオンは売ったのかもしれない。 代わりに、新しい緑色のアコーディオンを買った。
          1. これからウェルソンとのお話のきっかけになるよう、『区切り』として色を変えた?
    6. サブトピック 6
    7. サブトピック 7
    8. サブトピック 8
    9. サブトピック 9
    10. サブトピック 10
  12. 何故『左官』 ? 古代日本の宮内省には、主に宮廷の建築に関する仕事を担う 「木工寮(もくりょう)」という組織があった。 その組織内の階級として、壁塗り職人には 「属(そうかん)」が与えられており、それが訛って「さかん」と呼ばれるようになったという説がある。
  13. "聖アナの礼拝記念" ・聖母マリア像がブラジルのパライーバ川から「姿を現した」出来事が、形容詞的用法でノッサセニョーラアパレシーダとして定着 ・数あるカトリック諸国の中でもブラジルにしか存在しない“褐色の聖母”
    1. ”パライーバ川”(のちにミロズマルとエミヴァルがミランダの車の中で歌った歌の歌詞に川の名が出てくる) で漁をしていた貧しい漁師たちが、魚が獲れない時期が続いて困窮していた頃、ある漁師の網にかかったのは、頭の取れた聖母マリア像。 もう一度投げた網にはマリア像の頭がかかり、なんとそれらがピタリとはまった。漁師は感動し、聖母マリア像を持ち帰って祭壇をつくり、毎日祈りを捧げた。 その後、不思議なことに漁をするとカヌーが転覆するほどのたくさんの魚が獲れる幸運に恵まれた。
  14. 『ブラジルにしか存在しない“褐色の聖母”』 歌詞にはカトリック諸国ならではの一文が入っている。
  15. ポリオ(急性灰白髄炎)は 脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、ポリオウイルスによって発生する疾病。 名前のとおり子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、麻痺などを起こすことのある病気。 主に感染した人の便を介してうつり、手足の筋肉や呼吸する筋肉等に作用して麻痺を生じることがある。