『初心者向け』コンセプトマップの作り方と例ーXmind
Nov 10, 2022
『初心者向け』コンセプトマップの作り方と例ーXmind
Nov 10, 2022
コンセプトマップ(別名:概念地図)をどうやって作りますか?コンセプトマップの作り方が分からない方に、本記事がおすすめです。この記事では、コンセプトマップ作成の詳細手順と豊富なテンプレートを含めてご紹介していきます。
コンセプトマップ(概念地図)とは?
コンセプトマップは、概念間の関係性を視覚化する手法です。膨大な情報量を処理する時に、コンセプトマップが大変助かります。一般的に、メンタルモデルの作成、トレーニング、科学における学習の強化などの場面でよく使われています。
コンセプトマップの開発者ジョセフ・D・ノヴァク様は、良く書けた概念地図は解決すべき問題に焦点を当てて書いたものだと推奨しています。また、すべての接続線にリンクワードが必要であると考えています。ノヴァック流のコンセプトマップの例は、次のようなものです。
図1:上記のNovaKコンセプトマップ テンプレートが(Xmind 共有)Xmind Share でダウンロードできます。
コンセプトマップにはたくさんのスタイルがあります。通常、ノヴァキアンスタイルを指すことが多いようです。
そのため、このチュートリアルは、NovaKが開発したコンセプトマップをメインとして説明していきます。また、他のタイプのためのヒントも含まれています。
コンセプトマップの特徴
自由形式の構造と知識のつながりに重点を置くことは、コンセプトマップの特徴です。概念地図は、自由度の高いものですので、チャート、マインドマップ、フローチャート、タイムラインなどと組み合わせて使うことが多いです。
図2:マインドマップとコンセプトマップを組み合わせる例。ワンクリックすると全画面表示され、Xmind共有でダウンロードできます。
Xmindという無料マインドマップソフトには、概念地図、魚骨図、ツリーテープルなどの色々な構造があります。Xmindで綺麗なコンセプトマップを簡単に作成することができます。以下の全ての図はXmindで作られたものです。
コンセプトマップの要素
一つのコンセプトマップにはノード(概念)、リンクワード(概念間の関係)、クロスリンク、構造、命題などの要素が含まれています。次は、コンセプトマップの要素について詳しくご紹介します。
ノード、リンクワード、クロスリンク
これらのボックスは、コンセプトマッピングではノード(概念)と呼ばれます。ボックスに記入した概念は、できるだけ単語や短いフレーズと同じような長さに書くべきです。
すべてのリンクがクロスリンクというわけではありません。異なるノード間が繋がる線だけがクロスリンクと呼ばれます。
各リンクには、ノード間の関係を説明するための独自のリンクワードがあります。
命題
コンセプトマップの命題は、一つのリンクとそれによって繋がれている二つのノードを指します。命題はマップの最小単位です。コンセプトマップは、一つの命題だけではなく、複数の命題によって構成されています。各命題は、意味のある文です。命題の構造も概念マップの特徴です。
構造
コンセプトマップは自由な形式で作成することができますけど、理想的な形は階層的な構造です。
階層構造では、最も重要な概念が視覚的な中心に置かれます。ノードの重要性に応じて、ノードの位置を上部でも、中央でも、左側でも配置することができます。
中心問題(基礎仮定)
中心問題は、概念マップが論証すべき問題や課題です。中心問題を明確しないと、後のダイアグラムの作成は難しくなるかもしれません。
基礎仮定は、中心問題を分析するために使用するモデルです。これは、非常に重要です。最初から、このモデルを決めたら、一番良いのです。しかし、これは、思ったより難しいです。
基礎仮定と中心質問は、マップのコンテキストを提供します。コンセプトマップは文脈性が高いので、それらが明確であればあるほど、実りあるコンセプトマップになります。
コンセプトマップ(概念地図)の作り方
真っ先にやるべきことは、概念地図を描くものの選択です。ここでは、デジタルキャンパスがおすすめです。描いたものをいつでも修正できるからです。
ステップ1:中心主題を確認
興味のあるトピックを1つ選び、それについて問いかけます。通常「どのように」「なぜ」「何を」から始まります。
以下では、「やる気がないときに仕事を終わらせる方法」を例として説明します。
マクロコンセプトマップのノードをマイクロダイアグラムでリンクして管理します。そうすることで、キャンバスが細部でいっぱいになるのを避けることができます。
ステップ2:ブレインストーミングー概念の作成
ブレーンストーミングの段階では、アイデアの冗長性、関係性、重要性などの判断を捨てて、思い浮かんだアイデアをそのまま書き出すのが非常に重要です。20〜50ぐらいのノードが書き出すべきです。この数量は、紙やモニター画面の一般的なサイズに収まられます。
アイデアをスプレッドシートに記録しておくと、概念を分節化にできます。
アドバイス
コンセプトマップは箱書きに書いたメモではありません。コンセプトは簡潔かつ明瞭であるべきです。
一つのノードに情報を入れすぎると、読みづらいです。しかし、重要な概念を十分な情報を記入しないと、理解不能になる恐れもあります。そこで、ボックスの中に括弧で簡単な定義を書き、重要性を示すノードにつなげればよいのです。
ステップ3: 構造-コンセプトの整理
このステップでは、「グループ化」と「スコアリング」の2つのアクションを行います。この2つの作業は相互に関連するため、ここでは1つのステップにまとめています。
