1. 第1章ヒューマンエラーとは何か
    1. 人間の間違いは全てヒューマンエラー
    2. ヒューマンエラーを分類することは必ずしも有効でない
  2. 第2章なぜ事故はおこるのか
    1. 事故の特徴
      1. 意外性
      2. 有害性
      3. 不可逆性
    2. ヒューマンエラーを防ぐのも起こすのも人間
    3. 事故は人間が異常に気づいたときには既に手遅れである罠によって発生する
      1. 人間が自分の行った操作が決別遷移であることに気づかなければならない
    4. 事故を防ぐ方法
      1. 決別遷移をなくす
      2. 臨海状態の時に注意を促す
      3. 事故への道を知ることで防ぐことができる
    5. ヒューマンエラーの原因を問うことは重要だが、明快な答えが見つからないことがある
  3. 第3章ヒューマンエラー解決法
    1. 問題の捉え方が難しい
      1. 人間は自分の技能や立場や経験に合うように問題を定義する
      2. 妥当な問題の捉え方であれば、妥当な問題解決へと導かれる
      3. 複数の観点から問題を捉えることが重要
      4. 問題の捉え方の観点
        1. 前提条件の問題
          1. しなくてもすむ方法を考える
        2. やり方が問題だ
          1. 計画改良
          2. 作業手順の改良
          3. ソフトウェアの改良
        3. 道具装置の問題だ
          1. ソフトウェアの改良
          2. ハードウェアの改良
        4. やり直せればよい
          1. 回復手段の設置
          2. 採算計画
          3. 小さい損害は甘受して全体として採算が取れるようにする
        5. 致命的でなければ可
          1. 採算計画
          2. 非常用装備
        6. 認識の問題
          1. 問題現象の有効活用
    2. 問題解決への作業
      1. 誰が問題に取り組むべきか
        1. 被害者
        2. 加害者
        3. キーパーソン
    3. 解決策を考えても、その解決策が引き起こす問題が出る場合もある
      1. 最初から完全な解決策ではなく、少しずつ改善を繰り返していく
    4. 小さなミスが問題を引き起こす
      1. 小さなミスに気づくための組織、仕組みが必要
        1. 報告者の不利益にならないことが必須
          1. 匿名システム
          2. 法的に守る
    5. 事故の責任を問うと、事故の解決から遠のく
  4. 第4章ヒューマンエラー防止法
    1. 作業を行いやすくする。ヒューマンエラーの発生頻度を抑制する
      1. 人間工学的に考える
        1. おすすめの本
          1. 人間工学の指針(日本出版サービス)
          2. 建築設計資料集成-人間(丸善)
        2. 作業の行いやすさの評価方法
          1. 人間の五感
          2. 人間の認識能力
          3. 情報量
          4. 情報の内容
          5. 情報の表現
          6. 目立たせ方
          7. 先入観との適合
          8. 人間の能力との限界
          9. エネルギー
          10. 精度
          11. 器用さを過剰に求めていないか
          12. 使用身体部位
          13. 特定の部位だけ酷使していないか
          14. 段取り
          15. 作業者が臨機応変な段取りの変更ができるか
          16. 作業時間に余裕はあるか
    2. 人に異常を気づかせる。損害が出る前に事故を回避できるようにする。
      1. 警告の出し方
        1. 即物性
          1. 警告は異常を確実かつ直感的に表現しないといけない
          2. 異常な現象そのものを警告のサインにできれば最善
        2. 時宜性
          1. 早すぎも遅すぎもいけない
        3. 表現形態
          1. 誰にでもわかり、誤解の余地なく、見過ごされないように目立つもの
        4. 詳細度と量
        5. 指示をうながす
      2. 気づかせる方法
        1. 人間の覚醒レベル
          1. 漫然状態
          2. 適度注意状態
          3. 過剰緊張状態
        2. あえて手間を与える(強制覚醒策)
        3. 小さな事故を起こす(小事故誘導法)
          1. 例:スピードバンプ
        4. わざと異常を起こす(小異常発生策)
          1. 例:頭がぶつかりそうなところから紐をたらす
        5. 刺激を与える(興味覚醒策)
          1. 例:運転中に楽しいラジオ番組を聴くなど
        6. ストレスを排除する
          1. つまらなければ眠くなる
        7. 大事なものは最後(達成感保留策)
          1. 作業終了間際で気を抜かせないようにするための策
          2. 例:ATMで最後に現金が出る
        8. 裁量に任せる(作業員主宰化策)
          1. 仕事は押し付けられると雑になる
        9. 能を刺激する(知覚チャンネル変更策)
          1. 音だけ光だけでは能は寝る
          2. 例:声出し、指差し確認など
        10. 作業状況を分かりやすくする(作業状況なぞらえ策)
          1. 暗記は無理。道具で表現する。
          2. 人の順番待ちの列は処理される順を表している
        11. 作業員同士でチェックする(二人作業班策)
          1. ツッコミがしっかりしているとボケはミスを犯さない
        12. 監視して緊張感を与える(監視策)
          1. 監視は強力だが、嫌われ、裏をかかれる
        13. 道義心に訴える(社会化策)
          1. 作業者に人々の中で作業していることを気づかせる
        14. やらない(課業免除策)
          1. 事故になる作業はやらない
        15. させない(行為禁止策)
          1. 事故の危険がきわめて高い行為を禁止する策
        16. 見返りそ支払う(高給懐柔策)
          1. 高い給与と引き換えに困難な作業を引き受けてもらう
          2. ただし、お金でヒューマンエラーは防げない
    3. 被害を抑える。小さな事故が大きな事故に発展しないようにする
      1. 被害に備える
        1. きっかけ演繹法(Event Tree Analysis)
          1. 一つの小さなミスがどこまで大事故に発展するか想像をめぐらせる
        2. 事故原因帰納法(Fault Tree Analysis)
          1. 大事故を思い浮かべ、その事故が起こるために必要な要件を考える
  5. 第5章実践ヒューマンエラー防止活動
    1. ヒューマンエラー問題の共通点
      1. 相談を持ち込む人は労務管理の担当が多い。現場作業者や監督者ではない。
      2. 講演や教育方法など、全従業員に一括に行って効果がありそうな対策を求められる。
      3. 事故事例の集計表をつくっている
      4. 集計表は始末書の要点を抜粋して寄せ集めただけ。法則性を探す分析を行っていない。
      5. 集計表の原因欄はあるが、原因の原因の分析はされていない。
      6. 集計表の対策欄も判で押したように今後は指導を徹底させると書かれている
      7. 事故の頻度が非常に高い。毎週数件ペース。
      8. 財政的制約のために対策が難しいヒューマンエラー事故が多い
      9. 事故後の処理や謝罪対応に相当の労力と時間を割いている。つまり事故前に事故予防をすることへの資金出動は厳しい制約を受けているが、事故後の尻拭いへのコストは捻出できる
      10. 集計表のデータから事故の起こった曜日を集計してみるとムラがあることがわかる。事故の多い曜日には何をしているのか尋ねてみると、作業の締め切りになっているらしい。つまり、締め切りに間に合わせようとして事故が多くなっているようだ。
    2. 現場の問題点はすぐにわかるが、解決策への制約は詳しく聞いてみないとわからない
  6. 第6章あなたならどう考えますか?
  7. 第7章学びとヒューマンエラー