コンセプトのグループ化では、関連または類似のノードをまとめている必要があります。そのためには、すべてのアイデアを1枚のポストイットにまとめたり、紙の上で整理したりすることがおすすめです。
私は、Xmindのマインドマップでコンセプトの整理を行う方が、枝の間でアイデアを移動させるのが非常に簡単で速いので気に入っています。
書いた概念をスプレッドシートからXmindに内容をコピーした後、すべての概念を1つのキャンバスに収めることができます。
次に、類似した内容を一つのグループに移動し、その親トピックに名前を付けます。Xmindでは、これらのトピックを複数選択し、Command+Enter(Windowsの場合: Ctrl + Enter) を使用して、それらの親トピックをすばやく作成することができます。
アイテムが複数のグループに当てはまる場合は、他の親トピックに接続してください。また、重要なトピックである可能性があるため、それらを強調表示する必要性があります。
スコアリングでは、各コンセプトを何らかの尺度で評価する必要があります。
ノードの相対的な重要度は1~5で評価され、1が最も重要度が低く、5が最も重要度が高いことを意味します。
アドバイス
- 視覚的な階層を構築:階層的な順序は、マップを明確にします。重要性に応じてノードを上から下へ並べます。センターアウトの順序でもかまいません。色やフォントサイズの違いによって、重要なノードを視覚的に区別します。
ステップ4:リンク-リンクワードとクロスリンク
アイデアのつながりを見つけて、リンキーワードでつなげます。実は、ノード間の関係性を正しく表現するためのリンクワードを見つけるのは、簡単な作業ではありません。適切なリンクワードを見つけるのが難しいと感じることがあるかもしれません。この感じは、ノード間の関係性を表すリンクに対して十分に理解していないことを意味してます。実は、リンクワードの妥当性を考えながら、学習へのメタ的な理解を促進することができます。
リンクワードの例としては、次のようなものがあります。「表す」、「定義する」、「カバー」、「実証」、「例」、「引き起こす」、「決定される」、「原因」などが挙げられます。
プライマリーリンクを作成したら、異なるブランチの同じレベルのノード間の関係を示すクロスリンクを作成します。
ステップ 5: 最後- 確認と改訂
コンセプトマップが大まかに完成したら、マップ全体の流れがスムーズになるか、概念間の関係が正しく表現されているかをチェックする必要があります。以下の面からチェックしましょう!
構造の視覚的な明瞭さ:
中心的なノードが容易に識別できるか?
サブコンセプトはメインアイデアから適切に分岐しているか?
関係の正確さ:
リンク線は正しい方向でつながっているか?
リンクワードは、概念間の関係を正確に説明しているか?
ハイパーリンクが効果的に使用されているか? (デジタルマップの場合のみ)
内容評価:
命題の妥当性とマップの完全性が評価されます。
命題は意味があるか?
ほぼすべての重要なアイデア(少なくとも20個)を含んでいるか?
グラフィックデザインの評価:
デザイン要素の取り扱いや表現の創造性に注目します。
ノードとリンクは、視覚的な近接性と整列の原則に合っているか?
コントラストを使って他から重要なものを強調しているか?
テキストは読みやすく、ページに合わせて適切な大きさになっているか?
アドバイス
改訂は、地図上に表示される内容だけにとどまりません。基礎となる理論、採点基準、リンクフレーズの選択、グループ分けなどから確認する必要もあります
コンセプトマップのテンプレート
化学のコンセプトマップ
化学のコンセプトマップ :モル、モル質量、経験式などを含む
複雑なリンク動詞と複数のクロスリンクを含むが、ノード数が少ないマップに適用です。
看護のコンセプトマップ
看護のコンセプトマップ:看護診断、教育などのコンセプトを含む。
より階層的で、クリーンなスタイルです。多くの概念を含むが、単純な接続の図に適用しています。
参考資料
Literature review for concept map research.
- Concept mapping: A strategy to support the development of practice, research, and theory within human resource development, B. J. Daley, et al. (2010).
Concept mapping from bad to good.
- How good is my concept map? Am I a good cmapper?, A. J. Cañas, et al. (2015).
- Understanding concept maps: A closer look at how people organize ideas, S. Padilla, et al. (2017).
Marking rubrics for the concept map.
- Rubric for assessing concept maps, Centre for Teaching Excellence, University of Waterloo (2019).
- Concept map rubric - Anthropology, S. E. Ingram. (2019).
Xmindを無料でお試し